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9月入学は、構造改革論者の戯言

新型コロナウイルスの蔓延により、学校が休校措置を取っている影響から、従来の4月入学から、9月入学に変えようという声をよく耳にしはじめた。

この声は、知事会等からプッシュされ、大手マスコミもこぞって取り上げている。

固有名詞を上げるならば、小池氏や、吉村氏などが上げられる。

彼らの言い分は、こうだ。

①世界(国際)水準に合わせるべき。
②グローバル化の波に乗るときが来た。
③こういう時こそ、抜本的改革(構造改革)だ!
=ピンチをチャンスに!!

皆さんは、これを聞いてどう思っただろう?

率直に、私は約10年前の、TPP推進論者の戯言を思い出した。

あの当時も、
「グローバル化の波に乗り遅れるな!」
「今こそ、抜本的改革!」
「中国包囲網だ!」

という、いわば雰囲気だけでTPPを推進しているものが多かったわけだが、まさに今回の「9月入学改革」はそうである。

まず、9月入学のメリットだが、彼らが言うのは、
「世界水準だから。」
「留学するときにも楽になる。」
位であろう。

そもそも、世界水準とは言うが、本当に日本だけが取り残されているのだろうか。

世界の入学月を見てみよう。

アメリカ 7月
シンガポール 1月
オーストラリア 2月
ニュージーランド 2月
イギリス 9月
中国 9月
インド 4

          *小中高において

世界水準とは何なのだろうか?笑

一体、彼らの言う世界とは何を指しているのか。笑

また、「グローバル化の波に乗る!」という、セリフに対しても、これまで何度も述べてきてはいるので、本来割愛したいが、あえて触れておこう。

そもそも、この状況下で、グローバル化がすすめられると本当に思っているのだろうか?

今回の、新型コロナウイルス蔓延は、まさしくグローバル化を止める大きな機会となることは間違いないわけであるし、コロナ以前から、グローバル化の波は、止まりかけていた。

それが、トランプ大統領の出現や、ポリス・ジョンソン首相の誕生。
そして、イギリスのEU離脱である。

ロシアや中国などは、言うまでもない。

元々、グローバル化には限界が来ていたのだ。

そして、今回の新型コロナの影響により、より保護主義的な、社会主義的な国家が増えることは間違いないし、実際既にそうなりかけている。

むしろ、日本はグローバル化の波に乗る必要は無く、さっさと保護主義的な国家化の波に乗るべきなのだ。
それこそ、彼らの大好きな世界水準なのではないだろうか?

「抜本的改革を!ピンチをチャンスに!」に関しては、触れることすら面倒くさいが、そもそも、9月に終息するかも分からないのに何を言ってるんだということ。

また、メリット・デメリットをしっかり議論し、検証等すべき大切な問題なのに、勢いに任せて、「今こそ構造改革!」というのは、まさにこの30年間日本を壊し続けてきた、新自由主義的発想である。

誰かを標的にし、改革!と称した改悪を行い、それによって世の中が悪くなると、また、誰かを標的にし、改悪を行っていく。

この無限地獄に陥っていることに、政治家はいい加減気づくべきである。

勢いに任せて、議論をせず突き進む者には注視する必要がある。

それが、誰なのか?

メディアを鵜呑みにするのではなく、

しっかりと見定めていくべきである。

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