見出し画像

知足

アメックスから手紙。

「急な」「早急に」「早めに」いずれも健康的なビジネスをやっている限り、出てこないワードだ。

アメックスユーザーは、あの高額な年会費を支払うだけの人たちであり、言い換えれば「急な」「早急に」「早めに」資金が必要なシーンにならないように健康的な経営をしている人たちである。

つまり、この広告は、全く的を外していることになる。ムダな経費であり、ユーザーのぼくからすれば、「オレの大事な年会費と手数料を、なんというムダ遣いしてくれてんねん(怒)」である(笑)速攻、ゴミ箱だ。

さて。

『エコノミスト』がこんな特集をしている。

90年代はグローバリズムの時代だった。国境を超えて生産し、販売する。ボーダレス・ワールド。1990年に出版された大前研一さんのこの本はぼくにとって憧れだった。当時、広島勤務で、広い世界が輝いていた。

『エコノミスト』誌によれば、グローバリズムのおかげで世界の貧困は減り、収入も増えた。

ところがここに来て、各国が「Homeland economy」つまり、鎖国経済になりつつあるという。コロナによる物流の分断、戦争による各国の思惑の不透明感、中国と米国の関係などが影響している。

結論からいえば、「鎖国経済、良くないんじゃないですか?」と言いたいようだが、ぼくの意見は逆だ。

日本は昔から四方を海に囲まれた島国。
幕末に開国するまで、それで十分足りてた。
明治になり、開国し、欧米に追いつけ追い越せとばかりに洋風化した。

朝ドラ『あさが来た』の中で、建築家であり、メンソレータムを広く日本に広めたウィリアム・メレル・ヴォーリズらしき人物が登場する。時は明治30年ごろ。

「もったいない。たったこの30年で、日本は古き良きものを無くしてしまった」

ヴォーリズは日本の建築、風土、気候を愛した。理解していた。近江八幡市に、彼へ花束を捧げる少女像がある。

右にヴォーリズがいます

ヴォーリズの建築は美しい。

美しいんです

近江八幡市内の他の建築の風情を壊さない。

いまこれを書いているのは大阪市中央区だが、窓を締め切っていてもドリルの音や何か、建築の騒音で満たされている。

建築というのは、美を生み出して欲しい。
足りないから、補う
というのは、なんか違う。西洋風発想だ。

話をHomeland economy、鎖国経済に戻すと、欧米人は、いつも自分の住んでいる場所に足りなさを感じ、近所を攻めて領土奪ったりいろいろしてきた。戦争ばかりやってる。

そして「新大陸」へ引っ越しし、そこに住むネイティブたちを殺傷した。

大英博物館なんてのは、よそから奪ったものが展示されているだけの話だ。

「アメリカ大陸を発見」なんていうのは本当に傲慢で、この本読むと、「コロンブス以前」既に立派な文明と分化がアメリカ大陸には存在していたことがわかる。

知足。
足るを知る。

島国の日本は、長くこの哲学で暮らしてきた。結果どうなったか。識字率が高く、子どもたちはいつも笑顔で元気な社会が生まれた。

幕末、明治に日本を訪れた外国人の素直な感動が、わかります。

ぼくが知足を教えてもらったのは、植物から。

左は「ふくちゃん」と言って、うちに来てもう20年になる。
枝が長く伸びすぎたりしたので、切って、別の容器(マグカップ)に移した。それが右のベイビー。ベイビーのマグカップには、水しか入ってない。

この10年、水だけで、ベイビーはすくすく育って、さらに大きく枝を増やしている。

つまり、ベイビーは、「水だけ」で知足している。

足るを知る。教えられました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?