kichikichi|美術は楽しい

美術鑑賞が趣味。主に東京の美術館とアートギャラリーを巡っています。興味関心:美術、建築…

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美術鑑賞が趣味。主に東京の美術館とアートギャラリーを巡っています。興味関心:美術、建築、演劇、ビンテージ家具・食器・雑貨、スイーツ、カフェ。苦手なもの:大きい音、人混み。 noteは展覧会を観て感じたことや考えたことの記録。たまにそれ以外のことも書きます。

最近の記事

展覧会 #24 没後30年 木下佳通代@埼玉県立近代美術館

「吉田克朗展 ―ものに、風景に、世界に触れる」を観に行った際に次回企画展の割引券をもらったので、今年2回目の埼玉県立近代美術館に行きました。 没後30年 木下佳通代 会期:2024年10月12日(土)~2025年1月13日(月・祝) 埼玉県立近代美術館 さいたま市浦和区常盤9丁目30番1号 交通アクセス:JR京浜東北線 北浦和駅西口より徒歩3分(北浦和公園内) 木下佳通代は作品を通して「存在とは何か」という問いに向き合い、視覚と認識、存在と事物の関係性を表現した作家です

    • 展覧会 #23 アレック・ソス 部屋についての部屋@東京都写真美術館

      アメリカ・ミネソタ州生まれの写真家アレック・ソス(1969年~)の個展を観に行きました。 6つの部屋に区切られた展示室には、初期から最新作まで約60点の作品が展示されています。 アレック・ソス 部屋についての部屋 会期:2024年10月10日(木)~2025年1月19日(日) 東京都写真美術館 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 Looking for Love  人々が集うにぎやかな場所でふと見せる虚ろな表情。心がどこかへ離れた瞬間を捉えた写真

      • 展覧会 #22 カナレットとヴェネツィアの輝き@SOMPO美術館

        元は1976年に「東郷青児美術館」として安田火災海上(現・損保ジャパン)本社ビル内に開館した美術館。その後2度の館名変更を経て、2020年に「SOMPO美術館」として本社敷地内に新美術館棟がオープンしました。 私が以前訪れたときは本社ビル内の高層階の頃で、かなりご無沙汰していた美術館です。 今回は18世紀にヴェドゥータ(景観画)というジャンルで名を馳せたカナレット(1697-1768)の全貌を紹介する日本で初めての展覧会。 写真がなかった時代に観光と結びついて発展したとい

        • 【スイーツ】BELTZ TOKYOのバスクチーズケーキ(東京・広尾)

          チーズケーキが大好きです。 先日、恵比寿駅西口から山種美術館へ向かう途中で見つけたバスクチーズケーキ専門店「BELTZ」。 そういえば数年前に丸井の催事で買ったことがあって、とても美味しかったことを思い出しました。 思わぬところで実店舗に出会えたのが嬉しくて、帰りに絶対立ち寄ろうと心に決めて美術館へ向かいました。 そして、美術館の帰りにお店へ。 店内に2つほどテーブル席があるので、一瞬イートインできるのかなと思いましたが、テイクアウト専門店でした。 レジで注文前にお店の方

        展覧会 #24 没後30年 木下佳通代@埼玉県立近代美術館

          展覧会 #21 福田平八郎×琳派@山種美術館

          日本画家 福田平八郎 (1892年~1974年)の没後50年記念展覧会を観に行きました。 山種美術館では12年ぶりの開催となる今回の特別展では初期から晩年の絶筆に至る作品と、平八郎に影響を与えた古典として琳派の作品が紹介されています。 【特別展】没後50年記念 福田平八郎×琳派 会期:2024年9月29日(日)~12月8日(日) 観覧料:一般 1,400円、大学生・高校生 1,100円、中学生以下 無料 山種美術館 東京都渋谷区広尾 3-12-36 この日はあいにくの雨

