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激務系ワーママの皆様、「不機嫌の椅子」を独占していませんか?

皆さんのお家には、どんな椅子がありますか?
ダイニングチェア、デスクチェア、子供用のハイチェア。
モミ玉に温感ヒートディスクが内蔵されたマッサージチェア(願望)。

色んな椅子があると思いますが、本日は我が家の「不機嫌の椅子」と、そこに座り続ける私の反省を書きたいと思います。



「不機嫌の椅子」には誰が座っていますか?

尊敬する小説家かつエッセイストである鈴木保奈美さん・林真理子さんの対談の中に、「不機嫌の椅子」という不思議な名前の椅子が登場します。

林:夫はすぐ不機嫌になるから、家庭を穏やかにしようと思ったら、私が折れるしかない。田辺聖子先生が、家には“不機嫌の椅子”が1つあって、そこに誰かに座られてしまうとほかの人は座れない、といったことを書かれていましたけど、うちの場合はいつも、夫がその椅子に座っていますから。

婦人公論.jp「鈴木保奈美、林真理子のこれから「定年夫の世話、子育て…家族中心から〈私ファースト〉へ!」より引用

元ネタは、田辺聖子さんのエッセイに出てくる言葉で、家の中で誰か一人が不機嫌になるとその人が放つイライラしたオーラに対して他の家族全員がその空気をなんとかしようと介抱する側に回るしかないという意味のようです。

林真理子さんのお宅では旦那様が常にその椅子に座っているそうですが、我が家では不機嫌の椅子を独占しているのは何を隠そう私。
そんな私が、至極反省した出来事があります。

とある日の夕方の出来事

それは、まだ私が次女の育休中だったときの出来事。
リビングの床の一部が、突然真っ白になっていたのです。

フローリングにプレイマットを敷いてその上に次女を寝かしていたのですが、自慢のふさふさの髪の毛が災いしたのか湿気がマットを通り越し床にまで届いて、ワックスが白化したようでした。

すでに保育園から帰宅していた長女と遊んでいた最中に見つけてしまったのですが、ひとたびそのシミが目に入ると気になって仕方がない。

えー、賃貸なのに、退去するときにお金がかかるかな?
ていうかこのシミはどうやったら取れる?見た目悪すぎ。
業者を呼ぶべき?いくらかかるの?

そんなことを考えていると、今すぐにでもスマホで調べたくて仕方がない。
でも長女はお構いなしに、ママ来て!これ見て!これできない!やって!を繰り返してきます。

その時点でかなりイライラしてしまっていましたが、その後の夕食時の長女の態度で私の堪忍袋の緒が切れました。

集中力が続かず、中々ご飯を食べない上に、お茶はこぼすわ、こぼして濡れた服は脱ぎたいと言って聞かないわ、なぜか濡れてない肌着とズボンまで脱いで、真っ裸で椅子の上に立って踊りだす始末。

いよいよイライラが頂点に達し、「うるさい!」と一言発して、リモートワークが終わりリビングに入ってきた夫になんの説明もなく全てを託し、私はひとりお風呂に駆け込みました。

お風呂でひとしきり自分の言動を反省しつつも、「あの床のシミどうしよう」が頭の大半を占めていました。

そして髪を乾かし終わり、あの戦場みたいにくちゃくちゃになったリビングに戻ると長女が走ってきて私に言いました。

「ママのごはん、おいしかったよ!」

テレビを見ると、しまじろうがお母さんと喧嘩して最終的には仲直りする話が流れていました。
長女の芝居がかったセリフは、しまじろうの言葉と同じものでした。
即座に、これはパパが仕込んだものなのだと気づきました。

ああ、家族みんなに気を遣われてしまった、と心底恥ずかしくなりました。
そして申し訳なく思いました。

私が座る「不機嫌の椅子」から放たれる負のオーラを、仕事終わりの夫も、保育園でたくさん遊んで疲れた長女も、一生懸命何とかしようとしていたのです。

不機嫌の椅子に座っている人は、大体は「自分が1番不幸」みたいな顔をしています。
でもふと冷静になると、本当に居心地が悪いのは椅子の周りの人たちなのだと気づきます。
そのときの決まり悪さと言ったらありません。

必死に母のご機嫌を取ろうと「いい子」を演じる当時2歳の娘を見て、
椅子に座るどころか、両手にバケツでも持って廊下に立って反省したい気持ちになった夕方の出来事でした。

まとめ

私は、「ワーママ」という称号が家族へイライラすることへの免罪符のように思えてしまうことがよくあります。
働いてるんだから。
働きながら育児だってしてるんだから。
家族の中で、私が一番大変で頑張ってるんだから。
イライラしたって当然でしょ、と思ってしまうのです。

しかし、家族のために頑張っている自分が「不機嫌の椅子」を独占することで、大切にしたいはずの夫や子供たちに気を遣わせ疲れさせてしまったらなんの意味もありません。

家族のために!と日々頑張るワーママの皆様。
気持ちに余裕のあるときに、少し深呼吸をして自分のお尻を見てみてください。
あなたがしかめっ面をして座っているその座り心地のいい椅子、もしかして「不機嫌の椅子」ではないですか?

我が家は、家族皆が心身共に元気で、誰もその椅子に座らなくてもいい状態を目指していきたいと思います。

「不機嫌の椅子」は、空席であるべし!


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