松尾模糊/BlurMatsuo

私的に物書き始めました。破滅派同人→https://hametuha.com/douj…

松尾模糊/BlurMatsuo

私的に物書き始めました。破滅派同人→https://hametuha.com/doujin/detail/blur-matsuo/ 初の短編集『月に鳴く』(破滅派)が電子書籍で発売になりました。→https://amzn.to/4175oUq

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最近の記事

20240504

 五月に入っていろいろとイベントが各所で行われている。千葉の蘇我スポーツ公園で開催された音楽フェス『JAPAN JAM 2024』に出演した結束バンドの映像がたまたまTL上に流れてきて、その熱狂ぶりに驚いた。結束バンドは、昨年放送されたテレビアニメ『ぼっち・ざ・ろっく』の番組内で結成される女子高生四人組バンドで、オリジナル曲のほかアジカンのカバーなどもやっていた。映像は彼女たちのオリジナル曲「青春コンプレックス」の演奏風景をバックステージから撮影したものだった。一糸乱れぬハン

    • 20240503

       晴れて行楽日和といった天気。ゴールデンウィーク後半で四連休に人もいるようでTL上も浮かれた文言が飛び交っている。  「第129回文學界新人賞」の旗原理沙子「私は無人島」、福海隆「日曜日(付随する19枚のパルプ)」と選評を読んだ。「私は無人島」はレイプされて妊娠した友達を堕胎させるための秘薬を探しに島へと赴く冒険譚。民話の挿入で独自の世界観を描いている。「日曜日(付随する19枚のパルプ)」は、年下の大学生と付き合うゲイの会社員が、大学で出会った性的マイノリティーの啓蒙活動に熱

      • 20240502

         雲の多い空模様だったが、晴れ間も出て雨は降らなかった。ゴールデンウィークの後半が明日から始まるからか、街行く人々の足取りが軽いように見える。自分は何も関係ないので普段行く場所の人出が多いと結構げんなりする。  ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を』(小尾芙佐訳、ハヤカワ文庫NV)を読んだ。もはやSF界では古典と言っていいほど世界中で長く読まれている作品で、わたしも何となくそのあらすじは知っていたが、実際に読んでみてそのイメージとのギャップに驚いた。もっと優しい世界を想像

        • 20240501

           雨の一日。近所の公園ではゴールデンウィーク期間中に催し物が行われているが、足元が悪い中、結構な人々が傘や雨合羽で訪れていてよく出かける気になるものだな、と感心した。  水木しげるによる漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の最新アニメ映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観た。鬼太郎の誕生秘話が明かされる。昨年、水木しげるの生誕一〇〇周年を記念して公開された。幽霊族最後の生き残りとなった鬼太郎の父である「目玉おやじ」と、龍賀一族が支配する哭倉村で相続争いの結末と「M」と呼ばれる増強剤の謎を突き止

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        • 曖昧日記
          565本
        • 小説
          2本
        • 完全なる消え方の練習
          2本

        記事

          20240430

           アキ・カウリスマキ監督のフィンランド映画『パラダイスの夕暮れ』を観た。彼の初期作品『真夜中の虹』、『マッチ工場の少女』と共に〝労働三部作〟と呼ばれる。ごみ回収の仕事をしながら孤独に生きる男と行きつけのスーパーで働く女性の恋愛を描く。  彼の作品を何作か観れば分かるが、彼は徹底してフィンランドの底辺で生きる人間をその過酷な状況にもかかわらずユーモアを交えつつ、なんとか希望へとつなげて描く。今作でも男が酒で暴れて留置所に入れられたり、女が突然の解雇通知を受けて金庫の金を盗んだり

          20240429

           破滅派の編集会議だった。それぞれの文フリに頒布する最新号の原稿の進捗報告と今後のスケジュール確認を行った。一応締切は二十六日だったが、皆が間に合っておらず三十日までに伸びた。印刷所のスケジュール上、最終的にこの連休中に組版を終えて校正チェックをやるということに落ち着いた。わたしもまだ加筆しなければならない気がしている。今回はあんまり手応えがないので、どう読まれるか心配なところだ。ともあれ、なんとか完成させたい。

          20240428

           デレク・ツァン監督の中国・香港合作映画『少年の君』を観た。過酷な受験競争のプレッシャーと、壮絶ないじめに遇う少女が路上で袋叩きにされていた少年を助けたことをきっかけに、少年が少女のボディーガードとして交流を深める青春物語。二人は受験まで徐々に心を通わせていくが、受験直前に事件が起き、警察の厳しい追及を受ける。  貧困を脱する唯一の希望である受験に全てを賭け、いじめにも耐える少女、天涯孤独のチンピラだった少年が彼女を守るためにした決断、かなりエモい作品だった。はじめは刑事のや

