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記事一覧

『瞬き』

更新自体が久しぶりになってしまいました。 意欲が枯渇していますね!笑 加えてリアルもなんだか停滞気味、気分が落ち着かないけどなんとか必死で生きている・・・そんな感じ。 自分のために、何かこう、もっと内側から外へ外へ言葉にしていきたいんだけど最近は、年齢のせいか脳も年老いたのを実感。 昔ほど、考える力がなくなっていかんなぁって思うところです。 何かしなきゃいけない、ということも後回しにしがちな実生活。 例えば片付かない、食卓の上の雑多なガラクタを片付けるとか。 したいことを

同じ街の、同じ空の下で。

一緒にいると何故だか知らないけど、無条件でパァッと視界が明るくなるような気がする人がいる。 そういう人っていうのは無意識にポジティブな感覚で普段から生活していて、逆に普段からマイナス思考で生きている僕にとっては真逆の性質の人で、とても羨ましくなる。 下品な言い方をすると”アゲマン”とか”サゲマン”とかいう言葉で表現されるように、でも本当にそう、そういう人といるとまるで引き寄せられるように、前向きな感覚を持てるような気持ちになってくる。 僕が10年前、4年くらいの間一緒に過ご

『星空の夜』

生きていくことって、自分自身との一生の付き合いで その自分と付き合うのだけでも一苦労なのに 周りにたくさんの人がいて 傷ついて、時には傷つけて 思いも寄らない悲しいことや 逆に嬉しいことに巡り合ったりする 僕は気がつけば自分のゲイというセクシャリティを 生活のどこかで受け入れて寄り添って生きていくことを受け入れたけど 心のどこかでは「ゲイじゃなかったら」の人生を思い描いたりする きっとこの広い世界のどこかでは 僕が出来たその自分を受け入れることが出来ずに 今ももがき苦しん

『ダンスフロア』

ダンスフロア。 人影はまだまばらだ。 角のテーブルで瓶を手に揺れる若い奴ら。 盛り上がるのはもっと遅い時間だ。 客が増えてフロアをひしめく男女。 ブロンドの外国人も多く国際色豊かだ。 その人波の奥に君の姿を見つけたけど、 声をかけなかった。 思い思いがそれぞれに 好きなようにやれば。 誰かが傷ついて、 片方は知らん顔。 それが世の常、人の常。 君の姿を、 本当は見つけたけど 声をかけなかった、 それで良かった、と言い聞かせた。 ある日道端を歩いていると 洒落たカフェが

『蟹座の溺れかけた町』

ある春の終わり、3年と少しの時間を一緒に過ごした彼と別れを決めた僕は、勤めていた映画館で知り合い、長い年月付き合いを続けることになった女友達の引っ越した、京都へ遊びに行った。その帰りのバスの中で、ぼんやりと外の景色を眺めながら、彼のことを考えていた。 そのおよそ一年前、半ば突発的にある人の死で背負うことになった悲しみに折り合いをどうつけて良いのかわからず、少しずつ変わってしまったふたりの空気。自分以上に彼の方がつらさは大きかったはずなのに、繋いでいたはずの手を手放したのは僕か

『虹のむこうに』

2006〜2007年頃の作。 思えば、結局こんなふうに大事にしていた人とも 離れ離れになってしまって、時間が経った。 一緒にいる人は変わってもその人のことを、 忘れるわけじゃないし、変わらずに大切に思う。 そんな人が増えていくってことを 悲しいことや寂しいことだとせずに、 嬉しいことなんだって思えるようになれたら、 またひとつ、素敵な出会いがそこにあったんだって 受け入れていけるんだなって今だからこそ言い切れる。 ずっと一緒にいたいと思うのは、素晴らしいこと。 でも、ずっ

『僕が君にできたこと』

出来ることは全部、 やったつもりでいた。 嘘も我が儘も聞いてきたんだ。 知らない振りだってしたし。 待ち合わせも、時間なんていくらでも待てた。 誓いは叶わずに ふたりは離れた。 悪戯に「もう、ダメだね」と よく言ってたけど... 問い質す言葉に 意味を求めたってきっと 仕方がないから ただ「そうかもね」って。 君の見ていた夢を嘲笑う、 すべてのものから守りたかった。 その輝きが好きだった、 住み慣れた街を捨てるのも 怖くない程に。 乗り越した駅で、居場所なんかないのに。

