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いまのムダ遣い

「熱いストーブに1分間手を置くと1時間に感じ、きれいな女性と一緒にいると1時間が1分のように感じる」アインシュタインの言葉というが、出典がないため伝説かもしれない。でも、時間の本質を言い当ててる。いわゆる物理的存在として時間は存在しない、というのは物理学、特に昨今ではループ量子重力理論で証明されている。

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『千と千尋の神隠し』油屋への太鼓橋。太鼓橋というのは古来「こっちの世」と「あっちの世=聖域、神域」を分ける意味がある(中国由来の考え方らしい)。

橋を渡った先の世界では、時間が1/10の速度で流れる。だから、油屋で過ごした時間が4日とすれば、「現世」では40日経っている。これは夢の世界と現実との違いに似ている。ぼくたちは平気で8時間寝る。起きてる8時間は長いよね。

今朝、ワンちゃんを散歩させてるぼくと同世代の男性がいた。リタイア組ではなく、たぶん、今日は会社休みなんだろう。まだ現役の空気があったから。とってもかわいいワンちゃんなんだけど、彼は散歩させながら、目は手元のスマホばかり見てる。信号待ちの間だけなのかと思ったら、違った。歩きスマホで片方の手はワンちゃんのリード持ってる。

なんともったない「いまのムダ遣い」

2021年4月19日7:45amの「いま」「この瞬間」の浪費だ。スマホの先に何があるのかしらないが、目の前にいてしっぽをふってるワンちゃんと過ごす「いま」をどうして楽しめないんだろう。風、空気、光、春の香り・・・

彼は言うかもしれない。

「いやいやあなたそうおっしゃいますが、毎日となると、飽きるんですよ」

飽きる、あきないの話ではない。「いまのムダ遣い」の話だ。

「だからこうして、犬の散歩とスマホからの情報収集やってて、むしろ、いまを最大限活かしていると思いますが」

それこそがコロナ前の経済優先、生産性最優先思考であり、地球を壊したもの、幸せ感を薄めた元凶なんだ。

ガラス張りで外から中が見えるレストラン。向かい合って座り、互いにスマホ見てるカップルがいた。ぼくはそれだけでこの店には行かない、と決めた。店は客が決める。客が作る。

時間は存在しない。でも、「いま」「この瞬間」ぼくたちは生きている。生きている喜びは、スマホの向こうには、ない。いまここにしか、ない。

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昨日夕方、ふと窓を見たら、虹がかかってた。雷鳴りつつ、虹。晴れてない。雨でもない。雷。でも、虹。なんか、幸せでした。

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