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「イズム」と「エンタメ」のバランスが半々なのが一番面白い

イズムを発信するときはエンタメを添えたい

みなさん、全ての話題は「イズム」を含むと思うんです。

例えばダイエットについて呟いただけでもダイエット法の宗派が違う人とのイズム論争になるかもしれませんし、ビジネスや創作の話題においても別の視点から見ると〇〇論のようなイズムのトピックになったりします。

僕がひとこと「Logic(ソフトウェア)は最高!」と言っただけで、Logicを最高だと思わない人とはイズムが対立してしまうかもしれません。

誰かが「△△そんなに好きじゃないな」と言えば、△△を好きな人から批判を浴びるかもしれません。

今やネットの至るところでミクロのイズム論争が巻き起こっています。

政治や社会的な話題でなくとも、大なり小なり全ての物事に「イズム」が存在するといえます。


そんな中で、多くの人はイズムを摂取するのならエンタメが混ざっている方が摂取しやすいのではないでしょうか。

ツイートなんかでも説教臭いツイートよりは、半分くらいエンタメ感があったほうが受け入れやすかったりすると思うんです。

イズム100% のツイート
👤 「DTMerは音楽理論を勉強しなければならない

イズム50% エンタメ50% のツイート
👤 「音楽理論を勉強していると誰でもジョン・ウィリアムズになれるから最強(それは不可能)

エンタメ100% のツイート
👤 「ジョン・ウィリアムズになりたい!(それは不可能)

つまり表現を提供する側も、イズム100%よりはエンタメを何割か添えて提供することを心がけたほうが多くの人に伝わるのかもしれません。

(最後の投稿例はわかりやすくエンタメ100%としましたが、この投稿すらジョン・ウィリアムズになりたくない人、映画音楽が嫌いな人、ジェリー・ゴールドスミスになりたい人、と対立する余地があります。)


イズムとエンタメのスペクトル

僕は映画を観るのが好きなのですが、面白い映画はイズム性エンタメ性のバランスがちょうど良かったりします。

ここでイズムとエンタメのスペクトルという物をイメージしてみます。

イズムとエンタメのスペクトル


作り手のイズムやメッセージ性の表現に100%振り切った映画は、確かに社会の見えていない問題を提起する力があって作り手の志は伝わりますが、ものによっては説教臭くて退屈になってしまう場合があるかもしれません。

イズム100%


一方でエンタメや娯楽性に100%振り切った映画は、確かに派手で楽しく、見ている間は盛り上がりますが、観た人の心を突き動かしたり考えさせられるような奥行きは無いかもしれません。

エンタメ100%


やはり僕はイズムとエンタメをうまく半々ぐらいのバランスで表現した映画が一番面白いと思うんです。

イズムとエンタメのバランスが良い

作り手のイズムや伝えたいメッセージが芯となっていて、なおかつエンタメ性娯楽性)もしっかりとあって楽しみやすい映画にこそきっと名作が集中しているのでしょう。

流石に上図のように片方に100%振り切った映画というものはなかなか無いかもしれません。冒頭でも書いたように、全ての表現には少なからず作り手のイズムが含まれますからね。

また作り手がイズムを意識していなくても、ある視点から見たときにイズムが観測できる場合もあるかもしれません。

なので、このスペクトルの考え方はどちらかと言うと相対的なものと言えるでしょう。


個人的な印象ですが、近年観た映画でイズム性やメッセージ性が強く出ていてなおかつエンタメ性も拮抗している、バランスど真ん中ぐらいの良い映画を挙げておきます。

・プロミシング・ヤング・ウーマン(2021)
・スワロウ(2019)
・最後の決闘裁判(2021)
・私をくいとめて(2020)
・あのこは貴族(2021)
・82年生まれ、キム・ジヨン(2016)
・パラサイト(2019)
・ジョーカー(2019)
・スパイの妻(2020)
・プラットフォーム(2019)
・ドント・ルック・アップ(2021)
・ペンタゴン・ペーパーズ(2017)
・ヒックとドラゴン(2010)
・ズートピア(2016)
・ソウルフル・ワールド(2020)
・私ときどきレッサーパンダ(2022)

