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CS Ops立ち上げの意義と専任組織をどう活かすか。立ち上げて半年で考えたこと

HERPでカスタマーサクセスを担当している加藤啓太 (@KeitaKatoh)です。
今年の1月CS Opsラボさんの第一回イベントに登壇し「HERPが”ユーザ価値起点”を追求するためにCS Opsに求められる役割の紹介」というテーマでお話させていただきました!

今回はイベントでお話したCS Ops立ち上げについてと、イベントではお話まだできなかった、専任のCS Opsを置くことの意義や活かし方を実体験ベースでお伝えしたいと思います。

まだCS Opsの体制が作れていない、もしくはCS Opsに興味がある企業の方々に対して、お伝えできればと思います。

はじめに:HERPの紹介

HERPはスクラム採用を実現するための SaaS である、採用管理システム「HERP Hire」と、タレントプール管理システム「HERP Nurture」を開発・提供しています。

HERPには、導入後のオンボーディングや問い合わせ対応、その他各種活用支援を行うカスタマーサクセスチームがあります。
私もそのうちの1名であり、2021年8月あたりに上記体制・メンバーに加えてCS Opsという役割を持つチームを立ち上げました。

CS Opsの立ち上げの経緯

当時のカスタマーサクセス組織が抱えていた課題や、立ち上げまでの経緯は登壇時に詳しくお話させていただき、資料も公開しています(こちら)。

ユーザーの拡大に備えるために

わたしが入社した2021年7月当時から、今後目標としているユーザー拡大から逆算しても、これまで通りの体制ではサポートが不足するのが明らかでした。

HERP Hireは先日正式リリースから3年がたち累計導入企業数も1000社を超えています。ありがたいことに毎月着実に、利用ユーザーが拡大し続けている状況でした。

ユーザー価値ドリブンを実現するために

上記内容に加え、目下の状況において日々の運用は回っているように見えるのですが、ユーザー価値へ向かうための改善が(目指しているレベルと比べると)生み出されづらい状況にありました。

HERPでは”ユーザー価値ドリブン”が6つのバリューのひとつとして重視しています。
ユーザ価値につながるか否かを軸に日々の会話が行われます。

- ユーザー価値ドリブン
- どんなときでも、ユーザーへの価値を軸に考える。提供価値の最大化に向けて、本質的な課題をとらえよう。

HERP Culture Deck「組織・制度について」Valuesより

やはり日々のカスタマーサクセス業務に取り組んでいると、"重要だけど急ぎではない業務"=中長期的な改善 がどうしても後回しなりがちです。

そのため、カスタマーサクセスにおいても、もっと多くの時間をユーザー価値へ向かうための新しい取り組みや改善に使っていくべきだと感じました。
こういった課題感ついて、わたしがメンバーと会話した結果、1ヶ月というスピード感で立ち上げに至ることができました。

新参者の視点でもフラットに検討し、ここまで実行に移せるのはHERPならではと感じます。

CS Ops立ち上げ後

今のCS Opsメンバーの時間の使い方はこのようになっています。立ち上げにあたり、業務委託のメンバーにも新たに加わってもらい、計4名のメンバーで構成されています。
顧客対応を行わないCS Ops専任メンバーもいます。

CSチーム全体では、この他6名のCSメンバーがおり、計10名(兼任含めるとさらに数名)で、カスタマーサクセスチームを構成しています。

ここまではイベントでお話したことですが、ここからは、イベントではお話まだできなかった、専任のCS Opsを置くことの意義を実体験ベースでお伝えしたいと思います。

専任のCS Opsを置くことの意義

2021年8月にCS Opsチームを立ち上げて約半年になります。
ここまでの期間、改善を行う役割に専念できたことで、今後さらなる進化に向けた、"ユーザー価値ドリブン"を目指す上での基礎を築くことができたと実感しています。ここまでの改善活動において意識していたことを共有できればとおもいます。

目まぐるしい既存業務の中で、成果に踏み出す

過去に、「ブッシュ・ヴェイル ルール」を知った頃から、ずっと頭の片隅においていました。既存業務をこなすことと、新たな価値を生み出すための本質的なことに取り組むことを混在しないということについてです。
ルールにはいくつかありますが、そのうち「相分離を実行する」の箇所が該当してます。

相分離を実行する
・アーティストとソルジャーを分離する
発明家の集団とオペレーターの集団を分ける。

サフィ・バーコール (著) 
LOONSHOTS<ルーンショット> クレイジーを最高のイノベーションにする, 427ページ

水が同時に液体と固体になれないように、同じ集団に両方をやらせることはできない。

サフィ・バーコール (著)
 LOONSHOTS<ルーンショット> クレイジーを最高のイノベーションにする, 427ページ

実体験でも日々の目先の業務が優先的になってしまうことは多々日体験していました。

例えば、日々顧客の活用支援や問い合わせへの回答している人が、業務改善をしたいと思った時に、
他社の取り組みを学びながら、足元できる内容で小さく改善業務を始めたいということはよくあると思います。

しかし、今日も明日も顧客との打ち合わせが入っている状態や、日々ユーザーから問い合わせが来る目まぐるしい状態では、いかに業務改善や新しい施策を行いたいと考えていても、どうしても目先の業務が優先になり、変革推進と業務実行のバランスを保てません。

実際にHERPでも、CS Opsのない時期は、四半期のプロジェクトで考えていたデータ基盤整備などは、先送りとなるか一部分のみへ対処する状態が続いていました。理想的にはより良い状態を作れることは知りつつも、向かいたい成果に向かえていない状況でした。

