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【第十話】児相と一時保護解除に向けた面談、妻を泣かしてしまい反省した話

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児童相談所に、子供を一時保護してもらった話

妻が退院したので、長男の一時保護解除に向けて児童相談所+子供家庭支援センターと面談(家庭訪問)を行った。

僕も妻も、長男に早く帰ってきて欲しい。
だから以前の記事「【第九話】児相に退院報告、一時保護解除に向けた、家庭訪問の攻略方法を考えてみた話」でも書いたように、ある程度話すことを決めていこうと考えていた。

ちなみに考えていたことは以下のような内容。

■児相の家庭訪問攻略
・息子たちについて
 ⇒これまでもこれからも大事にする。一時保護は辛い経験。しかし、息子たちと幸せに暮らすために必要だった。今回、子育ての大変さで潰れてしまうこともわかった。自分たちだけでは子育ては難しい時もある。だから祖父母やすこやか、保育園、民間のシッターサービスに上手に甘えていきたい。

・夫婦喧嘩について
 ⇒引き続き子供の前では絶対に喧嘩しない。また、病状もあってお互いピリピリしており、ケンカが発生しやすい状況にあったと思う。元々2人は仲が良い。今回の経験を通して、仲が良くてもこうなることは痛感した。まずは治療をしっかり行っていくが、2人の時間も持てるよう、いい意味で周りに甘えていきたい。

・妻の病状について
 ⇒入院にあたって病識は薄かった。今も完全に病識があるか?で言うと、自信はないが、治療は必要だと思うし受けるつもり。実際、毎日服薬もしているし、通院もする。どういった制度があるかわからないが、公的にセラピーみたいなものがあるなら受けたりもしたい。無理をしない、疲れたら休むを徹底していきたい。

本音ベースだが、聴こえの良さそうな言葉を選んだ。まぁ、なかなかに独りよがりな内容と言えるかもしれない。それでも僕は家庭訪問の結果、子供の一時保護が解除されない、という事態は避けたい。

心配なのは妻の病識。
退院した今も「私は病気だと思ってないし、入院には納得していない」と言い続けている。そこは素直に言ったらダメなんじゃなかろうか。

そう思ったので、妻には「児相に病識がないと思われると長男を返してもらえない可能性がある」と上記の内容で話すようお願いした。僕も妻も子供に帰ってきて欲しい気持ちは一緒。

街中で同年代くらいの子供を見ると僕も妻も涙が出てくる。2ヶ月近くも長男に会えなくて辛い。妻としては不本意ではあったが、了承してくれた。

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▲妻は、泣きながら「素直に今の気持ちを言いたい」と言った

しかし、家庭訪問直前になって妻は「素直に言いたい」と言い始めた。

私は病気じゃないと思ってるし、入院は辛かった」「だから服薬も通院も本当は嫌、続けているのはあなたのため」「ただ素直に私たちに子供は必要だから返して欲しいと言いたい」泣きながら本当の気持ちを言ってくれた。

でもちょっと待って欲しい。
ありまますぎることを言ったら、児相から「精神疾患の自覚がないから、子供を返せない」と言われてしまうんじゃないか?それは嫌だ。

とは言っても僕は残酷すぎるやもしれない。
妻に対して「息子に帰ってきてほしかったら、私は病気ですと言え。」と要求しているような状況だ。ここまで僕も辛かったから必死なのだが、少しやりすぎなのかもしれない。

それに妻の病識は以前とどこか違う。
病気じゃない!(激怒)」と言っていたころとは違い、入院となったことはどこか受け止めていて、妻なりに向き合おうとしているのではないか。

そうこうしているうちに、児相の人々がやってきた。

■児相+子供家庭支援センターと話したこと
・妻の病状について
今も病識は薄い。病識がないと子供が帰ってこないと思ったから、僕がウソをつくように言ったが、妻はそれは辛いという話になった。服薬も通院も僕のためにやっている。妻は病識はないが、治療自体は継続する。服薬と通院は僕が一緒にやる。

 ・息子たちについて
早く家族で暮らせるようにしたい。出かけた際、同年代の子供を見ると辛い。妻の治療のために仕方なかったとは言え、2ヶ月も長男の成長を見られなかったのは後悔しかない。必要だから帰ってきて欲しい。ただし、同時に子育てできるか自信がない。帰ってきたらやるしかないが、ちゃんとできるか漠然とした不安がある。

こんな感じに思っていることを素直に言った。
児相からは「我々も家庭が万全な状態になってからじゃないと返さない、というスタンスではない」「懸念事項に目途が付いたら返すし、しばらくは細めに様子を聞くし、フォローもする」という説明をされ、一時保護解除する前に長男との面会を提案された。

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▲児相からは、一時保護解除前提で面会を提案された

以前の記事「【第三話】そもそも、児相に一時保護されるってどういうこと?面会とかできるの?」でも書いたが、我が家では一時保護中の長男とは面会したくないと考えている。

面会するということは、別れがある。
別れがあると長男は悲しむだろう。彼が悲しむ回数をこれ以上増やしたくない。僕も妻もこれ以上辛い思いをしたくない。だから面会はしない、ということを児相にも伝えていた。

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▲面会をしたら別れる際、長男が悲しむのが嫌だった…

今回もそのように伝えたが、一時保護前の面会はルールで決まっているらしい。法律で決まってるものではないが、管轄の児相ではそうしているそう。一時保護は児相が持つ権限なので、ルールは法と同じか…と、了承する以外に選択肢はないことを理解した。

児相の担当者は「来週早々に連絡しますね!」と言って帰っていった。

今回の面談では、妻にウソをつかせようと画策した。これは本当に良くなかったし、妻にはさらに辛い思いをさせてしまった。ごめん。

妻が言うように素直に言って良かった。

気にしていた病識については素直に言っても何の問題もなかった。おかげで長男も帰ってくる方向で話が進み始めた。面会後、どれくらいの期間で帰ってくるのかはわからないが、とにかく長男の一時保護は解除される。

児相としても、長男に虐待などの兆候はまったく感じられなかったそうだ。愛情を持って育てられていることがよくわかり、愛想も良く一時保護所でも可愛がられている、と言われた。そういった点も一時保護解除決定の要因となったのだろう。

長男との面会、前向きに行こう。
ひとまず児相からの連絡を待つことにした。

つづく。

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