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私のビジネスモデルは、ともだちづくり

企業の中に、対話によって多分野を統合する大学/コミュニティをつくるプロジェクトの1週間でした。

そして、今朝は「私ごとの仕事に、巻き込んですみません!」という友人からのうれしい連絡からはじまりました。「私ごとの仕事」っていいなあと思ったんです。その言葉は、私のはたらき方を代弁してくれていたように感じたのです。

これまで私や私の友人たちは、いわゆるビジネスロジックからのマウンティングを星の数ほど受けてきました。「それペイするの」「コスト意識」「市場のニーズは」。そのほとんどは、よかれと助言として言ってくださったものが多いです。その意図には感謝をしますが、その発言の影響は、時に私たちを暗澹たる気持ちにさせました。「命を守ろうとするとき、私たちはコスト意識なんて気にするだろうか」と、私は思うからです。

次に飛んでくるのか「じゃあどうやって暮らしいくの?」「どういうビジネスモデルなの?」。それに応えられなかったのですが、今回は、それを言葉にしてみようと思います。

今のところ、私のビジネスモデルはシンプルです。

友情です。

私の仕事のアウトカムは、友情の質の改善。

私の仕事で狙っているインパクトは、私の友人が新たな友人をつくり、その友情を深めていくこと。

私は、持続可能な企業や都市をつくるという仕事をするにあたって、「ともだちのために、ともだちと、はたらく」ことを原則としています。

だから、仕事からの目線で言えば、私はどんなクライアントために、誰とどんな仕事をしようが、関わった人みんなと「友達と呼びあえる関係」へと入っていくための努力をします。

そして、暮らしからの目線で言えば、仲の良い友達から、「ともにはたらく関係」へと入っていくための努力をします。いずれも、相手の意思を尊重をしますが。

友情は、私たちがすでに持っている「分断をつないで、統合していく力」を力を呼び戻させます。ワークとライフ、経済と福祉、営利と非営利、企業経営と森林、保守と革新、健常者と異常者、富める者と貧しいもの、理論と実践…。複雑な時代をいきぬくためには、学際性を統合することで生まれる変化の力が不可欠だと考えています。

逆に、友情がないと、くだらない目先のことで私たちは点と点どうしの奪い合いをはじめて、分断をすすめて、面として死んでいきます。

知り合いの美容師は、ノウハウやリソースを友人と、積極的にシェアします。それは彼がいい人だからではなく、「ほんとうは、誰と競合しているか」について、大きな視野を持っているからです。

彼はこう語ります。

「お客さんの立場からすると、1万円を使って、どう時間を過ごすかと考えた時に、ディズニーランドにいくか、友達と飲みにいくか、美容院にいくかという選択肢が見えて来る。その視点が見えてくると、俺らは仲間として連帯しなくてはいけないことに気付く。俺らが、地方でチンケなどんぐりの背比べをしたり、自分さえよければいいと保身をしているうちに、地方の美容院業界はどんどんすり減っていく。それで、グローバルな大企業はさらに力を蓄えていく。国だってもうお金ないでしょ。美容師って、かつては国家資格取得のためにインターンでの現場実習が必要だった。地域ぐるみで子育てをしていたみたいに、企業の連携の中で若い美容師を育てていたんだ。でも、今は、若手の育成コストを、単一の企業の雇用者が負っている。それで、一生懸命、縛り付けて囲い込みをしようとした結果、今、どこの美容院もハンパなく離職率高いからね。それで人材奪い合って、また分断されてくわけ。俺らは、何と競合しているかを大きく見ないいけない。面として、つまり、業界として、地域として生き抜きたいなら、もっと賢く努力しようよ。だから、ローカルにいる俺らは助け合わないといけない。自分がどんな大きなつながりの中にいるかがわかって初めて、自分が個として、点として提供して、勝てる価値はどのようなものか見えてくるんじゃないかと思う。」

「ともだちのために、ともだちと、はたらく」。友情が、分断を統合していく力になるから。実際にやってみると、その難しさを痛感する日々です。この数ヶ月そうかもしれません。でも、始めないと始まらないから、やり続けようと思っています。

ちなみに、もしあなたが、ましめで、やさしくて、責任感ある人だとすれば、本稿だけ読んで早速やってみるのは、もしかしたら危険かもしれません。

よかったら、こちらをお読みください。「誰でも彼でも友達や同士になろうとする」ということは、時にあなたを死に追いやろうとすることがあります。


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