年間2000万円の赤字から、3ヶ月で1億円の売上がたつまでの軌跡。【その1】
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年間2000万円の赤字から、3ヶ月で1億円の売上がたつまでの軌跡。【その1】

松下清隆

こんにちは、はじめまして。Doorkel プロダクト開発チームのまつきよです。

株式会社Doorkelは、教育xグローバルxテクノロジー領域でサービスを開発しています。

2017年に創業し3期目を迎えましたが、昨年までは年間2,000万円の赤字で、調達した資金を燃やしながら走ってきました。銀行口座の残高が100万円を切ったこともありましたが、この3年間でいくつかのピボットを行い、3ヶ月で1億円の売上をたてられる教育機関向けサービスを生み出すことができました。

私たちの苦闘の歴史と、売れるサービスを生み出したプロセスを公開することで、スタートアップを運営している同志や大企業で新規事業の立ち上げをしている方々にとって、何らかの助けになれると嬉しいです。

1.  留学生向けSNSサービスをリリース

私たちの最初のプロダクトは、留学生向けSNSサービス(SchooLynk SNS)です。代表の鈴木陽平は、13歳の時に自ら留学資金を調達し、オーストラリアへ留学するという行動力モンスターです。その鈴木が、海外留学を決めるために必要な情報がなくて、とても困った!という原体験に基づき、留学生と学校(留学エージェント)間の情報の非対称性を解決するべくSNSサービスをリリースしました。

1.1 ユーザを2万人獲得!

サービスリリース後、初期ユーザを獲得するために広告を利用しました。具体的にはfacebookとGoogleです。広告によるユーザ獲得は非常に順調で、1ヶ月程度で1万ユーザを超えました。また、CAC(顧客獲得コスト)は約20円と衝撃的な安さで、広告費を増やしてもCACの上昇は見られず、登録ユーザは2万人まで増やすことができました。

1.2 定着しないユーザ

登録ユーザは順調に獲得できていましたが、問題がありました。それは、SNSコミュニティに「奨学金をください。」「奨学金をもらうにはどうすればいいですか?」という投稿が並ぶことでした。

これは、当初想定していた留学生と学校の情報の非対称性の解決とは異なる使われ方でした。

そこで私たちは奨学金リストを作成し、ユーザに配信することにしました。この施策はユーザをさらに低コストで獲得できましたが、彼らはリストを受け取ると「ありがとう!」と言って去っていきました。(悲しい)

奨学金を提供するのは、奨学金を運営する団体です。しかし、SchooLynk SNSには奨学金の運営団体は存在しないので、学生が奨学金に関して質問したとしても、回答者がプラットフォーム上にいないのです。

これは、UGC(ユーザ製作コンテンツ)サービスの初期に発生する鶏と卵の問題であり、質問者と回答者がプラットフォーム上に十分に存在しないとサービス提供できないという根本的な問題でした。

1.3 どうやったら定着するのか?高速な仮設検証ループをまわす。

質問が投稿されても回答者がいないので、サービス運営母体であるDoorkelでSNSを活性化するための取り組みを行うことにしました。学生から質問が来た場合には素早く回答をしたり、運営側からコミュニティに質問を投稿したりしました。

しかし、残念ながらこの取組もうまくいきませんでした。相変わらずSNSには、奨学金をください。という投稿が並び、私たちが奨学金リストを紹介するとユーザは去っていくのでした。(泣ける)

1.4 SNSサービスから、学校情報提供ツールにピボット

2019年5月のゴールデンウィークを全て使い、ユーザが定着しない原因を考え、留学に関する情報提供ツールにピボットすることにしました。

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当時の残っていた写真(大学を決めるまでの気持ち)

学生がいくつかの質問に答えることで、自分に適した学校やメディアの情報を提供するというツールです。ゴールデンウィーク丸々1週間使って考えて、2週間程度でプロダクトを作り、リリースしました。

いくつかの質問に答えると・・・

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留学チャンスを見つけてくれる!(素敵!)