CS Opsは、成果起点で動くために必須の『構造』です。
業務変革を個別最適でしていくか全体最適でしていくかに大きく影響あるテーマだと考えています。

向かいたい成果に向かうために、専任メンバーを置きCS Opsを立ち上げるという決断ができた後には、これまでのより広いスコープかつ根本的な改善を着実に行うことができました。

このような成果は、もちろん各メンバーの努力があるはずですし、全てが理想通り行くわけではありません。
また、専任を置くためにはリソース問題を避けて通れません。

それでも、社内にOpsのような改善や新規取り組みに専任するメンバーを置くのは、組織改善を本気で着手する中で必要な決断だと考えています。業
務委託の方を仲間にすることも含めて検討できると実践に移しやすいと、HERPの立ち上げ経験から感じています。

専任のCS Opsを組織にどう活かしていくか

難しいポイントとしては、専任を置くことは有力ではるものの、組織を完全に分断してしまうというわけではありません。
完全に分断してしまうと顧客理解や、現場の業務理解から遠のいてしまい、良い相互作用が生まれなくなってしまうという問題がありえます。

ここについてはわたし自身も悩み、実運用においてCS Opsの専任メンバーも自ら手を挙げて、顧客や業務理解のために顧客の問い合わせ対応などの平常業務をになってくれることもありました。

専任組織を分断させず、組織全体にCS Opsをどう活かしていくかについて、最後にHERPの事例を紹介したいと思います。

2021年12月に四半期の目標を立てるタイミングで、部門横断で「ユーザー価値起点ワークショップ」という取り組みを実施し、そこから社内のプロジェクトが複数誕生しました。
その中で「データドリブンな組織にする」「ユーザーが自助努力で解決できる環境作り」の2つのプロジェクトは、CS Opsが関わった事例になります。

組織を横断した協業による抜本的な改善

「データドリブンな組織にする」ついては、開発チームとCS Opsメンバーの協業で進めています。これまでも、CSがエンジニアの支援を得ながら顧客の利用状況のデータ確認などで協業はありましたが、より抜本的に取り組みを始めました。

データチームが新たに創設され、各部門へのヒアリングなどから実現したい事項を整理し、そこから逆算したデータ基盤を整えます。
CSやその他部門のメンバーは現場視点をもとに、ユーザ価値につながるニーズをひたすら考え洗い出します。
Opsは業務フロー全般を現場サイドのインプット目線とデータチームのアウトプット目線で整備し、最終的にデータが現場がどのように使われるかを元に最適な仕組みを検討しています。

CS Opsから協業を促すことによる課題解決

「ユーザーが自助努力で解決できる環境作り」については、スケール化に耐えうる組織を作る一環でOpsメンバーが主体的に組織全体を巻き込み改善を進めているプロジェクトです。

HERP Hireのカスタマーサクセスでは、対面でのオンボーディングおよび日々の問い合わせ対応など顧客との接点を重要視していますが、今後は、ユーザー自身で自己解決できる方が理想であったり、早期の成果創出のためにCSメンバーとの打ち合わせ抜きで初期設定などを完結させたいケースもさらに増えていくと思っています。

というのも、元々、私自身が”おもてなし幻想"によるカスタマーエフォートを減らす重要性などを感じていましたが、年末年始に"Product-Led Growth"の情報をいくつか目を通す中で、利用中だけではなく、利用を始めたオンボーディングのタイミングでも顧客は自己学習の情報源を求めていることを痛感しました。

こういった背景から生まれたプロジェクトで、Opsメンバーがファシリテーションをしてワークショップを行い、カスタマージャーニーを整理したり、既存カスタマー向けのコンテンツの整理を行いました。個人的にはこういったプロジェクトやワークショップを通じた、ロールを超えた協業をさらに産んでいきたいと考えています。

まずはオンボーディング時の「業務効率化できている」状態を実現するためのジャーニーに関わる各種情報へのアクセスしやすさに取り組んでいます。

その辺りの内容をカジュアルな形の面談でお話しできればと思います。私たちもまだ成果創出した段階ではないので、意見交換目的でも大歓迎です!

Twitter DMなどお気軽に面談お申し込みください!(https://twitter.com/KeitaKatoh)

さいごに

日々のカスタマーサクセス業務と改善業務がよいバランスでまわる仕組みを維持するためには、CS Opsの専任メンバーは重要であると最近も各種取り組みを行う中で改めて感じています。

また、ロールを超えた協業に取り組んだり、CS Ops自体が主体となってそれを生み出していくことで組織全体やプロダクト全体への貢献を生み出し続けられれば、次の半年後には"ユーザー価値ドリブン"を追求する上での欠かせない役割になっていくと感じていますので、成功例などまた共有できればと思います。

ぜひお楽しみにしていてください!

登壇資料

文中でも紹介しましたが、Notionで登壇資料を公開しています。

アーカイブ録画もあるのでぜひご覧になってみてください。
コミューンさん、Ubieさん、ユーザベースさんの発表も大変参考になると思います。

この取り組みについて話たいと思ったらDMでご連絡ください!!

転職の予定がなくても、HERPではカジュアル面談を歓迎しています。
CS Opsに興味があるかた、是非お話しましょう!

Twitter DMなどお気軽に面談お申し込みください!(https://twitter.com/KeitaKatoh)

HERPの採用情報

ビジネス職の求人一覧はこちらから。どの職種も絶賛募集中です。

採用サイトで、カルチャーデックなど組織の情報を公開しています。


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