脳の発育発達② 前頭葉と人見知り

前回(脳の発育発達①)、前頭葉の成長段階について要確認としたが、この記載について個人的見解。

ある記事で、「4.5ヶ月目辺りから、お母さんに甘えたり、人見知りするのは、前頭前野の発達によるもの」との記載を見つけた。


0~2ヶ月の新生児微笑は、意識的な微笑ではなく、満腹による副交感神経刺激で顔面神経核が興奮する事による、生理的な微笑反射。

3~4ヶ月目になると、新生児の視力は、後頭葉の発達により、ようやく顔全体の輪郭と口の動きを見分ける程度になる。「人」であれば、相手を選ばず無差別に笑顔を返す、ある意味、外からの刺激に対する反射(社会的微笑)。

6~8ヶ月あたりになると、無差別に出ていた笑顔が少なくなり始める。人見知り早期。母親という顔の形を認識し始め(側頭葉の発達)、母親や知った顔以外には、微妙な反応を返すようになる。

※生まれた時から、母親の顔は区別できているという文献もある。

※顔を見て迷っている間に、手を取って観察者の顔を触らせると、一次的に人見知りが軽減されるとのこと。視覚あるいは聴覚と、触覚を繋げる神経が働いている?
頭頂葉の発達も活性化するので、積極的に視覚・聴覚・触覚(体性感覚)の刺激を入れてあげるのが良いのかもしれない。

12ヶ月を超えるようになると、少しずつ恐怖反応が減り、言葉を話し始めると共に、コミュケーションを行うようになってくる。
長い子で、2~3歳ごろまで。多くの場合、発達の途中で自然と消えていく。
(この辺りで、ようやく、前頭葉の発達が成長の段階として見られるのでは?


ここまで考えると、前頭前野が人見知りに作用しているとは、考えづらい。

実際、画像診断にて、他者に対する恐怖反応にて活性化されるのは、①扁桃体周囲領域 ②上側頭葉溝 ③BA9の内側でBA25との境界領域。
③は①扁桃体の恐怖反応に対して、抑制的に働く部位であり、基本的には、扁桃体の働きが過剰なため、他者を拒絶している=人見知りが過ぎる と考えられる。

「乳幼児の人見知り」は、「他者の心情を自身の心理にくみ取る」ようになるための発達準備段階。
更なる成長によって、人見知りと言う行動は、何回かに分けて波のように見られるが、感情(悪い意味で作戦的・あざとく)で人を好き嫌いしているのか、前頭葉が不活性で「他人を受け入れる」という理解が未熟であるがゆえ、扁桃体の働きを抑え込むことができていないのか、その子の置かれている環境と段階に応じて、ケアをしながら、見守る必要がある。


参考
https://www.blog.crn.or.jp/report/04/57.html
https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/215

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