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短期と長期をベストマッチさせる

帰宅し、玄関で「ただいまー」

音声認識でドアの鍵が開き、玄関ホール、廊下など次々光が灯る。

リビングルーム。「暖かくして」というとエアコンがつく。

ソファに座り、「映画観たいな」スクリーンになるエアーが壁に沿って立ち上がり、「今夜はどんな作品にしましょう?」と聞いてくる。

20年前、このアイデアを某大手家電メーカーのホームアプライアンス事業部にプレゼンテーションしたとき、担当者は「めっちゃいいですね! すぐにプロジェクト立ち上げを提案します!」と大感激だった。

結果。

「事業部を横断するプロジェクト」は何だかんだとイチャモンがついて、実現しなかった。

この話の中には少なくとも「玄関ドア」、「鍵」、「電灯」、「エアコン」、「ホームシアター」という5つの事業部が関係している。

それぞれの事業部は「電灯」「エアコン」・・・をたくさん売るために組織設計され、最適化している。事業横断は、「誰の実績になるのか」というひたすら現世的な課題を解決しなければならない。「エアコン事業部長はオレより年次が低い。当然オレの手柄にするべきである」なんてね。

そりゃ、話、まとまらんわ。

でね。一昔前であればこれでも良かったのかもしれない。

ある特定のテクノロジーがカバーするのはある特定の事業のみだったから。

エアコンのテクノロジーはエアコンだけのものだった。

でもね。

現在の競合を発生させているのは特定のテクノロジーではない。

新幹線のテクノロジーをいくら磨いても、電子会議室ZOOMは出てこない。

しかしこの2つの事業は競合している。

長期は短期の積み重ねではない

ぼくたちは短期的成果を上げるために日々がんばってる。

製品Aをもっと広めよう。製品Bをたくさん売ろう。すっごく具体だ。

しかし、ここで留意しなきゃいけないのは、「長期は短期の積み重ねではない」。短期を重ねていけば上げるべき長期的成果につながるのではない。

ちょうど同じ球技でもサッカーと野球がまるで違うスポーツであるのと同じくらい、短期と長期は別の種類なんだ。短期が具体であるのに対し、長期は抽象。

でね。

目の前の仕事に熱心であればあるほど、長期を忘れる。

しかし、現在の環境では、異業種格闘技で、思わぬところからやってきた競合にやられちゃうのが普通だ。

街の商店街の文具店は郊外のショッピングモールにやられたわけじゃない。

まだ、濃いお得意様とのやりとりで商いを回すことは可能だった。

息の根を止めたのはアマゾンだ。

これは個人のキャリアパス(長期)にも言える。

青春を犠牲にして受験勉強し、著名大学に合格、著名企業に就職できたとする(短期)。23歳。

しかし40歳になって会社の外に放り出されるとすればわずか17年間のための受験勉強、青春の犠牲なわけだ。

あと40年は自分で稼がなきゃいけない。

そのための技能、愛され方、人への開き方は多感な10代にこそ養われる。

冒頭に事例としてあげたホームアプライアンスのアイデア、いまやGoogleやAppleにやられてるよね?

「短期的成果を上げることが、長期的成果を損なうことになっていないか?」

これは常に自問しつづけたい問いだと思う。

では、どうすれば長期的成果に思いを馳せることができるか。

アートに触れることだと思ってる。

ぼくはだからずっとアートに触れようと意識してきた。

歌舞伎、ミュージカル、ライブ、美術館、自分でも音楽活動・・・

昨日はNiziUオーディションを見ながら自分でもダンスしてた。

おかげで腰、やってしまった。ぶひー。

アートは体力使う(笑)


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