私が美しいと思うドイツ語7選

自己紹介文にドイツを敬愛している、なんて書いておきながら、まだ一度もドイツに関する記事を書いていなかった。
実は私は、昨年の春からドイツ語を勉強している。それまで私の中には、ドイツ人に対して真面目で無愛想なイメージがあったのだけど、そんな紋切り型なイメージを思いっきり覆す陽気な先生と出会い、毎週緩く、楽しくドイツ語を学んでいる。そんな先生の授業を受け始めてからもう一年半くらいになるわけだけど、英語すらろくに話せない私の身体に馴染むにはまだまだ鍛錬が足りないようで、軽やかに話せるようになる日は依然として程遠い。

そんな授業を通して、いや通さなくても、この一年半でいくつかの美しい言葉に出会った。ドイツ語というと、厳つい、力強い、といったイメージばかり持たれがちだ。まあ実際に厳ついのだけど。クーゲルシュライバーとか。(ボールペンのこと)。
でもやっぱり私は、ドイツ語は美しい言語だと思うので。今まで私が出会った美しいドイツ語を残しておこうと思う。自分用の覚え書きのようなものだ。予めことわっておくと、発音はあくまで目安で、厳密に言うと異なっている部分もある。そこは大目に見てほしい。

●Stern(シュテルン)

意味:星。
最初はこれ。これはもう、とにかく響きが可愛い。しゅてるん。かわいい。空にきらりと星が瞬くさまが、その響きだけで浮かぶようだ。
ただのこじつけだけど、日本語の輝(てる)が入っているようにも見えるのがなんだかちょっとトキメキを感じる。100%関係ないけど。

●Elf(エルフ)

意味:11。
妖精を意味する英語のelfと関係があるのかどうかは全くわからないけど、初めて聞いたときは無論、頭の中で妖精が舞った。数字のなかで真っ先に覚えた…というと過言だけど、たぶん1,2,3(アイン、ツヴァイ、ドライ)の次くらいに覚えられた。

●Nacht(ナハト)

意味:夜。
これは美しい、というか、かっこいい言葉かもしれない。夜の紺碧がよく似合う響きだ。派生形(?)の、“Nachtisch(ナーハティッシュ)”(デザートという意味)も好きだ。デザートは夜に楽しむもの、ということなのだろうか。ちょっと甘美な響きを感じる。

●Lesen(レーゼン)

意味:読む、読書。
元々は読む、という動詞の原形で、読書、という名詞としての意味もある単語だったはず。英語で言うところのreadingみたいな。
いかにも知的な響きだと思う。似たような響きで“lernen(レアネン)”(学ぶ、勉強するという意味)も、その意味に相応しく知的なかっこよさがある。

●Licht(リヒト)

意味:光。
これもかっこいい響きかもしれない。凛とした雰囲気で、毅然とした佇まいの騎士みたいだ。
初めてこの言葉を知ったのが、とある漫画に出てきたキャラクターの名前からだった。(少し前の記事で触れた作品だ)。そのとき、なんて凛々しくて美しい響きだろうと感銘を受けた覚えがある。あの頃はまだドイツ語にはそこまで触れていなかった気がするから、初めて惚れたドイツ語だったのかもしれない。

●kleine(クライネ)

意味:小さい。
原形だと“klein”だ。次にくる単語が女性名詞だったりすると“kleine”になる。この辺の、名詞の性別だとか語形変化だとかはちょっと知識が曖昧なので、説明も曖昧にしておきます。すみません。
米津玄師さんの曲「アイネクライネ」のクライネだと言えばわかりやすい人もいるかもしれない。曰く、モーツァルトの楽曲“Eine kleine Nachtmusik(アイネクライネナハトムジーク)”からとったタイトルとのこと。こちらは直訳すると一つの小さな夜の音楽。小夜曲(セレナーデ)といったところだ。
閑話休題。
原形のクラインも充分美しいのだけど、その語感の優しさからクライネを推したい。小さなものへの愛おしさが滲んでいるように思えてならない。

●Kleinod(クライノート)

意味:宝石、宝石のような。
最後は、私のIDにも入れているこの言葉。死語になりかけている言葉らしい。宝石を意味する言葉はいくつかあるけど、私はこれが一番好きだ。
語源まではわからないけど、偶然なのかそうじゃないのか、一つ前にあげた“klein”という語が入っているのがなんだか素敵だ。
“小さな宝石”なら“kleines Kleinod”になるのだろうか。クライネス クライノート。かわいい。声に出したくなる言葉だ。
美しくきらびやかな響きのクラインの語尾にノートがつくことで、途端に響きが知的な、凛としたイメージになる気がする。

ここまで7つあげてみた。本当はもっとあるはずなのだけど、とりあえずはこのくらいで。
最後の“Kleinod”以外は初歩的な単語ばかりで、ドイツ語によく親しんだ方(がこのnoteを読んでいるかはわからないけど)には少々退屈だったかもしれない。
ドイツ語ど素人の、都合のいい妄想を多分に含んだ紹介で恐縮だけれど、少しでもドイツ語の美しさが伝わったらこれ以上の喜びは無い。

そんでもって次は、実際にドイツに行ったときの話もしたいなあ、なんて思ってみたり。

(追記/2018/11/15)
記事内に文法の間違いを発見したので、修正させて頂きました(Kleinodの項)。こちらの記事にて触れています。
https://note.mu/kleinod_99/n/n67cf82e6a50b

#エッセイ #コラム #ドイツ語 #ドイツ

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