見出し画像

「跳ね返らせるもの」デザインで、決まる

近所のコンビニが基本、セルフレジになってしまった。ヘンな話、棚から商品持ってきて、自分で精算し、店出ると万引したような気になるんだよ。しみじみ思う。人件費削減のためだろうけれど、それだけすごい給料(時給)払ってるんだろうか? もしそうでないのに人を減らさねばならないとすると、そもそものビジネスモデルが壊れてるんじゃないか? セルフレジ入れてるスーパーマーケットもそうだね。どうしてこうなってしまったんだろう。

ブランドには機能ゾーンとブランドゾーンがある。機能ゾーンというのは、たとえば傘とすれば、何回かの使用に耐える、雨が漏らない、自動で開くのか、手動か、何色か・・・といったもの。必要最低限のスペック。ブランドゾーンはストーリー、とんがった個性、誰がデザインしたか、どんな独自の素材を使っているか、評判度数など。

スクリーンショット 2021-11-07 9.35.20

機能ゾーンとブランドゾーンの合計した価値(バリュー)が価格になる。ところが現代日本の商いは、ほとんどが機能ゾーンオンリーになってる。アマゾンしかり、多くのネットショップしかり、コンビニ、ドラッグストア、スーパーマーケット、クリーニング店・・・・。そりゃ、安くなるよ。商品とお金の交換。

話を少し変えます。カフェを開店するとする。日本人はフェース・トゥ・フェースで面と向き合うより、トライアングル・コミュニケーションを好む。

カフェ開店時、当然、メニュー創りはとても重要な仕事だ。どんな美味しさをどんな価格で提供したいか。これだけでも楽しい課題だけど、でも、実はこれ、予選通過試験でしかない。いまの日本で「美味しい、でも安い」にみんな慣れきってる。コンビニのオリジナルスウィーツなんか、どうしてこんな価格でできるの? と思ってしまう。家や職場の近所にそのような「安くて、美味しい」があるのに、わざわざカフェに行く理由は。

それが、トライアングル・コミュニケーションだ。跳ね返らせて、話がはずみ、もっと仲良くなるため。楽しいひとときを味わうため。

画像2

「あの照明、素敵だね」「窓の外の緑がきれい」「天井高くて気持ちいいね」「このテーブル、一枚板から作ったんだって」・・・

このように、「何に跳ね返らせるか」をしっかり設計するこれこそが、カフェの収益を決める。

ディズニーランドやユニバーサルスタジオにカップルがなぜ行くか。楽しいコンテンツに二人の思いを跳ね返らせて、恋をさらに充実させたいからだ。

これからの店舗収益設計のキモは、「跳ね返らせるもの」デザインで、決まる。そしてそれが重要なブランド・ゾーンになる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?