ファミリー向けもあれば硬派なものもありますが、比較的観やすい映画ばかりなのでオススメです。

ヒックとドラゴンがこのラインナップに入っているのは意外かもしれません。そんなにイズム要素あったっけ?と思うかもしれませんが、テーマとしてはかなりヒューマニズムな映画だと思います。初めて観たとき、脚本、音楽、作劇のどれも完璧だ!と感動しました。「どのカットが何フレーム持続してどのカットに連結するか」というような見せ方の制御に至るまであまりにも巧すぎて何もかも百点満点です。褒め過ぎかもしれませんが個人的には人生トップ10圏内に殿堂入りしました。(すみません早口になってしまいました)

ピクサーやディズニー、ドリームワークスのアニメが好きな人からすると当たり前でしょうけれど、決してファミリー向け娯楽作品だと思って軽く見てはいけないくらい、心を揺さぶる映画が多いですよね。

歳のせいか上記のような心を揺さぶる映画に弱くなってきましたが、勿論イズムなんか一切無い純エンタメ映画やおバカ映画も好きですし、イズム100%のドキュメンタリーなんかも結構好きだったりします。満遍なく観ていきたいですね。


我々はどう表現すればよいのか

それではクリエイターの作品や発信はイズムとエンタメ半々で行えば良いのか?というと、そういうわけでもありません。

やっぱり作りたいように作ってやりたいようにやるのが一番良いと思います。

僕は音楽をやっていて、素人ながら映像にも手を出していたり、このnoteカクヨムでは文章を投稿しています。

しかし、基本的にはイズムやメッセージ性をそこまで意識していません。

自分の表現スキルを磨いていって、その中で表現したいテーマやメッセージが生まれたら、そのときに形にすれば良いのだと思います。


イズムを摂取するのは結構疲れる

さて、ここまででイズムの話をしてきましたが、ちょっと真面目なことを言ってみます。

みなさんイズムを摂取するのって結構疲れませんか?

僕はここ数年、かなり疲れています。

SNSをはじめとしたインターネットの世界はイズムの情報で溢れかえっています。タイムラインにはイズムの雪崩が襲いかかり、ニュースからはイズムの噴火が湧き上がっています。

今やネットの至るところでイズム論争が巻き起こっており、それどころか多くの人にとってイズム論争が娯楽になっています

僕はもう何年も前からTwitterやYouTubeでは現在地を外国にして日本語のトレンドを一切見ないようにしたり、事故や事件の情報、ニュースのアカウントをブロックしまくっています。

その結果、元の話題が見えないまま何かに言及している人だけがあふれるTLになってしまうこともあったりして、イズムを完全にフィルタリングすることの難しさを実感しています。またフィルタリングしていてもエンゲージメントしてしまうこともあります。

今はなるべくクリエイティビティのある情報を浴びられるような構築にしています。

筆者のYouTubeホーム画面。音楽の動画、ビデオエッセイ、チュートリアル・Tips系、少し触っただけで今はやってないBlenderの動画、全くやりもしないUnrealEngine、3DCGや映像制作のHowTo動画、海外のビデオエッセイ、ビデオエッセイ、そしてビデオエッセイ…

ニュースはフィルタリングしているとはいえ、どうしても直面してしまうこともあります。

僕は映画の情報をフォローしてたりするのですが、昨今の邦画界の情報(セクハラ・パワハラ問題、MeTooムーブメント)には暗澹たる気持ちになります。

仕事や活動の中で他者と関わる可能性がある以上、誰しもが全く無関係な問題だとはいえません。

一介の映画好きとして、世界がより良い方向に変わっていくことを願っています。


あとがき

みなさん、映画音楽って本当に良いものですね。

僕はヒックとドラゴンの音楽が好きすぎて、先日オーケストラのフルスコアを購入しました。

しばらくはこれらを教科書にして音楽を勉強していきたいですね。

上記の四冊は Omni Music Publishing という正規の販売サイトで購入したのですが、円安の影響もあってべらぼうに高かったです。破産するかもしれません。

破産するかもしれない、といえば、最近はサブスクに登録しすぎて大変なことになっています。

AmazonPrime、Netflix、U-NEXT、Disney+、と映画系でも今かなり加入してしまっているので、なんとか元を取るために1ヶ月で最低20作は観るようにしています。(それでも全然観てない方だし元取れてないと思いますが)

また映画やドラマは映像制作の面でも勉強になって良いですね。

YouTubeでの映像制作は細々と続けていきますし、また次の動画も今作っているところですので今後とも着眼していただけたら嬉しいです。

もし10年ぐらい映像を続けて、将来何らかの短編映画なりドラマの一本でも撮れたら面白いかもしれませんね。

一緒にアカデミー賞を目指しましょう!(それは不可能)

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