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メタ認知の練習に最適な「転んでもただでは起きない」の具体的な活用法

「転んでもただでは起きない」


という日本語があります。

転ぶという失敗を次へのチャンスにしようというする姿勢。

ただを無料と読み解くか、何事もない状態と読解するかで意味は変わってきますが、長い人生において失敗は誰においても不可分であるという点から、これはとても重要な姿勢であり、コンセプトであり、スローガンだなと思います。

とはいえ、言うのは簡単ですが、実際に転んだ時には、何らかの身体的、心的にも何らかのダメージや落ち込みが生まれるため、行うのは全く簡単ではないなとも思います。

ただでは起きないようにするためには、失敗を次へと繋げるための視点の切り替えが必要不可欠です。つまり「メタ認知が強制的にもたらされる」とも表現できるでしょう。

転ぶたびにただでは起きないようにする訓練は、メタ認知やリフレーミングにとって最高の機会である上に、そこで失敗を次に活かせるかで、人生は大きく変わりうるわけですから、これを逃す手はありません。

先日、子育て真っ只中の友人に「これからの時代の子供の教育に必要なものはなんだと思いますか?」と聞かれた時に、「転んでもただでは起きない」の話はしなかったのですが、時を戻せるなら、先日答えたものに加えて「もう1つあって」とこれを加えたいなと、これを書きながらそんな思いました。

客観的にみて、自国の言葉にこんなことわざがある日本はいい国だなと思いましたし、我が家の家訓に入れたいレベルのいい言葉だなと思いました笑

あなたのおすすめの転んでもただでは起きない方法はなんですか?


上記の問いは、その人の粘り強さ、レジリエンスを見てとろうとした時には、面白い良い問いになるなと思います。

たとえば、採用段階でも使えるかもしれません。

このような問いかけをして、それに対して、どんな答えが出てくるかで、その人の今後の活躍のイメージや、執念の強さが見えてくるという考え方です。

ちなみに私がお勧めしたいタダでは起きない方法その1が以下になります。

転んだらしめしめと思い、ウェブに書き散らす


失敗したら、自分で抱え込まずに、いっそのこと、ウェブに書き散らしてしまうというものです。

例えば、ここ最近の私の強烈な失敗体験で言うと、「75歳までに支払う形で住宅ローンを組んで軽井沢に買った家が、サマーコテージだったため、冬が寒すぎて、生死の危機を感じるレベル」というものがありました。

冬の軽井沢、前々からいろいろな人から寒い寒いとは聞いていましたが、まさかこれほどまでとは思っていませんでした苦笑

普通に室内の温度がマイナスになっていきます。私、大学が北海道だったこともあり、札幌で4年ほど生活をしていました。若干の自信があったわけですが、いとも簡単にその鼻っ柱をへし折られました笑

先日、札幌や釧路に行った時に、大学時代の友人にも話をしましたが、みんな口を揃えて「長年北海道で生活をしているがそんなことは経験したことがない」と言っていました。

さすが北海道、家の断熱性能が違うようです。あとは、ストーブを使わないと生きていけないということでストーブの設備や使い方も違っているのかもしれません。

とりあえず、私は、まずは断熱が大事なんだなと、今から断熱の工事をするべく業者さんに見積もりをとりました。

その結果、なんなら別の場所にもう1件、中古の格安物件が買えそうなくらいの金額が届きました。。。

この時点で、家を売り払うという選択肢や、諦めて寒さを我慢するという手もあったのかもしれませんが、なんだかんだでこの家が気に入っているのも事実です。

また、この家を買うまでにも膨大な時間をかけてのリサーチや手続きがあったことから、今からこの家以外に住むと言うのはだいぶ気持ちがのりません。

家を買いましたと高らかにウェブに書いてしまった手前、黙って冬の寒さを我慢するという手もなくはなかったのですが。

せっかくだからとこの失敗体験をフェイスブックに書き散らすというのをやってみました。

こんなイメージです。

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ここら辺の投稿、多くの方がコメントをつけてくれていてそれはそれでとっても嬉しい上に、直接あった時に

『「あの冬の凍ってしまってやばい系」の投稿、面白いですよねー。感心しますし、もうとても興味深く読ませてもらました。』

というコメントをいただけることが多いです。

ふだん、私の投稿につくいいねの欄には表示されないような方からもいただくので、このシリーズの投稿、こんなに読んでくれているんだなというのにも驚きました。

これに成功体験を得た私は、味をしめて、失敗したことがあった場合は、
「これはうまく見せることができれば、きっと次の機会に繋がるのではないか」というイメージを得ることができるようになりました。


しめしめと思うまでの考え方


もちろん、失敗した直後は落ち込みます。それなりのお金がなくなっているケースも少なくないですから、「このお金があったら◯◯ができたのに」とグルグルします。

ただ、そんななくなったお金の換算の仕方を考えても、それが得られるわけもなく。

冷静になって考えてみれば、この失敗体験についてうじうじ考えるほどに、お金だけでなく、さらに時間も失われていくわけです。

その時間を前向きに使うことができれば、もしかしたら何らかの次のお金が稼げていく可能性もありますし、お金が稼げなくとも、幸せを感じる時間が増えていくかもしれません。

