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元プロ野球投手・佐野慈紀さん糖尿病で大変という話

体調不良により、昨日クリエイターページ掲載プロフィールを変えて投稿を休み休みにしたところでしたが、昨晩見かけた記事に驚いたので…。

(3,224字)


0.序文:佐野慈紀(重樹)さんとは?(ってWikipedia載せただけですが)

(1)ピッカリ投法の佐野さん


この記事は、ピッカリ投法で有名だった元プロ野球選手で主に中継ぎ投手として活躍された佐野慈紀(重樹)さん(元近鉄ほか。1968年生まれ)糖尿病で大変という話です。



(2)以前投稿した糖尿病の話とは完全に趣旨が異なる記事です


以下、以前載せました1型糖尿病の話とは完全に異なる話になりますので、その記事およびその主題だった1型糖尿病についてのリンクを。





1.佐野さん糖尿病で大変

(1)感染症で大変


それでは本題です。

佐野さんが糖尿病らしいという話は何かで見かけた覚えがありましたが、昨日(2024.11.29)付のテレ朝NEWSによりますと、

感染症により右腕切断の手術を受けた元プロ野球選手の佐野慈紀氏(56)が28日、ブログで
腰の細菌感染による炎症
のため、再入院したことを明かした。

(中略)

佐野氏は
「MRIで見ると2カ所に感染がみられる、強烈な痛みはそれが原因のようだ。
これも糖尿病の弊害だと言えるだろう
と推測している。

(下掲テレ朝NEWSより。
改行と太字は引用者による

(⬆️テレ朝)
併せてヤフーニュースのコメント欄(ヤフコメ)も。記事そのものはテレ朝NEWSのものですので略(ヤフーのリンクは期限があります)。


・・・。

右腕切断!?
なにこの記事のリード文!?


(2)なんかいろいろと合併症で大変らしい①(インスリンに透析)

上掲のWikipediaにさりげなく透析治療中

とかインスリン療法を行なっているとか出ていたりしますが、現役時代のものと見られるWikipedia掲載の

身長 175 cm
体重 87 kg

という数値は、もし現役時代からインスリン療法をしていた場合はかなり大量にインスリン投与をして糖分を過剰に摂取しないと無理な体重のハズ(身長により異なるらしい)ですので、少なくともインスリン療法の開始は現役晩年以降と考えられます。


といいますか、2型ですかね?佐野さんは…。

2型は膵臓からのインスリン分泌が少しは続いているのが普通ですから、それはそれでコントロールも大変。体重の制御も1型より難しいかと思います。



(余談)新浦壽夫さんと偏見


ところでプロ入り後の糖尿病発症ですと、新浦壽夫投手、門田博光外野手らが現役時代後半以降に治療を始めていたそうです。


新浦さんは韓国球界在籍時に発症しインスリン療法を開始されたとのこと(Wikipediaより)ですので、NPB復帰後の6年間はずっとインスリン療法をやっていたと。

ただただ凄い

扱いが簡易化したうえ偏見の緩和にも繋がったペン型注射器が出たのは、新浦さん現役最終年度の1992年頃だったと思いますので、インスリンを隠れて射たないとでしたから(それまでは採血用注射器が細くなった感じの使い捨て注射器を使用。
だから新浦さんに覚醒剤使用疑惑が出た)。

ちなみに新浦さん、『’90プロ野球12球団全選手百科名鑑』(日本スポーツ出版社)によりますと
身長183㎝体重80㎏
とのことでした。

なお門田(故人のため敬称略)については、よく分かりません。亡くなられる前は透析をされていたらしいですが。


(3)なんかいろいろと合併症で大変らしい②(右腕切断って…)


以下、Wikipediaの佐野さんの項目からのコピペになります。

2023年4月中旬、足底の激痛を訴え、主治医の診察を受けたところ重症下肢虚血であることが判明し入院。同年5月末に骨髄炎状態となっていた足裏の骨(中指)を一部切断する手術を受け無事に終了し、療養中であることを自身のブログで公表している。さらに動脈硬化が進行し、血流を改善するカテーテル治療も受けていたという。

