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展覧会 #14 内藤礼 生まれておいで 生きておいで@東京国立博物館

内藤礼(1961年~)は広島生まれ、現在は東京を拠点に活動している美術家です。
この展覧会は東京国立博物館とエルメス財団の共同企画で銀座メゾンエルメスフォーラムの個展と一連の流れをもった構成になっているということで、9月7日(土)から始まるメゾンエルメスの展覧会も訪れたいと思っています。

展示は3つの会場に分かれていて、平成館 企画展示室→本館 特別5室→本館1階ラウンジの順に巡っていきます。
※写真撮影不可のため展示室内の様子は紹介できません。


何を見て、何を感じ考えたか、その場で断片的に書き留めたメモを少し整理して載せておきます。

第一会場 平成館
薄暗い室内にガラスや毛糸でできた小さな球が吊るされている。
透明なテグスが闇に溶けて球体が宙に浮いているように見える。
気を付けないと頭や体が触れてしまいそうで緊張感がある空間。

第二会場 本館 特別5室
石造りで自然光が入る吹き抜けの空間。

白いフランネル生地の上に置かれた動物の骨の破片や石。
ガラスケースの上には小石、ガラス、角材と小枝、毛糸の切れ端。
アクリル絵具の滲み。

どこにでもありそうに思える小石やガラス、何かの破片、その小さな小さなものたちに愛おしさを感じる。
(後で作品解説を見て、そのうちのいくつかは古代の出土品であることを知りました。)

展示を見るにつれ、小さきものを集めたガラスケースの細部に目が届くようになる。

《座》と題された木製の低い台には座ることができて、そこに腰掛けてぼーっとする人、展示室の中央に佇んで天井を見上げる人、思い思いにこの空間を感じようとしている。

ここには小さきものたち微かな気配が漂っていて、訪れる人たちの何人かは自然とその気配に耳を澄ませている。

第三会場 1階ラウンジ
壁のモザイクに紛れて小さな丸い鏡がはめられている。
外光を浴びてキラキラ光るモザイク紋様の中で小さな丸い輝きを発見するのは難しい。

見過ごしてしまう小さな小さな気配を拾い集める作業をしていたことに気づく。


展示品を「見る」というのは感覚の入口で、視覚を通じて次第に空間全体に意識が広がり、その「場」に広がるささやきのような小さな気配を感じ取る。
感覚を開いてその空間に身を浸すという非日常の体験をしました。
メゾンエルメスでどのような展示空間が造られるのか楽しみです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


※メゾンエルメスの感想記事はこちら



内藤礼 生まれておいで 生きておいで

会期:2024年6月25日(火)~9月23日(月・祝)
観覧料:一般1,500 円 大学生1,000 円

東京国立博物館
東京都台東区上野公園13-9
交通アクセス
JR上野駅 公園口 徒歩10分
JR鶯谷駅 南口 徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅 徒歩15分
東京メトロ千代田線 根津駅 徒歩15分
京成電鉄 京成上野駅 徒歩15分

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