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不動産投資におけるアセットタイプを理解しよう(その3:商業施設)

不動産投資に関する解説の第3回です。
 
投資対象となる不動産には様々なタイプがあります。
今回はアセットタイプについて説明しようと思います。
なお、ここで説明する対象はプロ投資家や不動産が投資対象とする不動産です。実需で売買される戸建や分譲マンションではありません。
レジデンス、オフィスビル、商業施設、物流施設、事業用不動産などの区分で説明します。

3.  商業施設の特徴


 次に、商業施設の特徴について説明します。
 
ここでの商業施設は飲食店やスーパーが入っている、イオンやイトーヨーカドーなどの施設をイメージして下さい。
 
商業施設の賃借人の数は多くありません。複合施設の場合は賃借人の数は増えるものの、オフィスビルと同じくらいの数でしょう。ただし、共有スペースが多いため物件の管理に手間が掛かります。
 
商業施設がオフィスビルと決定的に異なるのは、商業施設自体に集客能力が求められる点です。商業施設の集客能力によって、賃借人は借りるか借りないかを判断します。
集客能力の高い商業施設はテナント誘致がしやすいです。逆に、集客能力の低い商業施設にはテナントが入ってくれません。
賃借人自身が集客力のあるテナントの場合は別です。ユニクロやダイソーは商業施設に集客能力がなくてもお客さんは来てくれます。しかし、一般的にはテナント側に集客能力がないため、商業施設の集客能力が重要になります。
いくら新しい商業施設だったとしても集客が見込めるテナントでなければ出店しませんし、立地についてもそれほど大きな判断基準にはなりません。
商業施設の収益性は、集客力のあるキーテナントを誘致できるか否かによって大きく変わります。
 
また、賃料体系に特徴があります。
テナントの売上が変動する商業施設は、固定賃料に加えて変動賃料が設定されるケースがあります。テナントからすれば、売上が多い時期は多く賃料を払うことができます。が、売上が少ない時期は賃料負担がきつくなります。テナント側にも変動賃料を採用するメリットがあるのです。
商業施設の所有者が注意しないといけないのは、不況時には賃料収入が急激に減少し、物件利回りが低下することによって、物件価値が急激に下落する点です。
変動賃料を採用している商業施設の場合は景気変動による物件価値の変動が、他の不動産タイプよりも大きくなることに留意しておく必要があります。 

商業施設投資のメリット
 
・地方でも投資が可能
・キーテナントを誘致できれば賃料が安定する
・テナントの売上が増えれば賃料が増える(変動賃料を採用している場合)
・好景気には不動産価格が急激に上がる
 

商業施設投資のデメリット 

・物件の管理に手間が掛かる
・キーテナントを誘致できないと賃料が安定しない
・不況時には賃料収入が下がる(変動賃料を採用している場合)
・不況時には不動産価格が急激に下がる

<その4に続く>


<前回記事はこちら>


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