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『がんばれ!チョルス』秘められたメッセージ

※作品の核心に触れる記述が含まれておりますので閲覧にご注意ください。

6月12日(金)より絶賛公開中の映画『がんばれ!チョルス』。本作の主演を務めたのは映画・ドラマはもちろん、バラエティ番組まで幅広く活躍し、韓国全国民から愛されるマルチ俳優チャ・スンウォン。監督を務めたのは、約700万人動員の大ヒットを記録した『LUCK-KEY/ラッキー』で個性派俳優ユ・ヘジンの力量を証明したイ・ゲビョク。噛み合わないまま行動を共にすることとなった父と娘の行方は?そして明かされるチョルスの知られざる過去とは?多くの観客の笑いと感動を誘う名作が日本に上陸!

さて、一見すると親子の絆を描いた人情コメディ。ところが、鑑賞した配給会社のスタッフ10名ほどがみな感動の涙を流したという本作。中盤で明かされるチョルスの過去、そして彼が巻き込まれた事件を通し、監督のイ・ゲビョクが本作で伝えたかったメッセージとは?

映画に秘められたビハインドストーリー

2003年2月18日、地下鉄・大邱中央路駅。駅に到着した車両の中で、男が隠し持っていたガソリンをまいて火をつけた。死者192名、重軽傷者148名もの被害を出し、韓国で最も大きな人災被害を残した鉄道事件・大邱地下鉄放火事件である。事件から16年という月日が流れ、人々の記憶から2003年の事件は薄れつつあったが、『がんばれ!チョルス』は、当時あの場で、全力で身を投じた一人の消防士の話を通して観客に当時を思い出させるとともに、前を向いて進んでいくための力を伝えている。映画を演出したイ・ゲビョク監督の一問一答を通して、そのメッセージをお届けする。

ーー2003年の大邱の話を映画に込めた理由は?
演出のオファーを受け、悩んでいた時期に、家が火事になるという出来事が起こった。16年前の事件と比較するには忍びないが、火を止めようと家に入った時の気持ちを思い出しながら真剣にシナリオを検討したあと、決断した。事故当時、地下鉄の通路に進入して、機械室に閉じ込められた12名を救出した消防士の話を土台に、映画的な人物として誕生させた。当時、現場にいた消防士たちにインタビューし、今なお当時のトラウマを抱えている姿を見て、彼らの話により耳を傾けた。微力ながらも映画で彼らに前に進む力を与えたかったが、映画のために意見や助言をして下さり、むしろ私たちのほうが力を頂いた。常に感謝の気持ちでいっぱいだ。

ーー映画製作のための準備過程は?
当然、犠牲者の遺族の皆さんが設立した2•18安全文化財団を一番に訪れ、映画化に対する意見を聞いた。財団の方たちは16年前の事件が人々の記憶から忘れられていることを残念がっておられた。映画のシナリオを読んだり、インタビューに応じてくれたり、積極的に協力してくださったことに感謝している。2•18安全文化財団は「安全な世界をこの手で」をビジョンに「記憶、治癒、成長、参加」という思いを、順に世の中に知らせようとしている方々だ。私たちの映画を通して、その思いの第一段階である「記憶」を広められることを願う。

ーー観客に伝えたかったメッセージとは?
私たちの周りには、大邱地下鉄放火事件を含む様々な事件によって傷を抱えている人々がいるということを忘れないでいてほしいということ、そして、映画を見た人が彼らに温かい手を差し伸べてくれたらうれしく思う。『がんばれ!チョルス』がその痛みを分かち合い、彼らに歩み寄る一つの方法であってほしい。

映画『がんばれ!チョルス』はシネマート新宿にて絶賛公開中!

■今後の公開劇場
愛知 ミッドランドシネマ名古屋空港 7月31日~
大阪 シネマート心斎橋 6月26日~
京都 MOVIX京都 6月26日~
香川 ホール・ソレイユ 7月10日~
福岡 KBCシネマ 7月11日~

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