見出し画像

コーポレートバリュー

バリューとは?


MVVのなかでいちばんの肝はと言われれば、私は価値観(コーポレートバリュー)だと考えます。
下図のように、
・ミッション・・・求心力をつくる(人を集める)
・ビジョン・・・目指す姿を示す(方向を共有する)
ということを踏まえて、
・バリュー・・・一体感をつくる(心をひとつにする)→行動変容する
という関係性がありますので、バリューこそがMVVの集大成であり、ここまでの一貫性をつくることで、はじめて企業戦略のスタートラインに立てると考えています。


バリューのつくりかた


MVVはセットなので、ベースはビジョンになります。一方で、企業のDNAとして受け継がれている「守るべき価値観」というものがあるので、その両方を睨みながら構築していきます。


①価値観の棚卸
言語化がポイントになります。
・創業の想い
・ここまで成長・発展してきたうえで社員が大事だと思ってきた考え方
これらをとにかく言語化していきます。

当社では10人のコアメンバーを中心に顧客、主要株主、経営陣、現場などあらゆるステークホルダーにインタビューを重ね、KJ法にて分類しながら、大きく5カテゴリーにおける価値観をまとめてみました。

この段階では変えるべき価値観も含まれていますが、次工程までは、そのまま残置します。

②ビジョン達成のための価値観
ビジョンに向かうためにはこういう考え方(価値観)を持つべきだということを前述のコアメンバーで話し合います。
いくつか抽出されると、これまでの価値観と相反するものが出てきます。なかにはトレードオフのものも出てきます。

③価値観の整理
最終的に、これらは絶対変えてはいけない、変えてしまうと自社らしさがなくなってしまうという「守るべき価値観」のみ残し、一方でビジョンに向かうためにどうしても変えざるを得ない部分を新たな価値観に置き換えます。

一見難しそうに見えますが、メンバーはワクワクしながら、議論していました。

出来上がった価値観はクレドに落とし込んだり、勉強会の材料にしていきます。価値観は行動変容につなげてこそ、意味があります。


気を付けたいこと


このプロセスはプロパーの次世代メンバー(マネジャークラス)がいちばんの適任です。
経営陣がコンサルタントに任せてしまうと、ともすれば、古い価値観寄りか、ゼロベースでの構築になってしまいがちです。

一方で、あまり若手すぎても、忖度でコンサバになったり、自由奔放過ぎたりして具合がよくありません。

その点、プロパーマネジャークラスは、会社の良いところ、悪いところ、そして閉塞感と未来への渇望の両方を持っていることが多いので(逆に言うと、そういうメンバーを選定)、「未来の自分たちのため」という視点で動いてくれます。

そして、もうひとつ、経営陣は少なくとも「否定しない」「余計な口出しもしない」ことが重要です。

バリューは行動直結ですので、センスメイキングがないと機能しません。

何事も次世代に任せるのは覚悟と勇気が必要ですが、想像以上にやってくれますので、可能性を信じることですすめていきたいものです。