【分子栄養学】食物繊維とFODMAP食品

食生活は、糖質・脂質・タンパク質・食物繊維をバランス良く摂ることが基本。

食物繊維は、主に消化管、特に腸内にて作用する。

腸内を弱酸性に保つことで、吸収を良くし、腸内細菌叢を繁栄させる(多様性の獲得)
・短鎖脂肪酸の供給(腸の蠕動運動の活性化)
・有害ミネラルを付着して、便として体外に排出する
・免疫の正常化 …etc

人の、と言うよりは、体内に共存する細菌の為の食料になる と言ったところ。

善玉菌(プロバイオティクス)を摂るか、その食料(プレバイオティクス)を摂るか、と言ったら、食料(プレバイオティクス)を摂り、勝手に増える環境にした方が効率が良い。

プレバイオティクスになり得るのは、難消化性オリゴ糖 もしくは 食物繊維。

食物繊維は水溶性と不溶性に大きく分けられる


水溶性食物線維
ペクチン・グルコマンナン・アルギン酸・βグルカン・イヌリン等
主に腸内細菌のエサとして(他、食後の血糖値の上昇抑制、脂肪の吸収抑制、軟便化)働く

不溶性食物繊維
セルロース・リグニン・キトサン等
有害物質の吸着・排泄、便の嵩を増す働きをしてくれる。

水溶性・不溶性 の食物繊維は、食べ物の種類によっても量が異なるが、割合も異なっている。

食物繊維は豊富でも、「どちらかと言うと水溶性食物繊維が多い」「ほとんどが不溶性食物繊維が占める」などと考えるべき。

画像1引用:https://www.otsuka.co.jp/oms/library/fiberranking.html

重要なのは、むしろこっち。

食物繊維は腸内細菌のエサになるが、増えるのを避けたい菌(カンジタ)のエサにもなってしまうと言うこと。
※善玉菌・悪玉菌と言うくくりではない。腸内においては、悪玉菌と呼ばれる菌も、外部から侵入した菌をやっつけると言った役目を持っているので、単純に善・悪とは切り分けられない。
大切なのは、腸内細菌の生態系のバランス。

カンジタは小腸内細菌の約1%を占める、普段は善玉菌の食物になっている常在菌であるが、
抗生物質の乱用、善玉菌の減少、糖質過剰により、カンジタの異常繁殖が起こることがある。

カンジタ増殖により症状として、

慢性疲労・ブレインフォグ・腹部膨満感(ガスが多い)・糖の過欲求
食物過敏・アトピー・頭痛・下痢・口腔周囲の荒れ …etc が見られ、

SIBO、IBS(過敏性腸症候群)の原因となり得る。

特に 腹部膨満感(ガスが多い)・糖の過欲求 は症状として分かりやすい。


食物繊維(特に水溶性食物繊維)が腸内細菌のエサになるからと、むやみやたらに摂っていると、下痢をしやすい状態になるばかりか、腸内にガスが溜まったような状態になり得る。

やたらと糖(お菓子)を欲しがるようになっていたら、特に注意。

下に挙げた 高FODMAP食品 を抑えて、低FODMAP食品を多めに摂る、などの調整を行う。

高FODMAP食品 ⇒ ガスが多いとき、抑えるべき食品
小麦(パン・麺・粉物)・大麦・ライ麦
コーン
シリアル
りんご(ジュースも)
すいか
アボカド

プルーン
玉ねぎ・ニンニク・にら(俗にいう精力がつく臭いの強いもの)
ごぼう
セロリ
カリフラワー
さつまいも(イモ類)
きのこ類・マッシュルーム
豆・ナッツ 類
納豆・キムチ(発酵食品全般)
お菓子類

低FODMAP食品
米・玄米
十割そば
オートミール
こんにゃく
グルテンフリー食品
バナナ
オレンジ・レモン・ライム
パイナップル
キウイ
いちご
もやし
たけのこ
にんじん・大根・かぶ
ほうれん草
ピーマン
かぼちゃ
キュウリ
しょうが
レタス・キャベツ・ブロッコリー・白菜
なす
トマト
のり・昆布・ワカメ

※文献によって、キャベツはNGに含まれている。
 グレーゾーンと考えるべき(ブロッコリーはOK)
※レンコン は、どの文献を見ても記載が無い

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