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朗読第7回 流浪の民~シューマン


 ♪ぶなーの森の葉隠れに 宴(うたげ)寿(ほが)い 賑わしや 松明赤く照らしつつ 木の葉敷きいて うついする

これぞ流浪の人の群れ~…なんて、中学生時代の何だか合唱コンクールみたいなもののテッパン曲じゃなかったですか?曲はちょっとカッコイイし楽譜も読みにくくて難しいところが、中学生には大人っぽく感じられて余計にかっこよさを増している曲でしたよね。でもぶっちゃけ私、この歌詞

「ん何のこっちゃ、分からん!」

と思っていました。やっと成長して学生じゃなくなって「なるほどね」と理解が出来てきて、更に理解が深まり、思い入れも深くなりました。異民族への偏見や差別とその裏側にある羨望が見え隠れする、歌だったんですね。この曲はやはり合唱というスタイルがとても似合います。時折一人で歌うところが入りますがだからこそ、コーラスじゃないと意味がありません。

歌詞は、イギリス出身の詩人ガイベル。ガイベルの詩がドイツ語に翻訳されてシューマンが「歌曲の年」(時代って呼びたい)に採用し生まれた曲でした。調べると作品番号OP29の3となっていました。

ん?OP29の3?3曲目なの?てことは1曲目と2曲目があるの?  し、知らなかったなぁ

ということで1曲目2曲目も調べてみると…これまた素敵な女声コーラス曲じゃないですか!皆様ご存知だったでしょうかねぇ…不勉強ですみません。この世界観が流浪民族の女たちが紡いでいたとしたら、それはそれでとても素敵な世界になっている気がします。3曲ともガイベルの詩です。

民族の都合や不都合で、幼稚な争いが今もどこかで起きています。昔から人間は、知能が高いくせに解決できない、みっともない生物でもあります。しかし幼稚な争いであるほど傷は深く悲しみも辛さも、抱えきれないほど重いものになります。「多様性を重んじる」という発言はただの安っぽい口紅みたいにならないようにしなければ、ですね。

ジプシーという単語が差別用語、放送禁止用語だとは知らなかったですし、この曲ではジプシーはエジプトから来た民族(えじぷと→じぷと→ジプシー)だと思っていたみたいですが、実はインド系の民族だという説が有力視されています、最初から勘違いしているんです。

日本はまだまだ単一民族的意識が根強いようにも感じます。そんなことを意識しながら短編小説にしてみました。

スタエフで朗読配信を近々いたします。以下原稿です。お聞きいただきながら文字を追っかけてくださいましたら幸いです。

https://stand.fm/channels/601fc64085b142d0d859ff7a

Auf wiederseh'n!


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