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ゼノンくん、ちがう

ゼノンくんは考えた。

ゼノンくん近影

ある地点から目的地へ向かって歩き始める。

やがて目的地までの距離の半分地点を必ず通り過ぎる。

残りの距離を歩く。

やがて、残った距離の半分地点を通り過ぎる。

残り半分、さらに半分・・・といくらやっても無限に距離は残る。

たとえ小さくても。

ゼロにはならない。

無限だ。

無限の和は有限にならないから、永遠に目的地には到着しない。

これをゼノンのパラドックスという。

この話を聞いてた大阪のおばちゃん
「なんでやのん? ようわからんけど、歩いてたら、いつかは着くやろ。兄ちゃん何ややこしいこと、言うてるのん?」

そう。いつかは到着する。2キロ先にある場所なら、時速4キロで歩けば30分で到着。4キロ先なら1時間あれば着く。

なのにゼノンくんはなんでこんなややこしいことを。

彼の思考を図解すると、こうなる。

Newton『無とは何か』より

ただ、大阪のおばちゃんが言うように、現実的ではない。

歩きつづけたら、ぜったいに、着く。

ところが;
これらの思考はすべて正方形内で行われていて、決して外へ出ない。

それは思考のための思考であり、現実とは違うのだ。

なぜなら、時間と歩く速度という変数が無視されているから。

無限というのは有限の正方形内の分割ゲームの性質を指すだけであり、現実の距離は無視されている。

ゼノンくんの考えとは逆に、
無限の和は有限になるのである。

大きな会社がシステムきちっと作ると、ちょうどこの正方形のようになる。

会議は正方形内の分割ゲームの論議に終始し、外へは出ない。

だから気づいたら、実は目的地に到着しているのに「いつまでも終わらない」ということになりかねない。

これと同じく、人間の思考の哀しさ、ZOOMの四角く割られた画面で議論すると、四角くなる。話が。ゼノンくんになる。

「管理」とか「ちゃんとしよう」とかいうのは得てしてこの「ゼノンのパラドックス」化する。

以前も一度ここでお話したが、商いというのは次の3つのステップで成り立つ。

STEP1 受注につながる活動プロセス

STEP2 受注のそろばん勘定

   売上
-  変動費
 限界利益
-   固定費
 営業利益

STEP3 リピートにつながる活動プロセス

STEP2をどーのこーの言いたくなりがちだ。
言えるから。語れるから。言いやすいから。語りやすいから。

でも、これって、会社の組織内つまりゼノンのパラドックスでいう正方形内の話に過ぎない。

現代の商いには3つのキャピタル(資本)が必要。
マネー・キャピタル → ゼノンのパラドックスの正方形内の話

ソーシャル・キャピタル → 会社やブランドの評判

ラブ・キャピタル 売る側と買う側が感情的絆を形成し、お互い「スキスキー!!」交わし合うことで得られる。

カンパニー(ブランド)のサクセスは、カスタマーサクセスがあって始めて成立する。両者の周波数がぴたりとチューニングされ、具現化する。現実として出現する。

この、ラブ・キャピタル形成・蓄積のためのチューニングこそがSTEP1と3の活動であり、最重要課題。

人が人に対してやる営みが商い。

だから正方形を半分に、さらにその半分に、さらに半分に・・・
という無限の遊びなんてやってても、あかんのです(笑)

体温を、ぬくもりを、商いに流す。
それが必要と思います。

スキスキ! についてはこちらもご参考に。

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