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年間2,000万の赤字スタートアップが、3ヶ月で1億円の売上がたつまでの記録【その3】

差別化されていないプロダクトでも、営業と販売が優れていれば独占を築くことはできる。逆のケースはない。(ピーター・ティール)

↑の言葉に頭をガツン叩かれた、Doorkelプロダクト開発チームのまつきよです。今回の記事は、「年間2,000万の赤字から、3ヶ月で1億円の売上がたつまでの記録」シリーズ3部作の最終章となります。その2では顧客のバーニングニーズを掴み、顧客と一緒にソリューションを作る!というところまで書きました。

その3では、顧客と一緒に作ったプロダクトをどのように多くの方に届けるのか。私たちの追い風となったことは何なのかについて、書いていきたいと思います。

1. 適切な販売チャネルは、プロダクトデザインの一部らしい!

PayPal(ペイパル)の創業者であり、投資家でもあるピーター・ティールは、著書「ZERO to ONE 君はゼロから何を生み出せるか」の中で、営業・販売もプロダクトデザインの一部と言っています。

販売を製品デザインの一部と考えるべきだろう。なにか新しいものを発明しても、それを効果的に販売する方法を作り出せなければ、いいビジネスにならない。それがどんないいプロダクトだとしても。
(中略)
差別化されていないプロダクトでも、営業と販売が優れていれば独占を築くことはできる。逆のケースはない。製品がどれほど優れていても、たとえそれが従来の習慣に合うもので、利用者が一度で気に入るような製品だとしても、強力な販売戦略の支えが必要になる。

良いプロダクトを作れば、勝手に顧客が増えるというのは、悲しいかな夢物語に過ぎません。「差別化されていないプロダクトでも、営業と販売が優れていれば独占を築くことはできるが、その逆のケースはない。」という言葉も衝撃的です。

私たちは販売チャネルの探索を、プロダクト開発と並行して進めていきました。

その結果、教育領域で実績が30年以上ある販売代理店と提携し、全国の教育機関へ一気にリーチすることができるようになりました。

・・・と書くと、スタートアップで働いているみなさんは、今すぐにでもパートナーシップを結びたくなりますよね。

だけどここで、大切なことをお伝えします。

戦略的パートナーシップは、その途中で十中八九失敗するといわれています。パートナーシップを結ぶことに時間がかかるし、たとえ結べたとしても、うまく機能させることがとても難しいのです。

事実、私は前職で大企業とパートナーシップを結びましたが、それ故にスタートアップならではのスピードを出しづらくなるなどの副作用がありました。。。

2. 戦略的パートナーって、どこにいるの?

パートナーシップを結び、両者がWin-Winとなるようにすることは簡単なことではありません。信頼関係を築くことはもちろんですが、双方が明確な利益を享受できるように設計しておかなければ、パートナーシップは絵に描いた餅で終わってしまいます。

では、私たちはどうやって戦略的パートナーを見つけたのでしょうか。

適切なパートナーを見つけるのはセンス!といいますが、私たちにそのセンスをもたらしてくれたのは顧客でした。

その2の記事から、顧客に会いに行くことを実践し、継続的にコミュニケーションを続けていく中で、顧客がどういうチャネルの情報をみて、どのようにサービスの導入を決めているのかを教えてもらうことができました。(これを、私たちは顧客に弟子入りするとよんでいます。)

そして、師匠(顧客)から販売代理店へ口利きしてもらえたことで、今回のパートナーシップの構築につながりました。

スタートアップは基本的に少人数で運営しています。人員構成もエンジニアやデザイナなどプロダクト開発に必要な人が多く、営業や販売はCEOが1人で務めていることもあるでしょう。

あらゆる経営資源が足りない中で、販売手段としてやりがちなのは広告を出すことですが、顧客の意思決定プロセスと乖離があると上手くいきません。(事実、私たちは広告も出していますが、現時点で全く上手くいっていません。。。><)

そんな中、提携した販売代理店は販売網と営業リソースはあるが、良いプロダクトがないという問題を抱え、一方のDoorkelでは、良いプロダクトはできたけど、販売網と営業リソースがない、そんな2人が出会ってしまったら・・・販売代理店契約ですね!笑

定石通りですが、お互いの強みを活かし弱みをカバーする、まさにWin-Winとなる良いパートナーシップを築くことができたのです。

ここでも顧客からのフィードバックを大切にすることで道がひらけました。

3. 新型コロナウイルスに素早く対応、問い合わせが100倍

こうして私たちが販売代理店と契約し、全国の教育機関から申し込みを少しずつもらえるようになったころ。

時を同じくして、新型コロナウイルスが日本で蔓延し、さまざまなイベントが中止となりました。

その影響は教育現場にも大きく波及しており、2020年3月頃に学校担当者から、学校説明会やオープンキャンパス、個別の面談ができなくなって困っていると相談を受けました。

そこで私たちは、オンラインで学校イベントをかんたんに開催できる機能を実装することを決め、2週間程度でリリースしました。

ここでも開発と並行して販売代理店と協力し、新機能のリリース告知を全国の教育機関に向けて実施。なんと問い合わせが200件以上に及びました!

