未来2023年6月号詠草『ひとの節目』
未来2023年6月号詠草『ひとの節目』 風野瑞人
季変わりの雨風の末ぽつねんと初めにもどるんですねと笑った
連弾をしたのはいつか ひとりきり もう戻れない指になったよう
もう寝ましょうミニマムムーンあのひとのいちばん遠くの不安照らして
こめかみに解けない謎が注がれて 影 影 影と いくつも踏んで
泣くことは守るということ その脳のコードブルーを求めた証
何もない夜もひとつの現象で 小さく確かな幸のことで
日を跨ぎ薄まる意識 綴られた文字が留めるひとの節目
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