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簡素・簡潔、無駄なスペース

朝からガツン、ときた。

愛するリーガロイヤルホテルがカナダ系投資会社に売却された。

インターコンチネンタルホテルと組み、そっちからのお客さんも期待するらしい。

自宅近所、歩いて行ける。ゆったりステイ、プールで泳ぐことを楽しみにしているホテルだ。

以前は目の前のマンションに住んでいた。昔からなじみがある。

日本のビジネス始め、ホテルは特に、アメリカンな経営思想を咀嚼する姿勢が強い。日本人の美意識「簡素・簡潔」を良しとはしない。無駄な空間を許さない。

そこにあるのは「効率」だけである。

アメリカンなホテルブランドに行くと、「効率」に疲れる。インターコンチもコンラッドも何度か行ったが、疲れた。

同じく贔屓にしていたウェスティン都ホテル京都、全面改装して、「無駄なスペース」がなくなり、疲れた。南禅寺がそばにあり、風情ある「無駄」だったのだが。

名古屋で常宿にしている(昨日までステイしていた)名古屋観光ホテルは興和が所有直営している。お金持ちの製薬会社だから(ぼくの愛用するマスクはコーワのものだ)、余裕ある。キャッスルホテルを全面改装しているが、そこで営業していたレストランやスタッフはそのまま観光ホテルで受け入れた。おかげで観光ホテルのレストランの質が上がった。

流行病など、ホテル経営は厳しい。リーガロイヤルホテルもヘトヘトだったのだと思う。

愛する無駄が、きっとなくなる。世界でも類を見ないであろう広々としたプールエリア。真っ先に「お金を生む空間」として何かに変わるのだろう。
一階奥のメインラウンジ。無駄に広いスペースがある。天井が高く、空間を楽しんだ。
ここも手が加わる。

上の記事に登場するポッキーやプレミアムポッキー諸氏の居場所がなくなるんじゃないか?

歴史を誇るリーチバー。どうなるのだろう。

いまぼくが取り組んでいるのは、「アメリカンな効率思想を捨てる」経営だ。

「でも、資本主義に生きる以上、それはあくまで理想論じゃないですか?」

と返されることもしばしば。

だけど、それで幸せですか?
楽しいですか?

ぼくはあくまで、日本人の美意識「簡素・簡潔」「無駄なスペース」にこだわりたい。

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