大変ありがたいことでしたが、私たちは少数精鋭でここまで来たすごくイケてるスタートアップ(つまり人手不足)。個別での対応はとてもじゃないけどできる状態ではありませんでした。ぴえん。

そこで自ら開発したオンラインイベント開催機能を使って、学校担当者向けにオンライン説明会を実施することにしました。結果的にはオンライン説明会には300校以上の学校が参加し、申込みも100校以上にのぼりました。(そこから各校にアカウント発行して、オンボーディングして、本格的にサポートが始まり、とてつもなくてんやわんやとなりましたが。汗)

ここまでプロダクトガチャを回し、芽がありそうな複数のプロダクトを運営してきたわけですが、会社の全リソースをこの学生募集支援システム(SchooLynkContact)に集中させることにしました。

それでも全然リソースは足らず、リファラルで仲間を募集し、高速でカスタマーサポートチームを立ち上げ、開発チームを拡大しています。

4. プロダクトの改善ループを回しまくる

この半年間で着々と利用者数も増え、さまざまなお問い合わせをいただけるようになりました。顧客と一緒に作ったサービスなので、実際に業務が効率的に行えるようになった!というようなお褒めの言葉も沢山いただけて、とてもとても嬉しいです。

中には、これは使いづらい、そもそも使い方が分からない、これってできないの?というご要望や、お叱りの言葉をいただくこともあります。しかしながら、私たちにとっては、お叱りの声すらも嬉しくてたまりません。なぜなら、その1の記事で書きましたが、一番辛いのは何も言わずにそっと去っていってしまうユーザです。私たちのプロダクトに関心がなくなってしまうことが最も怖いのです。(決してドMなわけではないw、いやスタートアップやっている時点でドMかもしれないけど。)

このようにDoorkelチームでは、 学校担当者と双方向にコミュニケーションを取れることをとても大切に思っているので、すべてのお問い合わせをちゃんとデータで管理しています。
その数、プロダクト開発チケット数にすると300以上になります(同じお問い合わせはカウントしていません)。

300以上にのぼるご要望の全てに対応することはできていませんが、プロダクト開発チームでは高速でデザインスプリントを回し、より本質的な課題をシンプルに解決できる方法を考え、プロダクトに反映するプロセスを作っています。

UXデザイナー、UIデザイナー、エンジニア、全体を統括するプロダクトマネジャーが、リモートワークでもより効率的で効果的にコラボレーションできるように日々試行錯誤をしています。

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(miroを使ってリモートでコラボレーションしているよ!)

このようなプロセスで機能をリリースしていますが、幸い、どの機能もひたすらにご好評です。

私たちは、顧客からのフィードバックがない暗黒時代を生きてきました。こうしてさまざまな反応をいただけるようになった今、顧客からのフィードバックによって、リリースした機能がまた喜ばれて・・・という幸せのループに入れていることが、ひたすらに嬉しいです。(大事なことだから二回目)

また、カスタマーサクセスチーム(以下、CSチーム)は、顧客の成功に向かって顧客をサポートしています。その結果、顧客の月間アクティブ率(MAU)は95%以上です。そして、CSチームは残りの5%の顧客にも思いを馳せています。なぜお金を支払っているのに使っていただけていないのか。その理由や行動、習慣をヒアリングして、どうやったら喜んでもらえるのかを、日々考えています。もしかしたら、顧客自身よりも顧客の成功を考えているかもしれません。笑

5. がっつり成長痛

はい、いろいろと書いてきましたが、お気づきの通り(!?)、いわゆる成長痛がすごいです!笑 まだまだ、伸び盛りです。(成長期の子どもですw)

(さてここが、本題です。)私たちは一緒にプロダクトを伸ばし、辛い時には支え合える仲間を募集しています!ここまで読んでくださった方は、もうまさに仲間に該当する方なのではないでしょうか?

プロダクト立ち上げの、ゼロイチフェーズは終わりました。販売チャネルも上手くフィットしていて、小さな規模でのユニットエコノミクスを達成できている状態まで、なんとかたどり着きました。

しかし私たちはまだまだもっと、あらゆる人の人生のカベをドアにするというミッションのもと、さまざまな打ち手を考え、実行していきたいと思っています。教育領域にはまだまだ、私たちがやるべきことが、いっぱいあります。

近い将来、グローバルにも挑戦するつもりでいます。CEOの鈴木は、高校ではオーストラリアからイギリスへ、大学では中国へと、世界を渡り歩いてきた人間です。グローバル展開することに、ブレーキはついておりません。笑

是非、この急成長と多少の無茶を一緒に楽しんでくれる方を募集しています!

6. その3のまとめ

では、その3の内容をまとめたいと思います。

1. 販売チャネルはプロダクトの一部!適切なチャネルを見つけよう!
差別化されていないプロダクトでも、営業と販売が優れていれば独占を築くことはできる。逆のケースはない。

2. 戦略的パートナーシップは気をつけよ!
戦略的パートナーシップは高い確率で失敗する。私たちは運が良かった。運気を上げるには顧客に弟子入りしよう。顧客からのフィードバックはとても大切に!

3. 時流をとらえよ!そして、早く行動せよ!
新型コロナウイルスの流行によって、生活様式が良くも悪くも完全に変わってしまった。この社会の大きなうねりには逆らわない方がいい。素早く波に乗っていこう。(だって自分たちで波を起こすのはとっても大変だから。ソフトバンクくらいお金と人がいないと無理なんじゃないか?PayPayの普及は自ら波を起こした事例だと思いますが、100億どころじゃないお金をかけてます。。すごい。。)

4. プロダクト改善ループを回しまくる!
顧客とは双方向のコミュニケーションが大切。顧客からのフィードバックはちゃんと管理しよう。お叱りの声は大好物!でも、要望全てに対応することはできない。より本質的な課題解決ができるように考え抜いて、プロダクトを改善していく。

5. 成長痛です!仲間を募集しています!
急激に成長したので、やりたいのにできないことがまだまだたくさんあります!一緒に楽しんでくれる仲間をまっています!

さいごに

今回の記事で書いたのは、1つのプロダクトの話にすぎません。これから教育機関、学生、優秀な学生を採用したい企業の成功に寄り添うプロダクト開発も控えています。まずはお気軽に連絡もらえると嬉しいです!

(3密を避けた)リモート飲み会とかBBQもやっているので、まずは気軽にご連絡をー!


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