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不動産投資におけるアセットタイプを理解しよう(その4:ホテル)

不動産投資に関する解説の第4回です。
 
投資対象となる不動産には様々なタイプがあります。
今回はアセットタイプについて説明しようと思います。
なお、ここで説明する対象はプロ投資家や不動産が投資対象とする不動産です。実需で売買される戸建や分譲マンションではありません。
レジデンス、オフィスビル、商業施設、物流施設、事業用不動産などの区分で説明します。

4.  宿泊施設の特徴


 宿泊施設は旅館、ホテルなどです。
 
宿泊施設は事業用資産(オペレーショナル・アセット)と言われるように、運営管理にあたり特別な専門性が求められます。また、運営者の能力次第で収益が大きく変動する資産です。要は、運営が難しい不動産と言えるでしょう。
 
ホテルを保有する場合、①自社で運営するか、②他社に運営を委託するか、③運営会社に賃貸するかの3種類です。
 
このうち①は自社がホテルの運営会社の場合です。投資ファンドがホテルに投資する場合は、このケースはありません。
ホテルの売上はお客さんの宿泊によって発生しますから、時期によって変動が大きいのが特徴です。収益は安定せず、所有者は事業リスクを有します。
 
次に、②はマネジメントコントラクト(MC方式)ともいいます。ホテルの運営会社に運営を委託し、所有者は売上を受取ります。物件所有者の収益(売上)は賃料ではなく、ホテルの宿泊費です。
所有者が受取るのは賃料ではないため、宿泊客への売上によって収益は変動します。①と同様に所有者は事業リスクを有します。
 
最後の③賃貸借方式は、所有者にとって一番楽な方法です。
運営会社が賃料を支払ってくれるため、収益は①、②よりも安定します。ただ、運営会社としては②マネジメントコントラクト(MC方式)の方がいいので、受けてくれる場合は限定的です。
不動産ファンドが事業用物件(ホテル)に投資する場合、一般的には運営会社(オペレータ)に賃貸します。テナント(借り手)数は1社です。
受取賃料の安定性はオペレータの信用力に依存します。また、変動賃料を併用することが多いため、賃料がホテルの売上に影響を受けます。賃貸借方式であっても、事業リスクが全くないわけではないのです。
 
また、ホテルは立地によって集客が大きく異なります。所在地としては小規模オフィスビルがあるエリアに似ています。
ホテルは事業リスクを抱えるため、オフィスやレジデンスに比べると物件利回りが高いことが特徴です。
 
ホテル投資のメリット・デメリットを列挙すると、以下のようになります。
 

ホテル投資のメリット
 
・オフィスビルやレジデンスよりも物件利回りが高い
・景気・季節によって賃料が増える場合がある(変動賃料の場合)
・候補となる地域が広い
 

ホテル投資のデメリット
 
・事業リスクを抱える(自社運営、MC方式の場合)
・売上の季節変動が大きい(自社運営、MC方式の場合)
・賃貸借方式でも賃料が下がる場合がある(変動賃料の場合)
 

<その5に続く>

<前回記事はこちら>


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【金融マンのための不動産ファイナンス講座】

【金融マンのための実践ファイナンス講座】


【図解 不動産ファイナンスのしくみ】

 

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