マーケティングとは「組織革命」である
『マーケティングとは「組織革命」である』森岡毅 2018年5月刊 日経BP社
USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)の再建を成し遂げ、最近では丸亀製麺復活の立役者でもあった日本最強のマーケッターの呼び声高い、森岡毅の組織論をまとめたのが本書です。
本書では、会社を支えるのは4つの機能と定義し、
1.マーケティング・システム
2.ファイナンス・システム
3.生産マネジメント・システム
4.組織マネジメント・システム
上記、4つから成ると述べていました。
本書では主に組織マネジメント・システムに対して、焦点が当てられており、マーケティングの指南書ではありません。
ただ、敏腕マーケッターである著者独自の視点と過去の取組事例が絡みあった、実戦的かつ論理的な組織改革の手法がふんだんに記載されております。
理想の組織とは「人体」である
人間の本質とは「自己保存」
会議とは「人を働かせるための儀式」
上記の様に、簡潔でまた、的を得た森岡語録にもはっとさせられました。
また、本書の半分をさき、記されていた社内マーケティングのススメは「下」からの提案を通す魔法のスキルと冠されおり、多くのサラリーマンにとって有効なスキルなのではないかと感じました。
自分起点で会社を変える個人技が丹念に記されており、今まで様々なビジネス書を読んできましたが、意思決定者へのアプローチに関して、ここまで具体的に書かれたものに触れたことはありませんでした。
自分が売りたい「提案」を上に買わせるのは、社内という市場を開拓するマーケティングであると断言し、社内マーケティングのフレームワークが詳細にわたり、説明されております。
組織を変えたい方、自分の提案をなんとしても通したい方、孤軍奮闘している方、ぜひ読んでみてください。
みなでなくひとりたたかうものにこそかみもなかまもみかたするなり
人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光りあれ。