          20240427

           雲の多い天気で蒸し暑い一日だった。なんとか文フリの原稿を書いたが、何か足りないように感じている。そう考えだすと、なにもかもが駄目なように思えてしまうから始末が悪い。ひとまず原稿から離れることも必要かもしれない。しかし、時間がない。悩ましいものだ。

          20240426

           コーマック・マッカーシー『すべての美しい馬』(黒原敏行訳、早川書房)を読んだ。全米図書賞、全米批評家協会賞を受賞した代表作。ジョン・グレイディ少年の成長と親友と馬との旅、美しい娘との恋愛など王道の物語を詩的な表現と素朴な会話で、哲学や宗教など普遍的テーマを内包した小説に昇華した傑作と言っていいだろう。  アメリカ南部やメキシコとの国境付近を舞台に暴力や不条理を描き続けたゆえ、フォークナーの後継者とも言われた。南北戦争後の没落した南部の風景や黒人奴隷の問題を描いたのが彼なら、

          20240425

           ひさびさに晴れて、日中は汗ばむほどの陽気だった。最高気温も二十五度を超えて、これから夏が来たらどうなるのだろうかと不安になるくらいに暑くなった。とは言え、晴れるということは気分的にはやはり嬉しいものだ。道端にも色とりどりの花々が咲き、モンシロチョウやアゲハチョウがひらひらと空を舞っているのを見ると、いくらか気分が高揚することは間違いない。  オリヴァー・ハーナマス監督、カズオイシグロ脚本の英映画『生きるーLIVING』を観た。黒澤明監督の名作を英国に舞台を変えてリメイク。オ

          20240424

           雨の一日。少し肌寒い気温で体調管理に気をつけなければならない。黒沢清監督の映画『ドレミファ娘の血は騒ぐ』を観た。田舎から出てきた娘が大学で心理学のゼミに通っている憧れの先輩に会いに来るが、自堕落で性に奔放な彼を見て幻滅する。そこで出会ったゼミの教師に「恥じらい理論」の実践の指南を受けるが……。伊丹十三がかなり渋い感じだった。コメディ要素高めという感じだが、シュールで最後は意味が取れず、どことなく不穏な感じも今の彼の作風に通じるところがあった。

          20240423

           雲の多い天気で夕方から雨も降った。職場の近くでボヤ騒ぎがあった。段ボール置き場の段ボールが燃えていた。消火器が使えなくなっており、職場にあった消火器を急いで彼らに手渡した。なんとか初期消火で火はおさまり、消防車が四台も駆けつけてその後も消火活動が行われてけが人も火が燃え移ることもなく鎮火した。  消火訓練で消火器の使い方に慣れていることはとても大事なことだと改めて思った。はじめは花火の匂いかと気づかなかったが、火事になるとああいう匂いがするのかと、一つ気づきがあった。

          20240422

           五月の文フリの原稿が佳境に入っている。締め切りも近い。間に合わないかもしれない、と焦っていたが、なんとか終わりが見えてきた。あとは推敲して完成させていきたい。入稿してから校正が入るのでまだ先はあるのだが、面白い小説になると思う。「ノワール」というのは挑戦だったが、なんとか乗り越えられそうで安心した。

          20240421

           雲の多い天気。夜には雨も降った。今年は雨が多い。今から梅雨が来ると思うと、気が滅入る。アニメ『怪獣8号』を観た。三木聡監督の『大怪獣のあとしまつ』という賛否を呼んだ映画があったが、あれの元ネタはこれだったのかと合点した。  怪獣を倒すヒーローに光が当たる反面、その後始末をする陰の存在、いわゆるエッセンシャルワーカーに焦点を当てているというのはなんとも現代的だし、導入だけだとしても評価すべき点だと思った。

          20240420

           マイケル・サルノスキ監督、ニコラス・ケイジ主演の米映画『PIG/ピッグ』を観た。山奥でトリュフ豚を育てていた男が豚を奪われ、取り戻すために街まで赴く話。その途中で彼からトリュフを買っていた若いオーナーが彼が伝説的な料理人だったことを知り、業界を牛耳る父親との意外な関係を知る。  それぞれが抱えた過去の問題と騒動を通して向き合っていく再生の話として鑑賞した。なぜか地下の賭博場で一分間ぶん殴られ続けるというシーンが唯一の謎だった。ニコラス・ケイジは何でもやるんだな、と改めて感心

          20240419

           風が強い一日。花壇などではチューリップやパンジーや薔薇など、色とりどりの花が咲いていて春爛漫といった趣きである。チューリップは小学生の頃に学校で育てた球根の思い出をみんな持っているのではないだろうか。だが、それ以降チューリップと触れ合う機会はなかった。実家では母がドライフラワーを玄関先に飾っていた記憶がある。  花鳥風月とはよく言うが、花に普段から慣れ親しむということがないので、その心がいまいち分からなかった。聞き覚えのない鳥の鳴き声が聞こえたりすると、気になるようにもなっ