いわば、失敗したものについてあれこれと悩むというのは、次のプラスを増やす時間を捨てて、さらにマイナスを生み出しているともいえます。

とするのであれば、失敗した段階からできることというのは、いかにこのマイナス体験を大きなプラスへと変換するかに意識を向けることしかありません。

ということで、しばらく落ち込み、ぐるぐるとし、一定反省しきったら、あとはこれをどう編集して次の価値へと変換するか、私の先ほどの例で言えば、どのように伝えれば、人に楽しんでもらえるだろうか、次に繋げられるだろうかという問いへとシフトさせていきます。

しめしめという表現で言えば、最初からしめしめとは全く思えないのですが、2日くらいいろいろな観点からこの失敗を見つめていくと、どこかのタイミングで良い形のイメージが湧いてきます。

それが得られるとしめしめという気持ちになっていくという形です。


最近の転んだ体験について


というのを前提として、最近もまたけっこう大々的に転んだという体験がありました。

それは、「地域循環とビジネスの学校」というタイトルで新たに始めたスタディツアーの集客がうまくいかず、想定していた最少催行人数にとどかなかったというものです泣

https://note.com/kizukikumitate/n/n8ec300384980

上記の記事にもまとめたように、北軽井沢を舞台に、ビジネスとしての成功だけでなく、自然の循環や地域の活動の循環など、さまざまな領域で成果を上げているきたもっくさんの活動の話を身体で感じられるという、こんなに素晴らしい機会はそうそうないと思うのですが。

やはり実際にお金を払い、日程を調整してきてもらうというのは簡単なことではないことが改めて強く感じられました。


考えてみれば反省点はいろいろとあります。もっと集客に向けて、企画を練る段階でも集客をする段階でもできたことはたくさん浮かんできます。

反省は反省で次回に向けてするわけですが、とりあえず、今回のこの日程をどうするかを決めなければいけません。

施設を借りるのにもそれなりのお金がかかっていますし、準備にも時間をかけてきた中で、これで実施ができないというのはいろいろと悲しいものがありますし、当初依頼していた方々にも申し訳ない気持ちになります。。。

私と一緒に取り組もうとしている那須さんとで二人で、どうしたものかといろいろと考えました。

結局どうしたのか?


その結果、この施設を使える機会は流してしまってはもったいないという観点から、改めて取材と今後に向けての作戦会議の時間にしようということになりました。

というのも、これだけ素晴らしい実践があるにも関わらず、うまく集客できなかったのは、我々に必要な知性や行動が足りなかったのとともに、まだまだこの場所の魅力を伝えるだけのコンテンツを用意できていないというのもあるだろうと考えたからです。

結局、この20人程度の方々を想定した施設を二人で使い、我々自身もTAKIVIVAの価値に触れながら、考えるべきことについてさらに深く考えるのとともに、動画やウェブのコンテンツを書くための素材を集めていこうという判断を取りました。

この素敵な会場をたった二人で活用させてもらいました


結果的に、この判断は大成功だったのではないかと思います。

もともとプログラムで想定していたきたもっくの経営の中心にいる土屋さんに構想と現場の様子を直接、紹介していただくことで、ウェブ上で紹介されている情報を超えて、さらに深い話をたっぷりと聞かせていただくことができました。

広いスペースで、土屋さんに聞かせてもらっている時の様子
森の循環において欠かせない存在であるミツバチの力をさらに価値化しようと取り組んでいるハチミツ事業について聞かせてもらっている時の様子
きたもっくの事業の1つの柱、木材から薪を作るための工場の様子

詳しい内容はまた次回のエントリーでかけたらと思いますが、濃密な情報を浴びた後は、焚き火を眺めながら、この場所で行われている活動というのは果たしてなんなのか、ここでの実践をどう今の時代の多くの企業経営へと展開しうるのかというテーマで対話をしてきました。

これだけでもそれはもう充実した時間でした。

最終的には、きたもっくの経営者である福島さんからも直接、2時間を超える時間をいただき、きたもっくのこれまでとこれからについてお話をきかせていただくことができました。

真ん中が福島社長です

福島さんの話も、ウェブでは読んでいて、もっと聞きたいと思っていた中で、今回、偶然にもこのような機会をいただくことができ、本当に幸運だったなと思います。

めちゃくちゃ勉強になったので、私が学ぶことができたことはまた別途書きたいと思います。

1つだけ今回の私の失敗と重なっている点があったなと思うので、それだけ書きますと、きたもっくの活動は、失敗の連続であり、それを克服していく挑戦の連続であるということです。

