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もしかして私、HSPかもと思ったので。 -武田友紀『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』読了メモ

特に意識はなかったのですが、最近実家に帰ったとき、母から「昔からあなたは繊細だったからね」という話になりました。

たしかに、私は人から言われるささいなひとことに傷ついたり、「なんでそんなことで怒るの?」と指摘されるようなことに怒ったりすることがあります。反面、感受性が特に豊かだとほめていただけることも(うれしい)。


そこで浮かんだのが、「私ってHSPなんじゃない?」という一つの可能性。

「生きづらいな」を少しでも打破するために、とにかく読んでみようと手に取った『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』は、私に当てはまる部分もあるし、当てはまらない部分もありました。が、直後から生活が結構ラクになった気がしています。

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1.前提として、私はHSPなのか

「HSP」とは、ご存じの方も多いかもですが「Highly Sensitive Person」、つまり「生まれながらに非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味。全人口の中でも、15~20%、つまり5人に1人が当てはまると言われており、決して珍しいものではありません。

珍しいものではないとはいえ、マイノリティであることは間違いないHSP。HSPではない人との生活のなかで、疲れや、生きづらさを感じる人も少なくないそうです。


この本の中では、HSPに当てはまる人のことを「繊細さん」と呼び、「繊細さん診断テスト(アーロン博士によるHSP自己テスト)」を紹介しています。

次の質問に、感じたまま答えてください。少しでも当てはまるのなら「はい」と答えてください。全く当てはまらないか、あまり当てはまらない場合に「いいえ」と答えてください。
・自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
・他人の気分に左右される
・痛みにとても敏感である
・忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
・カフェインに敏感に反応する
・明るい光や、強いにおい、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
・ゆたかな想像力を持ち、空想に耽りやすい
・騒音に悩まされやすい
・美術や音楽に深く心動かされる
・とても良心的である
・すぐにびっくりする
・短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱してしまう
・人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるかすぐに気づく
・一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
・ミスをしたり物を忘れたりしないようにいつも気をつける
・暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
・あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
・空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
・生活に変化があると混乱する
・デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
・動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
・仕事をするとき、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
・子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた

12個以上「はい」が付く場合、おそらくHSPなのだそう。

私は13個「はい」がつきました。なかでも「暴力的な映画やテレビ番組」は本当に苦手。サスペンスや医療ドラマは、痛々しいシーンがあるとなるべく音が聞こえないところに逃げたくなります。

「あ、それってマイノリティなんだ」と思うこともチェックリストには入っていて、実は「当たり前」と思っていたことが他人には当たり前ではないことに気づかされました。


この結果から、私はだいぶ繊細で、敏感なことがわかりました。じゃあこの心のどこかで感じている「生きづらさ」を打破する方法があるのかもしれない……。その方法がこの後から書かれています。


2.非・繊細さんの同居人と住んでいて感じること

私は今パートナーと一緒に生活しているのですが、おそらくパートナーは「非・繊細さん」。HSPではないと思います。

服のぬぎっぱなしを指摘してもなかなか直らない、目に見えるところに大きなゴミが落ちていても「見て見ぬふり」……。どうしてこの人はこうなんだ?と少々苛立ったことも数知れません。「なんでこのくらいわかってくれないの!?感情をくみ取ってよ!」と当たってしまったことも……。


その都度「言ってくれなきゃわからないよ」と諭されるのですが、私にはこの「言わないとわからない」がわからない。私は人の表情やしぐさ、声色などで「今こういう感情なのかもしれない」がだいたいわかります。接客のバイトをしていたときは「そろそろこの人怒りそうだな」といったタイミングまでばっちりわかっていました。


その答えは、この本の以下の通り。

繊細さんと非・繊細さんの感じ方はまるで違うので、繊細さんがどんなに「わかって」「察して」と言っても、非・繊細さんにはどうしても「わかる」「察する」ことができません。繊細さんの訴えは、非・繊細さんにとっては「背中の羽根が痛い」と言われているようなもの。自分にないもの――繊細な感覚――を「わかって」と言われても、無理なのです。

合点がいきました。


つまり、パートナーにとっては「本当にわからない」んです。なぜ私が服の脱ぎっぱなしに対して嫌悪感を持つのか、大きなゴミを見て見ぬふりできないのかが理解できない。パートナーがちょっとイライラしているときにさらに苛立たせるような言葉を投げかけてくるとき「イライラしてることくらいわかるでしょ!?ほっといてよ」という私の言葉で、初めて「この人はイライラしていたのか」と気づく……。

まさにない感覚を指摘されているような感覚だったのでしょう。理解したうえで申し訳なく感じ、「今日はちょっとイライラしてるから優しくしてね」「そこにゴミが落ちているんだけど、拾ってくれる?」と声をかけることで、ぶつかり合いが少なくなった気がします。


3.まとめ


こんな具合で、この本にはHSPの方が少しでもラクになる方法がいくつも載っています。もちろん「私はそこまでは思わないけど……」と思う項目もたくさんありました。でも、とにかくたくさんの項目が掲載されているので、自分にあった改善ポイントは必ずあると思います。


ただし、読んだだけじゃ改善ってされないんですよね。読んで、理解して、実行しないと解決しない。実行って慣れるまでは意外と労力を使いますよね。疲れる。

疲れのその先に、もう少し「生きやすい未来」があるかもと思って、もう少し努力をしてみようと思っています。

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