          展覧会 #21 福田平八郎×琳派@山種美術館

          展覧会 #20 ルイーズ・ブルジョワ展@森美術館

          六本木ヒルズの巨大な蜘蛛の彫刻《ママン》で知られるルイーズ・ブルジョワ(1911年~2010年)の日本では27年ぶりとなる大規模な個展が森美術館で開催されています。 ルイーズ・ブルジョワ展 地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ 会期:2024年9月25日(水)~2025年1月19日(日)※会期中無休 森美術館 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 交通アクセス: 東京メトロ日比谷線 六本木駅 1C出口より徒歩3分 都営大江戸線 六本

          展覧会 #20 ルイーズ・ブルジョワ展@森美術館

          展覧会 #19 西川勝人 静寂の響き@DIC川村記念美術館

          2025年1月末で休館が決まっているDIC川村記念美術館の最後となる企画展を訪れました。 ※ひとつ前の記事に休館のことを書いているので気になる方はそちらもご覧ください。 今回の企画展はドイツを拠点に活動する西川勝人(1949年~)の日本初となる回顧展です。 彫刻、写真、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物、約70点が作家自身の構成によって展示されています。 西川勝人 静寂の響き 会期:2024年9月14日(土)~2025年1月26日(日) フィザリス フィザ

          展覧会 #19 西川勝人 静寂の響き@DIC川村記念美術館

          コレクション展は楽しい #05 DIC川村記念美術館②2024年9月

          2024年8月末に飛び込んできた美術館運営に関するニュースには驚きました。 https://pdf.irpocket.com/C4631/Rhyn/DBJg/TKxD.pdf この報告書によると、今後の検討案は下記の2つ。 ・東京への移転を想定した「ダウンサイズ&リロケーション」 ・美術館運営の中止 最終的な運営方針は2024年内に決定するとされていて、2025年1月下旬から美術館を休館することが決まっています。 私がDIC川村記念美術館を初めて訪れたのは2023年8月

          コレクション展は楽しい #05 DIC川村記念美術館②2024年9月

          展覧会 #18 Nerhol 水平線を捲る@千葉市美術館

          千葉市美術館は千葉市中央区役所との複合施設として開館したビル型の美術館。戦前の建物である旧川崎銀行千葉支店を新しい建物で包み込むように設計されています。 HPで建物を見て興味が湧き、一度訪れてみたいなと思っていた美術館です。 千葉市美術館 千葉県千葉市中央区中央3-10-8 交通アクセス: JR千葉駅 東口から徒歩約15分 京成バス「大学病院行」または「南矢作行」にて「中央3丁目」または「大和橋」下車 徒歩約3分 千葉都市モノレール(県庁前方面行)葭川(よしかわ)公園駅 徒

          展覧会 #18 Nerhol 水平線を捲る@千葉市美術館

          展覧会 #17 瑛九—まなざしのその先に― @横須賀美術館

          横須賀美術館を初めて訪れました。 電車とバスを乗り継ぎ約2時間で三浦半島の東海岸沿いに建つ美術館に到着。 自然光をふんだんに取り入れたガラス張りの建物は地下ギャラリーやエントランスの吹き抜け構造により開放的な空間になっています。 建物内から一面の青い空と海が見える抜群のロケーションで、屋上の展望広場からも東京湾を一望できます。 交通アクセス(公共交通機関の場合) 京浜急行「馬堀海岸駅」 1番乗り場から京急バス「観音崎」行(須24、馬24)「ラビスタ観音崎テラス・横須賀美術

          展覧会 #17 瑛九—まなざしのその先に― @横須賀美術館

          展覧会 #16 内藤礼 生まれておいで 生きておいで@銀座メゾンエルメス フォーラム

          この展覧会は東京国立博物館とエルメス財団の共同で企画されたもので、東京国立博物館と銀座メゾンエルメスフォーラムの展覧会は一連の流れをもった構成になっています。 会期は東京国立博物館が6月25日~9月23日、メゾンエルメスフォーラムが9月7日からスタートで2週間くらい会期が被るスケジュールになっています。 8月後半に東京国立博物館を観に行き、その記憶が残っているうちに観ておきたくて初日にメゾンエルメスフォーラムを訪れました。 ※東京国立博物館の感想記事はこちら 会場は銀座

