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『帰り道』

言葉には託しきれない想い
君の目を真っ直ぐ見つめて届けたいよ。
受け止めてくれるかな。

世の中が認めない事でさえも
ふたりなら変えていけると思っていた。
若さ故の '願い'だ。

君と走る、夕日に染まった帰りの坂道
明日もまた同じように会えると信じた。
それが当たり前だと疑う事もなく
眠りについて終わる一日。

透明な壁に阻まれた 群れと
虚飾だけ蔓延る 狭苦しい教室。
二つ先の席の君、

届かない距離に この手を伸ばして
触れられない、掴めない君の白い袖先。
目覚めた朝、気づいた。

僕にはきっと'友達'以上に君が大事で
大事すぎて、どうしようもなくただ持て余して
認めざるを得ない程 君の事が好き。
それだけはただ 確実なんだ、って。

伝えたい想いが言えないまま
大人になるしかなかった日々
未だに不器用なままだけど
今なら上手く言える気がして

少しは上手く言える気がして。

ほどけた靴紐結ぶ一瞬さえも、
1秒でも早く会いたかった。
駆け巡る季節と共に抱いた
未来には、君もいた。

"終わらない時間があるとしたら
  神さまどうか それは、今がいい"
僕らは限りある時の中で
それを生きて、それでいっぱいだった。

伝えたい想いが言えないまま
大人になるしかなかったあの日、
未だに不器用な僕だけど
今は言える、ちゃんと言える。君が好き。

そばにいたい。君といたい。君といたい。

ほどけた靴紐結ぶ一瞬さえも、
1秒でも早く会いたかった。
駆け巡る季節に憧れた未来は、
今も胸をくすぐる。

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