2024年4月30日、自身のブログにおいて、前年12月に糖尿病の影響により感染が悪化したため、指先(右手人差し指と中指)を切断した事や同年1月に心臓弁膜症を発症した事など、入院中の経緯を説明したうえで、翌5月1日に感染の悪化から右腕を切断する手術を受ける事を公表した。同日の手術は無事に終了し、今後はリハビリ生活に入る。

(太字は引用者による)

ええとつまり佐野さん、眼底出血以外の合併症フルコースを辿っていることになるのでしょうか。

(⬆️これで毛細血管が詰まり、出血そして失明することもあります)


神経障害について佐野さんのWikipediaには明記されてはいませんが、
手足の指の切断と神経障害の関連も「血管関係」からあり得ますので

普通は連想できんよ。

なので下記2(2)を追記しておきます。




2.糖尿病の合併症

(1)三大合併症(項目と関係リンク)


ところで糖尿病の三大合併症といいますと、順不同ですが

①腎症
②網膜症
③神経障害

…と、昔から言われていました。
細かいことにつきましては、国立国際医療研究センターの「糖尿病情報センター」

にある合併症の項目を貼っておきます。

あとWikipedia「糖尿病慢性期合併症」も。


このうち、①②については佐野さんの話のところに貼りましたWikipedia「人工透析」「糖尿病網膜症」を参照してください。


(2)③の神経障害の話


それで③神経障害ですが、これは糖尿病情報センターによりますと、

私たちが物を触って感じるのには“感覚神経”、手足を動かすのには“運動神経”、血圧の調整や消化管を動かすのには“自律神経”が関わります。

高血糖が続くと、末梢神経の代謝に異常をきたして不必要な物質が溜まってしまったり、神経に栄養を与える血管が傷ついて血流が低下したりすることで、結果として神経の働きも障害されてしまいます。

さらに、神経障害は重篤な病気につながる場合があります。

神経障害|糖尿病情報センターより)


ということで
慢性的な高血糖
HbヘモグロビンA1cエーワンシーの数値が高いまま)

   ↓
 自律神経の異常
=末梢神経の異常
≒末梢の血管が詰まり傷つく
   ↓
 指など末端の壊疽
(「切断」へ)

…という流れとなります。


それから末梢神経の異常が起きますと痛みに鈍感になりますので、皮膚が傷ついても分かりにくくなります。
そのため、傷口からの感染症罹患というのも。


さらに糖尿病は免疫力が低下Wikipediaは「免疫不全」とやや煽情的に記載)するので、糖尿病の方は感染症が悪化しやすいとも言えます。


ただし、
HbA1cの数値を安定して制御できれば
かなりオッケー

な訳ですが。
でもほら、食欲は人間の三大欲求のひとつですから難しい。

あとぶっちゃけた話、HbA1cの数値がまあまあでも断続的に水虫になったりすることもあるようです。

#なんのはなしですか
水虫も真菌の感染症という話です。




(3)カンタンな2型糖尿病と「1型との違い」について


ただし治療の進め方についてではなく、病態についてのみ。

カンタンに分けますと、

①1型は膵臓ランゲルハンス島β細胞からインスリンが出ていない(出ているとしても検知できない水準)

②2型は
(ア)インスリンが必要量ほどは出ていない
(イ)インスリンの効きが悪い

これだけ。

そしてこの違いが、治療を難しくします。


なぜならまず1型は
「最終的にはインスリン量を適切にすればいい」
から(薬物療法中心)。
もちろん、私が投稿した上掲記事に掲載したスポーツ選手たちのような
「一般人でも困難なこと」
をやってきた方々は、想像できない困難に立ち向かったことは間違いないですが。


一方の2型は、インスリンが中途半端に出ているだけに
「インスリンが多少出ていることを前提に
・食事療法
・運動療法
のふたつを中心に治療
をする」
のが前提に。
そのため、薬も(ア)(イ)の関係もあり複雑です。


ですので、1型の人に2型の治療について質問したり、その逆をやったりしても適切な回答を得られませんので、要注意です(んなこたぁ専門医せんせいに聞きなさい)。



(4)追記:意図的に触れなかったこと


なお、この記事では合併症の「大血管症」「細小血管症」について触れることは、意図的に避けました。
私自身、分類時点でよく分かっていませんので。


それから、上記(3)の②(ア)(イ)の説明も削除しました。





それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました😊


ではでは(_,'" ▽ ")




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