          展覧会 #16 内藤礼 生まれておいで 生きておいで@銀座メゾンエルメス フォーラム

          展覧会 #15 空想旅行案内人ジャン=ミッシェル・フォロン@東京ステーションギャラリー

          タイトルとチラシの色彩に惹かれて東京ステーションギャラリーの展覧会を訪れました。 チラシのデザインは3種類。作品の雰囲気を表現しているフォントデザインが秀逸です。 線と色彩 白黒で豊かな世界を生み出すことを目指してドローイングに打ち込んでいたという若い頃に培われたシンプルで無駄のない輪郭線。 カラーインクと水彩の柔らかい濃淡が幻想的な雰囲気を作り出しています。 色数が少ないのは白黒の世界を追求していたことに関係あるのでしょうか。 夜明け前の空を見ているような青から赤へ

          展覧会 #15 空想旅行案内人ジャン=ミッシェル・フォロン@東京ステーションギャラリー

          展覧会 #14 内藤礼 生まれておいで 生きておいで@東京国立博物館

          内藤礼(1961年~)は広島生まれ、現在は東京を拠点に活動している美術家です。 この展覧会は東京国立博物館とエルメス財団の共同企画で銀座メゾンエルメスフォーラムの個展と一連の流れをもった構成になっているということで、9月7日(土)から始まるメゾンエルメスの展覧会も訪れたいと思っています。 展示は3つの会場に分かれていて、平成館 企画展示室→本館 特別5室→本館1階ラウンジの順に巡っていきます。 ※写真撮影不可のため展示室内の様子は紹介できません。 何を見て、何を感じ考えた

          展覧会 #14 内藤礼 生まれておいで 生きておいで@東京国立博物館

          展覧会 #13 日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション @東京都現代美術館

          高橋龍太郎コレクションとは精神科医、高橋龍太郎(1946~)が1990年代末頃から収集を始めた総数3500点を超える日本の現代美術コレクション。 日本人コレクターによる日本現代美術のコレクションを見られる機会は珍しいと思って観に行きました。 美術館が所蔵する現代日本美術の先を行く現在進行形の日本美術が見られる内容で、とにかく作家数が多いこと、そしてスケールの大きい作品が多いことが印象的な展覧会でした。 日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション 会期:2024年8月3日(

          展覧会 #13 日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション @東京都現代美術館

          展覧会 #12 空間と作品@アーティゾン美術館

          この展覧会はアーティゾン美術館のコレクションによる企画展です。 通常美術展では作品が表現するものを観に行くのですが、この企画の面白いところは美術作品の外側の世界を見せていることです。 依頼主の存在、著名人に所有されていた来歴、室内装飾としての役割、祈りの対象など、美術作品という物理的な存在がどのような場所でどのような人に関わってきたかを知ることができます。 6階展示室祈りの対象 最初にお出迎えしてくれるのは円空の仏像。 とても優しい表情で気分がほっこり和らぎます。 かつて

          展覧会 #12 空間と作品@アーティゾン美術館

          【演劇】イキウメ『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』@東京芸術劇場

          今回は演劇鑑賞の話。 劇団イキウメの公演『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』を観に行きました。 興味があっても何から手を付けてよいか分からず敷居が高いと感じている演劇の世界。 数年前に友人のお勧めでWebで限定公開されていた過去作品を観たことがきっかけでイキウメの公演を見るようになりました。 今回の作品はとりとめのない怪談話が徐々にある一つの物語につながり、過去と現在が交錯していく話。奇妙でちょっとゾクっとする瞬間もありながら随所に笑いもあって、怖いのが苦手な私にはちょうど良

          【演劇】イキウメ『奇ッ怪 小泉八雲から聞いた話』@東京芸術劇場