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こんばんは、黒い過去です。

入社式当日、、、

今となっては一生着ることの無いであろうリクルートスーツを身にまとい、
「帝国ホテル」へと歩いて向かった。
東京の地図の見方も分からず、土地勘も全くなかったので、
前を歩いている「同じ目的のような人」の後をつけて行ったような記憶が今でもある。

ホテル近くまで行くと、同じようなスーツをきた人が
これでもかというくらい歩いていた。
まさに【大企業】を象徴する風景であった。

私の時代のこの会社は、それはまさに「成長期」としか
言いようがないくらいの勢いがあり、メディアにもちょこちょこ
出ているくらいの企業でした。

私がこの会社を就職先に選んだ理由、、、
もともと、学生の頃は飲食店でアルバイトを幾つかしていた為か、
接客業は嫌いではなかったのと、この頃から忙しい事が好きだった。
人と話すのはすごく苦手ではあったが、、

入社式会場入りし、指定のエリアの席に座る。
このエリアは、かつて研修を共にした九州店舗で研修をした
新卒社員の集まりだった。

入社前、半年ほどそれぞれ希望した店舗でのアルバイト研修をしており、
そこで入社まで出来る限り経験を積んでいた。
この時の会話は「この時のお客様がさぁ~」「キッチン忙しくて全然さばけないよ~」
「おれ一回時間帯責任者まで任せられてさぁ」など、
個々が今の現状の自慢話を繰り広げる場、この時期に集まるとお決まりの会話。。


入社式が開始。
全員が一斉に起立。まるで軍隊だ、、
集まった人数は360名。。
全国の新卒社員が集まり、異様な空気感を醸し出していた。

世のニュースなどでも飲食業界は色々と出来事が絶えない。
この世代はまさにその絶頂期ではないだろうか??
「この中から何人が生き残るやら・・・」
隣にいた同期がふと話してきた。
聞くところによると、この入社式までの間の研修で、
既に数十人がリタイアしているという話、、、

確かに研修の頃はきつい事もあったが、そんな辞めるほどのことなのか・・・
私はそんな気持ちだった。

気付けば社長が登壇。
すごいオーラだった。。
企業のトップの象徴だった。
私はこんな人間になれるのだろうか。。
思ってもいない事をひたすら考えたが、なにもまとまらなかった。。

入社式が終わり、
そのまま配属店舗の近くのウィークリーマンションへ。
これからの住む家となる。
ウィークリーマンションには同じ店舗配属となる私を合わせて4人が
住むことになっていた。
私以外の3人はみんな大卒からの就職ということで
みんな年上だった。しかし、みんな話しやすく、
その点はとても恵まれているなと思った。

「明日、店舗へ挨拶に行こう」
マンションは日暮里、店舗はその隣駅の「西日暮里」。
歩くと15分くらいの距離だ。
地元にいる頃、配属先が決まった時にその時の店長に話したら
「西日暮里かぁ。あそこは大きい店だよ。忙しいね」
そういわれたのを覚えていた。
まあ、忙しいといっても地元の店舗である程度は
経験したから何とかなるさ、、、
そんな軽い気持ちでいた、、この後、そう、ここから
地獄の始まりが刻々と近づいているのなんて、
この時は考えもしなかった。。

西日暮里店へと4人で向かい、店長と話す。
「明日はゆっくり休んで。そこからはゆっくりしている時間なんてないよ、、、」

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