日本の生活保護制度とそれへの意識が悔しい

「コロナ禍、貧困の記録」を読んだ。

このコロナ禍にあってこんなひどい行政対応があるなんて、と何度も怒りと涙に震えた。支援団体の頑張りには頭が下がる思いだけど、日本の公的扶助制度がなんとかならないといけない。

日本の生活保護利用率は2%を下回っており、捕捉率は2割程度。つまり、本来生活保護を受けるべき生活水準の国民の8割が、生活保護を受けていないということだ。これは先進諸外国の中でも極めて低い数字だし、公的扶助費がGDPに占める割合0.5%は、OECD加盟国平均の7分の1でしかない。(リンク先参照)
役所の水際対応に「不正受給者を出してはいけない」「生活保護費は抑制されるべき」という考えがあるかもしれないけど、それで本来支援が必要な人に届かないのは本末転倒。本来生活保護が必要な人8割が生活保護を受給していない一方、不正受給率は額にして、わずか0.4%にすぎない。

自分も含め「極力、生活保護は受けない・受けさせない」という考え方が染みついているようで情けない。「だって、そんな簡単に生活保護を受けられるようになったら、みんな努力しなくなっちゃうんじゃない。」そんな声が聞こえてきそうだ。自分にも正直そういう思いがあったかもしれない。でも、それで窓際で意地悪な対応をして、本当に窮地にある人が適切な支援を受けられず、生活を続けられなくなったら取り返しがつかない。
せめて、国は、水際は、切り詰めた支援ではなく、適切な支援を惜しみなく行って、セーフティネットの役割を果たしてほしい。

どうか、必要としている支援が必要としている人の手に入る国になってほしい。

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