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あとあじ

昨夜はラビットロック2023年の見逃し配信を腹抱えて楽しんだ。

@tbs_loveit

8月27日よる6時からは『ラヴィット!ロック2023』 これまでラヴィット!を支えてくれた皆さまへ贈る大感謝音楽祭 感謝を伝える3時間 #ラヴィットロック2023 #ラヴィット #TBS

♬ Kagayakidashite Hashitteku - Sambomaster

特に野性爆弾くっきー!
の創造力・破壊力。

ドン・フライ何回も観て、何回も吹き出した。彼は天才だ。

さて、今日の本題に入ります。

ビジネス、特にカフェやレストランでは後味(あとあじ)が大事。
「あとあじ」「余韻」というと、ふわっとしてる。目に見えない。

マーケティングの鉄則は、何度も言うように、

見えないものは見えるものに
見えるものは見えないものに

力を入れる。形を与える。

ふわっとしてる「余韻」にどうやったら形を与えられるか。

それが、
リピートを促す仕組み
だ。

創業今年で61年目のピノッキオ(神戸三宮)はピザが売り。

以前本に書いた文章を再掲載するね。

 神戸に、小さなイタリアンレストランがある。小学生の頃、何かいいこと(飛び箱を一段高く飛べるようになったとか、25メートル泳げるようになったとか)があったら母に連れて行ってもらった。

 ここでピザをオーダーすると、創業以来の累計枚数をナンバリングした小さな三角形の紙が付いてくる(ちなみに、本原稿執筆時、ひさしぶりにお店へ行った。ぼくの注文したピザは累計123万3269枚目だった)。

 母と行ったときにもその紙があったのかどうか記憶にないが、いま、数字を見ると、その「足跡」の中の1枚だったことが感傷を呼ぶ。

 母だけではない。高校生のとき、ガールフレンドとぎごちないデートしたときも、この数字の中の1枚だった。

 母はすでに亡い。しかし、母はいまだにぼくの脳内で生き続けている。ガールフレンドも、いまはいいおばさんだろう。連絡などとれないが、しかし、ぼくの中ではポニーテールのまま、残っている。

 そのレストランが売っているのは、単なるフードではない。

顧客(ぼくのことだ)の中に生き続ける物語、記憶、思い出を、40年の時を超えて提供してくれている。

 そしてこれは、ぼくが死ぬまで、続く。
 ビジネスって、マーケティングって、何て素晴らしいのだろう。
 君がやっている仕事は、商品を売ることではない。
君という生身の人間が、生身の人間と対話し、互いの信頼を築き、物語を織り、人生の記憶をつくって、そして、思い出として互いに生き続ける。
 喜びだよ、感動する。愛がある。そして、楽しい。

阪本啓一『「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。』あとがき(2012年)

いま手元にあるのは、これ。本に書いたときより前のだね。ナンバリングが若い。

この他にも、「ふわっとした」余韻に形を与えるものとして、こんなのがあった。

たぶん、JR逗子駅前のモスでもらったものだから、いまから20年以上前だろう。なんでもらったのか忘れてる。忘れてるけれど、モスはお客さんと店のスタッフの間に、「温かなつながり」を大事にする伝統があった。

いまは消えてなくなってしまっているが、モスがモスである存在価値は、「温かなつながり」だと思う。決して、いま盛んにやっている「生産性向上」のための人員削減やオーダー時の無人化ではない。

余韻を、消してしまったら、そこから下りの坂道が始まる。そう思う。

*この記事をお読みいただいた、元・モスバーガーにおられた方から「お電話で注文いただいた折、お電話代としてお渡ししてました」と教えていただきました。
そうそう、そうでした!! いい風習でした。

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