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意識ゆるく、灯りのもとで。

旅館と現代をアウフヘーベン


「旅館なのに、旅館らしくない。」

そんな驚きの声をいただくことも。

その旅館らしからぬ旅館の秘密は、空間デザイナーが手がけた宿であることが大きく関わっています。

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アウフヘーベン(Aufheben)とは、矛盾する要素をさらに高い段階で統一すること。


当館の創業は昭和24年まで遡ります。

現在と同じ、富山の歓楽街・桜木町の一角で、地域に根ざしてまいりました。それから70年以上がたち、人の価値観やライフスタイルは大きく変化してきました。

街角の小さな公園のように、人が行き交い、ほっと一息つける宿を目指して。

やがて3代目女将の想いをこめて、2019年秋に大リノベーションして再開。現代のライフスタイルや多様性に対応するポテンシャルをもった旅館に生まれ変わりました。

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エントランスは現代的な様相となりましたが、部屋の襖や土間などは昭和の時代からなじんできた建材を再利用。館内のいろいろな場所にこうした一手間をかけて、新たな価値を生み出しています。
ラウンジやキッチンといった、和洋折衷な共有スペースも充実。まさに「旅館」と「現代」という一見相反する要素を昇華した宿泊施設となりました。

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設計を手がけたのは、abanba代表の建築家・番場俊宏氏と番場絵里香氏。元状態を最大限に活かしつつ、鉄骨による耐震補強を行い、一部の内装は大きな変更を加えました。

完成した和空間を彩るのは、空間デザインプロデューサーの小野司氏。いくつものシェアハウスを手がけた経験は、共用スペースの多い和風旅館との相性もよく、旅が一つの客室での宿泊体験にとどまらないことを思い起こさせてくれます。

こうした複雑な全工程を、Green Note Labelの明石博之氏がプロデュースしました。

喧騒を忘れて、物思いにふける


館内の照明はその多くに人感センサーを導入。
建物で消費する年間の一次エネルギーを半分以下に削減する「ZEB Ready認証」を受け、建築物として環境問題への取り組みも実施しています。

明るいネオンライトに慣れた現代人にとっては、少し暗い?と感じるはず。
そんな少し非日常の落ち着いた空間をたのしんでいただければと思います。

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北陸の冬、こもる日も


「富山」はその名の通り、雄大な山々に囲まれています。

どこまでも連なる遠くの景色をみていると、日ごろの悩みが浄化されていきます。

一方で、長い冬は雪が積もり、スケジュール通り動けないことも。

ガラス美術館 雪


(そんな旅があったな)
と、いつかあたたかい記憶として思い出していただけるよう。

館内でゆっくりと寛いでいただけるように、空間デザイナーが一つひとつのインテリアをこだわり抜いて、至福の時間をプロデュースしました。

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「この空間に居たい」

そう感じていただけるような一瞬を、
実はすぐそばで見つけることができるかもしれません。

カドゥーキッシュランチ


スタッフ一同、心よりお待ちしております。


休んでかれ。