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採用面接から学ぶユーザーヒアリング

「【ダメ面接官の10の習慣】「まず自己PRをお願いします」から始める面接は、なぜダメなのか?」という記事がありました。ユーザーヒアリングにも通じるところが多々あったので、ここで整理したいと思います。

「意見」ではなく「事実」を集めるアプローチ

記事では「(ダメ面接官は)候補者に『自分自身のことをどう分析しているか』と聞いてしまいます。しかし、その分析こそが面接官の仕事」とされています。

採用面接でよくある自己PRは、候補者自身の主観的イメージやこう見えて欲しいという願望ということもあるので、必ずしも正確ではありません。聞くこと自体は当然NGではないと私は考えますが、それを鵜呑みにすることは誤った判断に繋がりかねません。
そこで候補者の人となりを探るための質問をするわけですが、候補者の意見ではなく、候補者がこれまで何をやってきたかという事実を活用するのが有効です。

ユーザーヒアリングもまさにそうで、例えば「このサービスがあったら使ってみたいですか」といった意見を聞いて、仮に答えが「YES」でも、実際に使ってくれるかは全く分かりません。

それよりも、そのサービスで解決できる課題が会社レベルで議題に上がっているのかだったり、その課題解決に対して現状何をしているのか、といった、既にやっていること=事実を聞き出すことで、より客観的にサービスを使ってくれそうかを探ることができます。

採用面接と同様、事実からの分析で知りたいことにたどり着くのが、遠回りに見えてより確実なアプローチです。

なお、補足として、新サービスを何らかのかたちで既に有料で提供できる時は、「このサービスがあったら使ってみたいですか」という質問も有効になり得ます。これはまた別の機会に深掘ってみたいと思います。

「志望動機より選社基準」から学ぶサービス選定基準の探り方

同じ記事で、「選考フロー初期段階の面接では、志望動機よりも「選社基準」を聞くほうが有益な情報を得られる」という話もありました。

ユーザーヒアリングだと、相手がある程度興味を持ってくれると、どうしたら導入してくれるのか、何がボトルネックになりそうかなどが気になるかもしれません。

そんな時は、外部サービスの選定基準、実際に過去の外部サービスをどういう基準で選んだかだったり、稟議にまで上がった外部サービスが却下された理由などを聞くのが有効です。それが同じような課題を解決するためのサービスであれば、なお役立ちます。

これも、事実から分析していくアプローチです。

採用とユーザーヒアリングの類似性

会社で働くという行為に何か目的があるとしたら、会社で働く=その目的達成のために会社を利用することと捉えることもできます。
であれば、採用面接で話す相手は会社のユーザーとも言えるので、サービスのユーザーヒアリングとのアナロジーがあるのは自然なことかもしれません。

であれば、採用面接が磨かれるとユーザーヒアリングもうまくなり、その逆も然り、という波及効果が期待できます。
社内でどちらか一方で改善の取り組みがなされている場合は、その経験と示唆をもう一方でも活かせないか検討してみる価値は十分あります。

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