『ひとり遊び』

おはようございます。今日は、仕事前に少しゆっくりできる朝なので神田の某コーヒーショップより。記事を更新しておかないと、自分のモチベーションも維持できないかな、と思いつつ何かしら残しておこうと思いまして。 とは言え日々徒然思う心の声を日記として、汲み取る作業にするととんでもなく時間費やすので、さらっとね。 詞的なものをnote記事に残してはいたものの、そのすべてがほとんど長い年月遡って残っていたものの遺物だったので、近年あまり創作物を残していなかった欲をなんとか振り絞って書

『Walk』

自分の心の奥のオクのことは、 わかっているようで意外とわかっていない。 想っていることを言葉に表現するのは、 「感じたこと」をありのまま伝達することとは、 そんなの簡単だよ、と思いながらとても難しかったりする。 言葉やカタチにしてしてみようとすればする程、 思っていたものとは違うものになってしまったり。 そんな時、すこし言葉の使い方とかを間違えて 思ったように伝わらなくて・・・ すれ違ったり、 罵りあったり。 それでも、諦めないで そばにいてくれる そんな家族や、友達や

『アルバム』

思い出は心のなかできらきらと。 辛かった出来事ももちろんたくさん。 今でもまだ笑えない失敗や後悔を、あなたが笑ってくれたこと。 僕に、笑ってと言ってくれたこと。 季節は今、夏だけれど、 僕の心にそっと寄り添ってくれたあなたがいたあの冬を、 今、なんとなく思い出すよ。 苦しかった思い出も、 悲しかった出来事も。 みんなみんな、心のアルバムに飾っていこうって。 *** 冬が来て寒くなった。 空もどこか、切なげだ。 でも、となりにいる君は 何気なく、焼き芋を食べてる。 ほかほ

『with you』

家で過ごす時間が長くて、今までどう家で過ごしてきたかなって振り返ると僕はほとんど、誰かと一緒に暮らしてきたことに気づいた。 付き合ってきた恋人や、上京生活から戻ってしばらくまた同居した家族。ひとりで暮らした時間なんて、ほんとはこれっぽっちしかなかったんじゃないかと思うくらい、「家」という場所ではほとんど誰かと過ごしてきた。 今だってそう。一緒に住んでいる同じ年の彼氏がいて、家事はほとんど任せっきりで何でもかんでもやってくれちゃう。そんな何もしない僕に文句を言いながらも、結

『クレセント』

それはある夜のこと。 年下の彼氏との別れを受け入れて、独り身にも慣れた頃のこと。 3年くらい一緒に住んでいたのは、大通りの交差点のすぐそばのマンション。多分道路向かいのコンビニにでも行こうと家を出て、信号待ちで立ち止まった。 見上げた夜空にふんわりと浮かんでいた三日月が、まるで情事の最中に肌に掻きつけた爪あとのようで、どうしようもなく切なくて、どうしようもなく美しかったんだ。 *** そっと見上げた夜空に浮かぶ三日月 君が背中に残した 爪痕のように ひどく曖昧で 今

『帰り道』

言葉には託しきれない想い 君の目を真っ直ぐ見つめて届けたいよ。 受け止めてくれるかな。 世の中が認めない事でさえも ふたりなら変えていけると思っていた。 若さ故の '願い'だ。 君と走る、夕日に染まった帰りの坂道 明日もまた同じように会えると信じた。 それが当たり前だと疑う事もなく 眠りについて終わる一日。 透明な壁に阻まれた 群れと 虚飾だけ蔓延る 狭苦しい教室。 二つ先の席の君、 届かない距離に この手を伸ばして 触れられない、掴めない君の白い袖先。 目覚めた朝、

『デュエット』

ある過去の恋愛に書いたもの。 当時どうしても一緒にいたいけど、どうしても一緒にいられない、それは距離の問題とか心のすれ違いとかで時間をかけないと埋めることができなかったもののために諦めた恋愛だった。 今となっては、その時の相手と再会して心の確執のようなものは軽くはなったんだけど、別れを決意した時にはどうしてもその後の未来にその相手がまだ恋人として、となりにいることは想像することができなかった。 先へ先へと時間は前にしか進んでいかない中で、心の中では逆行してその場に留まりたく