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娘の退職騒動

娘が新しく始めた仕事を1か月半で辞めた。

研修後、他の誰よりも早く独り立ちを認められ、分刻みで動く仕事に一生懸命臨んでいたのだけれども、人間関係が娘には適していなかったらしい。

私は娘の口から聞いただけなので、正確なところはわからないし、母目線なので、娘よりの印象になるのだが…

まず、仕事の引継ぎをしてくれない。口頭で伝えるべき事柄を、書類を見て自分で確認しろと言われる。それも毎回。現場ではない事務方の上からは、ちゃんと口頭で伝えるようにと申し伝えがあっても、それは変わらずだったとか。

それに、休憩はチーム内で交代制。なのに、出勤後1時間働いて、すぐ休憩。それ以後退勤まで休憩なし。そんなシフトが娘には圧倒的に多かったとか。

あとは、お局的な方たちは娘があいさつをしても、まともに返してはくれなかったとか。他にも細かいことはいろいろ聞かされた。

まあ、人間いろいろなタイプがいて、それらが偶然に集まった、寄せ集め的な集団の中で働き始めるのだから、合う合わない、好き嫌い、生理的に無理など、あって当然。人間レベルで。

ただ、自分の時間を消費してお金に変える仕事となれば、そんなことはある程度の許容範囲として、刺し障りなく振る舞うのが当たり前だし、なによりも仕事を円滑に、みなが気分よく働くことに注力すべきではないのかと、私は思うのだが。

しかしながら、残念なことにそういう考えを持たない人達が一定数いるのもリアルな大人の世界だ。

そもそも娘は学生時代からそういうターゲットにされやすく、楽しいばかりの学生生活ではなかった。だから、そういう環境の中で自分だけがどんなにがんばったところで、結局何も変わらないし、解決策は物理的な距離を取って、自分で自分を守ること。これに尽きると身をもって知っている。

たった一カ月半で辞めるのは、それは逃げだとか、弱い人間のすることだとか、そういう風に考える人もいると思うけれど、娘は自分のこれまでの経験を踏まえて、これ以上そこにいてもだめだと自分で判断したのだ。

辞めることで多方面に迷惑をかけたことは間違いないので、そこは親として申し訳なくはあるけれど、私はこれでよかったと思っている。

ただこれはあくまでも娘の対処法。周りの人をうまく巻き込んで環境を変えていける人もいるだろうし、あくまでも戦闘態勢で臨む人もいるだろう。すべての人に当てはまるわけではない。結局は自分をよく知って、自分に合った方法を見つけるしかないと思う。

その点、娘はこの先も自分の判断でちゃんと生きていけそうだなと、親としてちょっとホッとしたし、それにまあまあ子育ても成功したんだなと実感もできた、娘の退職騒動であった。













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