第19刊2月号

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針のない時計 第四話

「どう見ても素敵な喫茶店なのにね」

「何事も外見にはよらないってことだ。お前みたいに」

「貴方だって……!」

 いつもなら、人のこと言えないでしょうと言葉が続いた。

 しかしローズは恨めしそうに口を閉じる。

「そんなに変わったか?」

 俺は窓ガラスに映る自分の姿を見た。喫茶店に行くといってもそれなりの格好をしなければならない。無造作だった髪を整え、タンスの奥底に眠っていた白シャツやベス

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