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実家を相続することになりそうだけど、どうしたらいいかわからない時

4年ぶりの帰省。

海外での仕事が楽しすぎて日本に帰国することをずっと後回しにしてきたけど、そろそろ親に顔を見せないと・・・

そんな後ろめたさも手伝ってか、思い切って長期休暇を取った奈保は、父への高級ブランデーを片手に成田空港のラウンジのソファーに座り、スマートフォンの電源を入れて実家の母に電話を掛ける。

「もしもし、お母さん、今さっき成田についたのでこれから帰るね」

そんな一報を入れて、成田エクスプレスの時刻を検索した。

新宿で特急のあずさ2号に乗り換えて、実家のある長野県諏訪市へ向かう。

最新のあずさの車両に驚きつつ、手元のスマホでLINEを見る。
今回の帰省は1週間ほどを予定しているので、友達にも連絡を取った。

夢中でLINEのやり取りをしていたら、あっという間に時間が過ぎていき乗り換えの松本駅に到着した。
そこから篠ノ井線に乗り換えて、実家のある上諏訪に向かう。

4年ぶりの地元の駅は変わりなく、奈保の記憶の映像と一致している。
駅には母親が車で迎えに来てくれていた。

20分ほど車で走った後、“坂口”と表札のかかった一軒家に着く。

奈保は4人家族だ。
父親に母親、そして弟が一人。

弟は、東京で仕事をしているがこの日は実家に戻っていた。

「これから3人でお父さんのお見舞いに行くからね」

電話で父の体調が優れないということは聞いていたが、昨日緊急入院をしたらしい。
そこまで悪かったということは知らなかった。

病院で4年ぶりに再会した父の顔には生気が無かった。

15分ほど、病室で父親と話をして、再び母親の車で実家に戻る。
夕食は近くのファミレスに行った。

母は父の病気でこの数ヶ月バタバタしており、昨日の緊急入院でいろいろと大変そうだ。
もともと、料理が好きじゃない母だったこともあり、これまでも奈保が実家に帰った時は揃って外食していたので当たり前のようにファミレスで食事をした。

「お父さん、もう長くないの…」

母からそんな台詞を聞かされて、奈保は一瞬目眩がした。
更に、

「今後のことを話しておきたい」

そんな言葉が続き、奈保は言葉を失っていた。
そこからわずか1ヶ月後に、父の葬式が終わった。

そして、相続の話になり、奈保は実家を相続することになった。


実家を相続してしまった海外で暮らす奈保さんはこれからどうすれば正解なのでしょうか?


不動産の『最有効使用』という考え方


不動産の最有効使用というのは、その不動産が本来持っている潜在的な価値を最大限に引き出すための使用方法のことです。

奈保さんのケースで言うと、相続されたご実家をどのように活用すれば奈保さんにとってベストなのか?を導き出すことです。

奈保さんのご実家は長野県の上諏訪という地域にある一戸建てです。


不動産の最有効使用の時に気をつけること


一戸建てを保有していると、ある程度知名度のあるハウスメーカーから、“ご自宅をお売りいただけませんか?”や“土地活用”といったチラシが投函されていたり、直接セールスマンが訪問してきて、土地活用についてセールスをかけてくることが多々あります。

もちろん、良心的でまともな業者さんも多くいらっしゃるでしょうが、中には悪質な業者さんも少なからず紛れています。

ネットニュースなどではそんな悪質な業者さんが悪目立ちしているので、業界全体に怪しいといった雰囲気が漂っているのも否めないところです。

特に、“家賃を30年間保証します!”といった謳い文句でアパート建設を進めてくる業者さんも少なくありません。

これは、“サブリース”というシステムなのですが、違法な“サブリース”住宅の建築などで社会問題になっているので知っている人も多いでしょう。

良心的でまともな業者さんと巡り会えれば良いのですが、悪質な業者さんと巡り合ってしまうと、不動産といった高額なものだけに取り返しの付かないことになってしまいます。

また、一番タチが悪いのが、“知識の無い業者さん”です。

特に大手のハウスメーカーともなると、経験の浅いセールスマンも多く、付け焼き刃的な浅い知識でセールスをしてきます。

では、そんな中から見極めるにはどうすればいいのか?というと、それは、奈保さんの想いをキチンと聴いてくれて、適切な提案をしてくれるかどうかをじっくり観察していけばいいのです。

“奈保さんの話をキチンと聴いてくれているかどうか?”

は、相続や不動産の知識がなくても判断は出来ます。

そして、その提案が適切かどうかは、専門家に相談することです。


不動産の専門家に相談


不動産に関する相談相手となる専門家としては、一級建築士や不動産鑑定士、税金のことも絡むので税理士などがあげられます。

インターネットで、検索して、“相談無料”の専門家に相談内容を送り、回答をもらってみるのがいいでしょう。

その際、自宅近くの専門家にこだわる必要はありません。

電話やzoomなどのオンライン会議ツールがあるので、日本全国どこの専門家でも問題ありません。

それは、不動産会社も同じです。

何も訪問してくるハウスメーカーのセールスマンの話だけを聞く必要もなく、こちらから積極的に複数の会社に問い合わせてみるのも手です。

もちろん、そうなると営業されることもある程度覚悟しておく必要がありますが、これは見方を変えると、奈保さんのご実家に価値がある証拠になります。

期間を決めて取り組んでみることです。

一番マズイのは放置してしまって、空き家にしてしまうことです。

そんなわけで、まずは知識と経験が豊富な専門家に相談することです。

■相続・不動産でお悩みの方の相談窓口

三茶萬相談:https://sanchay.jp/


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