見出し画像

八木と曲とプログラムについて②

東京公演はついに明日!

Klangküche Percussion Duo Concert

東京公演
2022年12月28日(水)
開場|18:15
開演|19:00
会場|トーキョーコンサーツ・ラボ(東京都新宿区西早稲田2-3-18)

名古屋公演
2023年1月8日(日)
開場|14:15
開演|15:00
会場|K・D ハポン(愛知県名古屋市中区千代田5丁目12-7)

Endless Shrimp / Jessie Marino

私がとても好きなケルンの現代音楽アンサンブルがあって、名を「hand werk」と言います。最近では、作曲家・ピアニストの小倉美春ちゃんが客演していた回があって、その際にFrançois Serhan特集をやっていました。私たちも今回François Serhanの楽曲を取り上げますが、それはまた別の増井さんの記事で。

この「エンドレス・シュリンプ」を最初に聞いたのは彼ら「hand werk」のコンサートで、私がまだケルンに住み始めてから2か月しか経っていないとき、それこそ昨年の今頃の話です。

「エンドレス・シュリンプ」では、食品が大量に生産される工場のビデオが映し出され、パフォーマーはキッチン用品や打楽器を演奏します。パフォーマーはビデオと連動して、ラジオCM、ソープオペラ、政見放送、フードチャンネルの広告司会などになりきります。最後、淡々と肉や卵を作るための「種」や、鎮痛剤を打った魚の話をしたと思いきや…。衝撃のラストは是非会場でお楽しみ下さい。

こちらは、今回の演奏会のための譜面の調達を助けて頂いた「hand werk」の、昨年12月のビデオです。


John Cage / Composed Improvisation for Snare Drum

作曲上の決定を偶然性に委ねる「チャンスオペレーション」の手法を用いた、スネアドラムのための作品です。譜面にはその決定方法が英語で書かれているのみ。

1曲8分の時間枠があり、その中から3楽章に分割、さらに楽章の中のイベントの数、打撃(ストローク)の数、そして用いるスティックやマレットまで、すべて易やサイコロなど、人間の意思が介在しない方法で決定される必要があります。少なくて8種類、多くて8×8の64種類から選ぶ必要があり、果たしてどの方法を使ってそれを決定しようかと悩んでいました。64種類の決定を何度もしなければならないのに、その都度コインを6回も投げなきゃならないなんて、絶対混乱するし、何よりめんどくさい。手元に64種類の何かを持っていないか探してみました。

こちらは私の相棒のパグのタロットです。自分が自力で頑張っていることに対しては良い結果をたくさん見せてくれるのですが、何か自分でやり切っていないことに対してこのタロットを引くと逆位置しか出してこないので、あまり甘くない、大変シビアな性格のパグだと思います。何事もまず自分で頑張るしかないということを教えてくれました。最近は他人のために引くと正位置が出て、自分のために引くと逆位置が出るので、怖すぎて距離を置いていました。

今回は占いではなく作曲のために引いたのですが、相変わらずびっくりするほど逆位置が出ました。カードを32枚用意し、正位置は1-32、逆位置は33-64で数えたのですが、一桁が全く出ない。本当に嫌われているかもしれない。どうして?

そんなわけで、東京ではこのパグが決定(作曲)したことに従って、即興を行いたいと思います。パグにも助演してもらう予定です。終わったら「一緒に演奏してどうでしたか?」って聞いてみようと思いますが、逆位置が出る予感がします。もし逆位置が出たら、名古屋公演では別の方法を試そうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?