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1.5 それでも定着しない。一旦、仕切り直す

サービスリリース後にデータをみると、約8割のユーザは質問を答える途中で離脱していました。また、日本国内の大学情報しか提供できていなかったので、日本以外の大学に興味があるユーザにも大きな離脱が発生していました。

とにかくあらゆる数字が悪く、言われようのない絶望感がチームの中に漂いました。もう、タイムリミットを決めるしかない。それまでに数字が改善しなければ、開発を止めよう!と意思決定し、その後、1ヶ月間さまざまな改善を行いました。が・・・

それでも数字が良くなることはなく、タイムリミットを迎え、仕切り直すこととなりました。

しかし、ここで仕切り直すという意思決定を行ったことが、今に繋がるとは誰も予想していませんでした。とても大変な状況ではありましたが、なぜDoorkelがあのタイミングでピボットの意思決定をできたのか。

今思えば、サービス立ち上げを何度も経験した元CEOやエンジニアがいて、フラットに意見を言い合える文化があったからです。

2. 何が良くなかったのか、冷静に振り返る

とにかくもう同じ失敗はしたくない。私たちは次のサービスを考える前に、これまで何が良くなかったのかを振り返りました。

2.1 歴史から学ばなかった

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というオットー・フォン・ビスマルクの言葉がありますが、私たちは歴史から学んでいませんでした

チームの中には、リーンスタートアップやゼロ・トゥ・ワン、起業の科学などの本を読んでいたメンバーもいましたが、チームDoorkelの共通言語にはなっていなかったのです。

そこで改めて、チームの共通言語づくりのために、メンバー全員で輪読しました。あの時、焼き肉を食べながら、本の内容について語り合ったことは今も忘れられません。(焼き肉の味も忘れられない)

2.2 顧客に会いに行かなかった

そもそもの反省点は、プロダクトを作る前に顧客に会いに行かなかったことです。「作れるものを売るな。売れるものを作れ。そして、作る前に売れ。」(と、誰か偉い人が言ってた気がします。)

SchooLynk SNSはグローバルな留学市場を狙ったプロダクトだったため、留学希望者に直接会いにいくハードルが高かったのは事実です。だけど、世界はインターネットでつながっている。顧客へのインタビュー方法は、工夫すれば低コストで実現できたはずでした。

3. その1のまとめ

この記事ではSchooLynk SNSがうまくいかなかった歴史について書きました。SNSサービスを開発していた当時は、自分がこの記事を書いているなんて想像すらできませんでした。あの頃の気持が蘇り、かなり胸が熱くなってしまいました・・・(焼肉美味しかったな・・・)

是非、私たちの経験をみなさんにも活かして欲しいと思っています。

1. 歴史から学ぶこと。(本から学ぶ、他の事例から学ぶ。)
2. 顧客に会いにいくこと。


そして今、うまくいってないことがあるなら、冷静に現状を振り返ってほしい。振り返るための時間を、しっかりと投資してほしいです。「立ち止まってる暇はない」と思うかも知れない。だけど、私たちも立ち止まって振り返ってみたからこそ、その後の成長につながったと確信しています。

さて次回(その2)は、顧客に会いに行きまくる、プロダクトガチャをまわしたお話を書きたいと思います。ここからが本番。さらに行動量をあげ、高速な仮説検証ループを回していきます。

第2話はこちら↓↓


さいごに

Doorkelでは、教育機関のDXを推し進めるサービスを一緒に作ってくれる仲間を募集しています。ご興味ある方は、下記リンクから気軽に応募してみてください!


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松下清隆
ソフトウェアエンジニア|UNIQUEX, inc. 代表取締役 CEO ←フリーランス ← スタートアップ ← NTTドコモ ← 早稲田理工 過去の自分に教えてあげたいこと、未来の自分が読み返したときにも参考になる記事をつづります。