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まっかなお・は・な・の〜♪

 1939年、シカゴのデパート宣伝のために作られた“お話”。

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 昔々、ルドルフという名のトナカイがいた。お鼻が赤く光っていたため、彼はいつも仲間はずれ。「やーいお鼻ピッカピカ」と、お友達にからかわれ、泣いてばかりいた。クリスマスの前夜、村にサンタさんがやってきて、ソリを引くためのトナカイを選んだ。「ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクセン、コメット、キューピッド、ドンダー、ブリッション」と、名前を呼ばれた8頭は得意満面。だって、世界中の子供たちに幸せを運ぶ“名誉あるお仕事”なんだもの。その時、隅っこで小さくなっているルドルフに、サンタさんが声をかけた。「君の赤い鼻は、お星さまのようにキレイだね。君が先頭を走ってくれるなら、暗い夜道も安心だよ」。ルドルフの顔にあふれるような笑みが広がった。

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 1964年、歌「赤鼻のトナカイ」が大ヒット。アイドルになったルドルフは、こう思ったにちがいない。「鼻が赤いって、恥ずかしいことじゃないんだね。僕はオンリーワン。世界に1つだけの“鼻”なんだ」。

2004年12月24日岐阜新聞掲載

最後までお読みいただきありがとうございます。岐阜県のピアノ講師・高岡紀美子先生のエッセイを紹介しています。先生はこれまでに、クラシック音楽や歴史にちなんだエッセイを多数執筆されています。Instagramでも紹介しています👉@くらびあはな🤗ぜひ、遊びに来てくださいね〜♪

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