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針のない時計

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現プー太郎のアルことアルベルトは、元同僚のレイフォードにうまく乗せられ、美少女ローズを護衛することになったのだが――。
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針のない時計 第四話

針のない時計 第四話



「どう見ても素敵な喫茶店なのにね」

「何事も外見にはよらないってことだ。お前みたいに」

「貴方だって……!」

 いつもなら、人のこと言えないでしょうと言葉が続いた。

 しかしローズは恨めしそうに口を閉じる。

「そんなに変わったか?」

 俺は窓ガラスに映る自分の姿を見た。喫茶店に行くといってもそれなりの格好をしなければならない。無造作だった髪を整え、タンスの奥底に眠っていた白シャツや

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針のない時計 第三話

針のない時計 第三話

隠遁生活を送るアルベルト達の元に突如、旧友カインを名乗る人物が現れる。
突然の訪問を不審に思うアルベルト。しかし、彼らしか知らないはずの“ある事”を知っていて……?

針のない時計 第三話

著・大月ゆかな  絵・さあきゅう

 あるところに、魔法が使える職人がいました。
 彼の手から生み出される物は不思議な力を持ち、時には命も吹き込まれました。

「おはよう、職人さん」

 職人と一緒に暮らす人

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針のない時計 第二話

針のない時計 第二話

ローズを連れだっての外出中、アルベルトはふと嫌な視線を感じる。「おい、姿を見せたらどうだ?」彼の前に現れたのは、黒ずくめの若者だった。彼の正体とは?

『針のない時計 第二話』

著・大月ゆかな  絵・さあきゅう

「へえ、こいつ捕まったんだ」

 片手に持った新聞紙には、とある地区を仕切っていた貴族が摘発されたと書かれていた。なんと市民から取り立てていたお金をこっそり自分の懐に蓄えていたのだ。

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針のない時計 第一話(後)

針のない時計 第一話(後)



「ここはどこ? 家に帰りたい!」

 あまりにもこの動く人形がうるさかったので、男はやれどうしたものかと頭を悩ませました。

 彼女に惚れ込んで盗んだものの、手を焼くばかりでちっとも癒されません。

 壊してしまうのには勿体ない代物でしたが、男はトンカチを片手に大きく振りかぶりました。

 しかし、人形に当たる寸前でトンカチは跳ね返されてしまい、男は尻もちをつきました。

 その後もトンカチを

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針のない時計 第一話(前)

針のない時計 第一話(前)



「悪いけど他をあたってくれ。こっちはもう足を洗っているんだ」

 そう言うと目の前の男は笑みを浮かべたまま、背広の内ポケットに手を入れた。差し出されたのは一級品のタバコ。さすが未来の室長候補だ。

 俺は後ろ髪を引かれつつも断る。普段ならこれで交渉は終わりだが、今日の男はやたらとしつこい。その証拠に眼鏡のレンズ越しに見える彼の瞳には鋭い光が帯びていた。

「せめて話だけでも聞いてくれないかな?

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