井手英策さん「どうせ社会は変えられないなんて誰が言った?」

最近感銘を受けている井手英策さんの議論。共著の新書を何となく読んで、「何で消費税増税???」と、訝しく「幸福の増税論」を読んだのがきっかけでしたが、読む前と後では増税への見方が180度変わったかもしれないです。続いて、最新刊のこちらを読みました。(反対論も知っておこうと思い、正反対っぽい題名の菊池英博さんの「日本を滅ぼす消費税増税」も読みましたが、)

この本は、井手さん論じるベーシックサービスの議論と増税の関係が(ベーシックインカムとの違いも)、ポイント絞られててわかりやすいし、今年の7月に出たということで政府のコロナ対策や特別定額給付金への言及もありました。最後にはソーシャルワークの話が出てきて、福祉とかソーシャルワークとか学び始めた身としては、ハッ!!!としました。
幼保無償化の予算年9000億円に対し、1度の10万円という特別定額給付金にかかった費用は13兆円。その13兆円こんなふうに使える、という議論はインパクトありました。
冒頭から踏み込んで書かれている、井手さんのパーソナルストーリーもとても印象的で、特に民進党の政策作りに関わるあたりの激動がすごかったです。前原さんからの熱烈アプロ―チ、民進党の政策作りへの参画、自民党による提案取入れ、希望の党への合流に絶句、政治との訣別。。
ちなみに井手さんは、夫の中高(+大)の先輩でした。

税の使い道とか、これまで「どうせ…」という思いであまり議論しようという気持ちにもなっていませんでしたが、「増税反対」ばかりではなく、前向きな税の使い道の議論がもっとできるようになるといいな、と思いました。

今夜のbsプライムにも出ていましたね。おもしろかったです。

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