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あちら側とこちら側

今朝、起き抜けに私は夢を見ていた。


もう30年以上会っていない従兄弟と田舎の畔道を二人で歩いている。


とある事業で明日までに申請書を出さないといけない。


「代わりに私が行ってくるよ。」


忙しそうな従兄弟に代わって私が行こうとするところを、従兄弟が


「いや、俺がやる仕事だから。それに、一人で行くと多分迷うから一緒に行こう。」


そう田舎の畔道を小一時間一緒に歩いている。そのうち、ふとなぜ従兄弟がこの事業を申請しようと思ったのか聞きたくなり、


「どうしてこの事業に応募しようと思ったの?」


そう聞いてみた。


実際の従兄弟より夢に出てくる従兄弟は明らかにイケメン。


かつ、茶髪で、一見ジャニーズにいそうなそれでいて少し影のある、しかし、この公共性の高い事業に応募しそうにもない風貌だった。


「俺、大学で空手部に所属しててさ、毎年後輩が入ってくるんだけど、みんな、若いし、慣れない一人暮らしで、すごく不安を抱えている。


そんな後輩たちの悩みとか、結構聞く機会があってさ。いつか若い子たちの支援をしたいって思ってたんだよね。」


涙が出た。夢の中だか、本当だか分からないけど。


なぜなら、その従兄弟とは、父方の親族で勃発した相続争いが原因で、もう30年以上会っていなかったから。


母に


「あのロクデナシ一家とは、もう付き合わないで。あの子(従兄弟たち)たちも、絶対に、いいようには育たないから。」


昨日まで一緒に遊んでいた従兄弟たちともある日突然絶縁した。


私は逆らわなかった。


だけど、心の奥底でこう強く思っていた。


オトナハミンナロクデナシ、ダイキライ


同時期に、母方の親族でも同様のことがあり、これまで転勤族で、次から次へと知らない土地に行き、自分が何者であるかを唯一知ってくれていた従兄弟たちと引き離された。


幸いにして、大学を卒業して、すぐに出会った人生の心の師との出会いによって、私は人生で初めて尊敬できる大人に出会った。


しかし、心の奥の奥底に、親族たちに対する複雑な気持ちがあった。


あちら側とこちら側


それは、一言で言うと、悪い人の世界と良い人の世界。


でも、この数年、私の中で本当に劇的に世界の見え方が再構成され続けている。


悪い人なんて、いないんじゃないか。


それは、その時その場の状況から発生した事象であり、みな、その時は、最善だと思える行動を取っている。


親族や親にもそれぞれの事情があった。


そして、従兄弟たちも、今同じ空の下で彼らのかけがえのない一度しかない人生を生きている。


あぁ、また、こうして、私は私を縛る呪縛から一つ解放されたんだな。


オトナハミンナロクデナシナンカジャナイ


みんなそれぞれの生を毎日生きている、生かされている。


今朝、夢の中で、もしかしたら、実際に泣いていたのは、私の中の小さなこどもでもあった。


オトナハミンナロクデナシナンカジャナイ


オトナハミンナロクデナシナンカジャナイ


あちら側とこちら側なんて最初からなかった。


私の中の小さな女の子が笑う。


こどもたちに、大人はみんなロクデナシでないって教えてあげてね。


随分と重いメッセージだなぁ。😅


と思ったところで夢から覚めた。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました✨✨✨



【追記】この記事をアップしたあと、どうしても、小さな女の子が、「わたしを描いて」というので、追記しました。

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