今でこそ、グッドデザイン賞を受賞するほどになったきたもっくですが、最初は、何もない原っぱに木を植えるところから始めたのでそうです。

以下、今回、福島社長から聞かせていただいた、失敗と挑戦のストーリーです。

まずは、原っぱに木を受けようと考えました。その際、植えても植えても、全然、木が定着しないということが起こりました。
長い時間をかけて、自分の手で数千本の木を植えたわけですが、1、2年は定着しても、結局、枯れてしまいました。
標高1000mを超えた場所にある寒冷地ということで、もともと植える樹木を周辺の木に寄せて植えていましたが、それでも定着はしませんでした。

自分でやって無理だったら、プロに依頼しようと植木屋さんに依頼もしたのですが、最初は自信満々だった植木屋さんが植えてもやっぱり定着させることはできませんでした。その植木屋さんは、いつのまにか黙って来なくなったのだそうです。

あれこれ試してダメだったこともありますが、絶対いつか定着するはずだとさらに試行錯誤をした結果、最終的には、複数の種を同時に植える混植というアプローチをとった結果、ついに定着に成功しました。

これは後になってわかったことですが、ここの土壌に十分な養分や微生物がいなかったことが問題で、1、2年は耐えられたものの、それ以上は耐えられなかったのだろうと考えています。

また、今になって植物は、地上の下で、木と木とでコミュニケーションをとりながら、影響を与え合うことで絶妙なバランスを作り出し、それによって生きた森ができてくることがわかってきました。混植は、木と木の影響の与え合いという点でもきっと良い効果をもたらしたのだと思います。

この試行錯誤によりここに森が生まれたことが、今のきたもっくを作る1歩目になったのだそうです。

なお、地中で木と木がコミュニケーションをとるのってどういうことというのが気になった私のような方に向けて、以下、今回の福島さんの話を受けて、調べた記事を参考までに載せておきます。

妙に距離感が近いと、居心地がわるくなる...これ、人間だけじゃありません。

太陽の光を十分に浴びられなかったりすることから、植物だってパーソナルスペースは重要です。精神的なストレスというより、距離感がそのまま死活問題に直結する問題になりうることから、進化の過程で何かしらの「回避する」能力を身につけていったことが考えられています。

とはいえ、どんなに周囲が混み合おうとも植物は「ちょっと近いんですけど」と声をかけられるわけではないですし、「あっちのほうが空いている!」なんて自由に場所を移動することもできません。

PLoS Oneで公開された最新の研究によると、植物が近くの苗木に「成長パターンを変えて」と言わんばかりの警告シグナルを発信できることが示唆されました。

植物どうしが土壌内で化学信号を通じてコミュニケーションをとれることについては、先行研究によってすでに明らかになっていたこと。ですが、こうした化学信号が地上での物理的な出来事に影響されているのかどうかについては、まだ理解が進んでいませんでした。

最新の研究では、スウェーデン農業科学大学の研究者Velemir Ninkovicさんらが、成長溶液のなかで育てたトウモロコシの苗木の葉っぱを軽くこすって生長を観察する実験を行ないました。葉っぱがこすられると、接触や刺激に敏感な植物が、周囲の木々と混み合っていると錯覚するようなのです。

これにより「自分のスペースが狭まってきている!」と勘違いした苗木が、成長溶液のなかで根っこから化学信号を分泌。この溶液を使って新たにトウモロコシの苗木を育てて両者を比較したところ、新たな苗木は根っこが小さく、葉っぱの多い状態に生育しました。

https://www.gizmodo.jp/2018/05/between-plants.html

福島さんから聞かせていただいた話の内容は一事が万事、こんな調子でした。

世間一般ではまだそうは考えられていないけれど、地方での、自然豊かな場所での企業経営においては、都市部のビジネスとは全く別のものの見方、考え方、アプローチの仕方が重要であるというのを、全て実体験をもとに聞かせてくれました。

植物の地下でのコミュニケーションの話もそうですが、まだまだ私は全然地球のことをわかっていないんだなということを強く感じました。

また、福島さんはこうもおっしゃっていました。

最初からうまくいかなかったのが良かったんだと思っています。最初から、スムーズに木を植えることに成功していたら、きっと今のきたもっくはなかったでしょう。

最初からうまく木が定着しなかったことで、我々に粘り強さが生まれ、それが今のきたもっくを作っているのは間違いありません。

これは、まさに、今回、うまく集客できなかった我々には、ドンピシャの言葉でした。

いつかこの活動も「最初からうまくいかなくて良かった」と思えるようにがんばっていけたらと思っております。

ということで、「転んだらしめしめと思い、ウェブに書き散らす」に加えて、「転んだら、ワクワクしながら、この失敗のおかげで開かれた新たな成功への道を歩き出す」というのもお勧めしたく思います。

きたもっく、本当に素晴らしい活動だなと思いますし、福島さんもおっしゃっていましたが、抜本的に変わった会議を体験でるTAKIVIVAは本当に素敵な場所なので、興味がある方はぜひコメントなどいただけるとありがたいです。


ということで、最後までお読みくださってどうもありがとうございました。


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