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可愛げと大物感

Sansanの本社にてデータサイエンティストの西田貴紀×予防医学研究者の石川善樹が登壇するセミナーに参加してきた。

セミナーの内容は二人の研究に基づく成功のメカニズムについてだったのだが、こちらの内容については、既知だったこともあり、それほど興味をそそられなかったのだが、石川さんが研究者としての駆け出し時代に居酒屋で出会った中年のおじさんから教そわった「ナプキンの教え」なるものが非常に興味深かった。

日々、努力をしているにも関わらず、なかなか研究者として日の目をみない、石川さんとその友人が上野の居酒屋でくだを巻いていると、その話を脇で聞いていた中年のおっさんが突然、話しかけてくると、居酒屋の紙ナプキンにその持論を書いて教えてくれたというのである。

その中年のおっさん曰く、仕事にはハードワーク期とブランディング期と達成期があり、駆け出しのハードワーク期には質の高い仕事をしなければ、次のブランディング期に辿りつけないという。

しかし、石川さんもその友人もハードワークはしているのだが、質の高い仕事になかなか巡り会えず、そこで四苦八苦しているということを伝えるとそのおじさんはこう助言したという。

質の高い仕事をふってくれるのは総じて、年配者であるのだから、年配者に気に入られる為、可愛げと大物感を磨けと。

具体的には

「こんなの初めてです」
「〇〇さんの様になるにはどうしたらいいですか?」

に尽きるといっていた。(特に男性の年配者に対しては)

また、大物感を醸し出すために、何者でもない、若者に唯一できることが
「未来(これからくる時代)を語る」に尽きるということであった。

この教えを経営学の泰斗、フィリップ・コトラー博士に出会った際、実践してみた所、自宅に招かれ、論文もコトラー博士の著作に日本人として初めて載せてもらえたと語っていた。

もちろん、専門性やスキルを圧倒的に磨いてきた石川さんの実力があってのことではあるが、同様のスキルや専門性をもっている人は他にもいるなか、質の高い仕事の機会を手にすることが出来たのが、「可愛げ」と「大物感」であったことは衝撃的な事実であった。

石川さんも上野の居酒屋でこの「紙ナプキンの教え」を中年のおっさんから聞いた時は、相当な衝撃であり、今でもそのナプキンは保管してあると語っていた。

そのおっさんの正体は今でも不明で、先に席を立ったおっさんのその時の会計はしっかり自分たちにつけられていたと笑いながら、話していたが居酒屋の飲み代程度でこの教えが学べたのであれば、安いくらいであろう。

おおいに頷ける話であった。

自分ももう若くはないが、「可愛げ」と「大物感」

年配者と相対する場合には意識していきたい。

好きと隙 弱みを魅せて 強みとし 愛さらるるが 可愛いさとぞ云ふ


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