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【児発・放デイ開所の記録】No4.良い物件が見つかったが…
足立区での開所が難しくなり、川口市を選択。物件探しは条件が厳しく難航し、焦りと不安が募る。川口市でも状況は変わらず、ウェブサイトでの探し続けるも、見つかるのか不透明。不動産屋もあまり相手にしてくれない。物件が決まらないことが進捗に影響し、焦る中、川口市での開所を目指し続けている。
そんな時、しっかり対応してくれる不動産屋に出会えた。全国展開しているような不動産屋ではなく、地域密着でエリアを決めて展開しているような企業である。
問い合わせに関するレスポンスは良く、不明点があれば、「確認しますね」と言ってほぼ1営業日以内には返信をいただけた。
事前に要件は伝えていたので、業態や検査済み証や自動火災報知機の有無なども確認していただけた。
内見日の調整もすぐ行ってくれるので、焦っている私にとって心の支えであった。
やはりすぐには見つからず、その後は、ウェブサイトを見ながら、良さそうな物件があればその方に問い合わせをして、詳細確認をするようにしていた。自社だけでなく、他社のウェブサイトに載っているような物件でも良さそうな所があれば聞いて欲しいとのことだったので、遠慮なくどんどん聞いた。
毎日ウェブサイトの更新が無いかチェックし、新着の物件があれば、ここどうですか?と昼夜構わず送り続けた。
「業態NGです。」
「検査済み証がありません。」
「自動火災報知器がありません。」
何度も聞いていると慣れて来るもので、淡々と物件探しを続けていた。
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そんな時、ようやく良さそうな物件が見つかった。マンション複合の1階部分、築年数は20年程度、駅から徒歩10分。
それに加えて、児童発達支援の事業所が最近撤退したばかりの物件であった。
ここであれば、設備要件や立地など全てクリアできるのではないか、ラッキーと思った。
そのまま居抜きで使えればそれでも良い思っていたが、スケルトン渡しになるとのことであった。
詳細を不動産屋からもらうと、行政にも急ぎ確認を取った。
「前あの場所に事業所があったのは知ってますよ、そこなら恐らく要件的にも問題ないはずです。」
と軽く会話した。
しかし、ふと思ったのは、最近事業所が撤退したような場所で、事業が成り立つのだろうか?ということ。
前の事業者を確認した所、大手のフランチャイズ店であった。家賃が相場よりも高いこともあり、ロイヤルティの支払いも合わせると収益的にかなりキツイのではないかと思った。
早速、内見予約を行って、予定時間の2時間前には現地に到着していた。周辺を散策するためである。
ひたすら歩いて近隣の事業所や小学校や幼稚園・保育園の位置を確認した。
このあたりの主要な駅に近く、3つほど小学校が徒歩で歩いて行ける距離にある。しかし家賃は結構高い、近隣事業者も結構多い。悩ましい…。
しかし、物件が見つからないことに焦っていた。
そんなことを考えるとすぐ内見の時間になってしまった。
管理会社の方に案内していただき、不動産屋と一緒に中を見せてもらった。
物件はまだ原状回復工事を行っており、教室だった跡が残っている。個別支援だけを行っていた様で、かなり狭く感じる部屋が複数区切られているのが分かった。
全体を見ると、何だか狭そうだなぁという感想であった。
「前の方の退去理由ってわかりますか?トラブルですかね?」
「理由まではわからないですねえ。トラブルがあったという話は聞いていないです。」
知らないと。それはそうだなと。
「ほかに何か揉めたりとかありますかね?」
「開業する時に裏口を設置できないかと消防署から言われて、設置するしないで少し揉めているようなことはあったけれど、最近は特に聞いていないね」
それは大変かもしれないが、開業できているのでクリアできたのだろう。それ以上に気になるのは、撤退理由である。
収益性なんだろうなぁと思いつつ、人が集まらなかったのか、集まったけれど、収益構造的に無理があったのか、別事業を行っている企業だったので、そちらにリソースを集中させたかったのかと、色々考えていた。
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管理会社の方から本物件を検討している方がもう1人いると聞いた。この時は、本当かどうかわからないなと思った。
それでも、不動産屋からは基本的に先に申し込みを行った方が優先されると聞いていたため、これまでの物件探しの苦労や開業するための基準を確認する手間が省けることを思うと、そんな考えも吹っ飛んで、帰りに申込書を貰い、その日中に申し込みを行った。
もう1人の方も同日に申し込みを行なっていた。
どちらにするかは管理会社が決めると連絡を受けた。ドキドキしながらも、どんなレイアウトにしようか、求人をどうしようかと次の行動を考えながら数日を過ごした。
「ダメでした。」
不動産屋から連絡をもらい、すでにその場所でどのように展開しようかと考えていた私は心底がっかりした。
理由は、最近撤退した児童発達支援の同業者より、他の業態の方が良いというもっともな理由である。
物件探しが振り出しに戻ってしまった。
この時、2023年4月下旬。物件が決まらないと融資も受けられないし、職員の募集もできない。何も始まらないのである。ますます焦りは募るばかりである。