【中小企業診断士】【事例Ⅲ】令和4年度第2次試験の再現答案、資格試験当日の思考プロセス
1次試験543点(得点率78%かつ全科目60%超)2次試験285点(得点率71%かつ全科目60%超)と運良く高得点合格(独学)、かつ、大企業の経営企画担当の立場から、中小企業診断士試験について記載します。少しでも中小企業診断士について、理解が深まれば幸いです。
再現答案
事例3の得点開示は76点、予備校の採点サービスではLEC、EBAともにA評価(60点以上)でした。
ギリギリ高得点だと思っています。工場等で生産管理は全くの未経験です。
実際の問題はこちら
https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2022/c2ji2022.pdf
第1問
○問い
2020 年以降今日までの外部経営環境の変化の中で、C 社の販売面、生産面の課題 を 80 字以内で述べよ。
○再現答案
販売面はコロナ禍での観光需要の減少に対応し、アウトドア需要の獲得と営業力の強化で、生産面は①顧客ニーズである短納期化、小ロット化への対応②若手へ技術承継する事である。
○当日の思考
・外部環境の変化の具体的な内容と販売面の課題、生産面の課題をかく。
→大きな流れとして、コロナ禍による観光需要の縮小とアウトドア需要の獲得が重要。販売面といったら、営業力強化。
・アウトドア需要の獲得にあたっての課題を書こう。
→短納期化、小ロット化
・まだ枠が余っているので、会社全体の課題を書こう。
→若手への技術承継
○今思えばの反省
コロナ禍という環境変化は生産面の課題にも影響を与えているため、①②共に影響していることがわかる文書とすべきであった。営業力は与件文にも設問にも根拠がなく、加点はなさそう。
第2問
○問い
C 社の主力製品であるプレス加工製品の新規受注では、新規引合いから量産製品初回納品まで長期化することがある。しかし、プレス加工製品では短納期生産が一般化している。C 社が新規受注の短納期化を図るための課題とその対応策を 120 字以内で 述べよ。
○再現答案
課題は、業務量が多く混乱している金型製作の短期化で、対応策は①3次元CAD導入による発注 元とのイメージ共有の促進し、設計変更を減少②OJTによる若手の技術力強化により金型修理等を任せ、ベテランを高難度業務に集中する事
○当日の考え
・新規受注のみに発生する工程は金型製作だ。
→課題は、金型製作を短期化すること
・具体的には、発注元からの設計変更、仕様変更が長期化の要因であるため、解消が必要。ただ、鍋やトレーの設計変更って何だろう。ホテルや旅館の担当者だとすると、図面だけでのイメージが難しいのかな。
→ホテル等の担当者は、3次元CADなら多少イメージを掴みやすいか。。。正解であるか自信はないけど、誤りではないだろう。
・業務量が多く混乱している。解決策っぽいことは複数見当たるが、どれがメインかわからない。
・(他の設問を解答後に対応)若手の育成が課題なのに、どの設問でも使用しなかった。ここで使ってしまおう。誤りではないだろ。
○今思えばの反省
文書がわかりづらかった。業務が多く混乱しているという課題よりも、対応策②の効果として混乱している業務の解消と書いた方がよかった。
第3問
○問い
C 社の販売先である業務用食器・什器卸売企業からの発注ロットサイズが減少している。また、検討しているホームセンター X 社の新規取引でも、 1 回の発注ロットサイズはさらに小ロットになる。このような顧客企業の発注方法の変化に対応すべき C 社の生産面の対応策を 120 字以内で述べよ。
○再現答案
対応策は①基準日程を決めてプレス加工のみを立案する生産計画を、他工程を含めて全社的かつ受注量に合わせた日次で立案する事②1人で長時間行う段取り作業を、IE等で標準化、マニュアル 化、OJTで多能工化し、複数人で短時間化する事。
○当日の考え
・在庫量圧縮のため、発注ロットサイズ=生産ロットサイズとしないと。小ロット化により回数が増加する段取り作業を短縮しよう。
→生産体制についてあまり記載がなく具体的にイメージがしづらい。1人でやっている業務をどう変えたらいいか判断できない。最終手段として、抽象度高く記載しよう。内容は間違ってはいない。
・(他の課題を解いてから記載)生産面の対応策という事なので、生産計画の課題はなじまないかと思った。けど、明らかに生産計画に課題があるのに、他に解決する設問がない。この設問で解決しよう。基準日程って何???
○今思えばの反省
生産計画を日次で行うというのは無駄だった。X社の取引に合わせて週次で良かった。また、段取り作業改善の対応策が抽象的だ。作業別担当等が良かったかも。
第4問
○問い
C 社社長は、ホームセンター X 社との新規取引を契機として、生産業務の情報の 交換と共有についてデジタル化を進め、生産業務のスピードアップを図りたいと考え ている。C 社で優先すべきデジタル化の内容と、そのための社内活動はどのように進 めるべきか、120 字以内で述べよ。
○再現答案
内容は、受注、生産計画、生産統制、設計の情報の交換と共有をデジタル化する。活動は①各業務のパソコンに保有する情報の内容や共有の頻度を標準化し②DBで一元管理し、随時更新③全社的に共有し、生産業務を効率化し、短納期化を図る。
○当日の考え
・社内活動の定義不明。
・生産業務の情報の交換と共有は、現在紙で行われているのか。日次作業になると運用が回らないのでは。メール送付も普通すぎるから、DB化してみよう。各課の保有する情報を具体的に書こう。
・社内活動はよくわからないから、ふぞろいのフレームワーク。DRINK。正解か不明だが、多くの受験生も同じ解答だろう。
○今思えばの反省
C社の方向性の「市場成長性と自社の強みを考慮して戦略とビジネスプロセスを見直す」ということの解決だったか。DRINKで無駄に文字を埋めるよりは、ビジネスプロセスを見直す手段を入れるのが正解か!
第5問
○問い
C 社社長が積極的に取り組みたいと考えているホームセンター X 社との新規取引に応えることは、C 社の今後の戦略にどのような可能性を持つのか、中小企業診断士 として 100 字以内で助言せよ。
○再現答案
戦略は①高品質な製品を生産し、X社の信頼を獲得し、高品質な製品に受注を拡大し、高付加価値化と売上拡大する事②短納期化と小ロット化のノウハウの活用と営業力強化により、新規取引先を開拓し、取引先への依存度低下。
○当日の考え
・今後高価格帯な製品に拡大することを期待しているという文言をそのまま活かそう。
・コスト低減や生産性向上のノウハウを持っているが、高価格な製品に繋がるか不明。コスト低減よりも、抽象的に高品質な製品を生産することにするか。。。自信はない。
・卸売2社への依存度が高いという課題をここで解決しようか。
○今思えばの反省
コスト低減よりも抽象的で、高品質よりも具体的な、難易度の高い金型製作技術の活用が正解か。
施策の効果は、依存度低下よりも売上拡大や成長等の前向きなキーワードの方が良かったかもしれない。
まとめ
事例Ⅲは、どの設問でどの課題を解決するかが重要です。全設問間のバランスを見ながら当てはめていきましょう。
解決策のパターンが事例1、2と比べると少ないので、過去問を古くまで眺めてみるのも良いかもしれません。
また、与件文に全てが網羅されているわけではないため、抽象度の検討も難しいです。頻出ワード間の関係性をしっかりと覚えましょう。
今思えば(冷静に時間をかければ)、より良い解答が出来ると思います。ぜひ皆さまも80分の制限時間を守って、取り組んでみてください。
繰り返しですが、解答解説のレベルまで至っておりませんので、ご了承ください。