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Taylor Swift/THE ERAS TOUR

Taylor Swiftをちゃんと聴き始めたのは、グラミー賞がきっかけです。

2016年の第58回グラミー賞のAlbum Of The Yearを『1989』が獲得したとき、当時予想をしていたラジオDJの方々といろいろな話をしました。それは私も含め「えっ? テイラーなの??」という話で。『1989』に予想を入れていたのは、予想メンバーの中には一人しかいなかった。そこで、反省しようと思い『1989』のCDを買って聴き込みました。カントリー出身はグラミー賞を獲りやすいからかなくらいにしか思っていなかったのですが、腰を据えて聴くといかにアルバムとして成立しているか、聴き落としていたことがたくさんあるなと、自分の勉強不足を反省しました。

特に私は「Style」という曲に魅かれて。何度もリピートして聴くくらい、彼女の楽曲の中でも特に好きな曲になりました。

以来、Taylor Swiftのアルバムがリリースされるたびに聴いてきました。

特に、新型コロナウイルスのパンデミックの最中に制作された『folklore』は、あの時期最もよく聴いたアルバムとなりました。先の見えない不安がこのアルバムにどれだけ癒されたか。「cardigan」を最初に聴いたときに、彼女がこのような楽曲を発表したこととその素晴らしさにとても驚きました。この『folklore』は2021年、第63回グラミー賞でAlbum Of The Yearを獲得。これは世界中の誰もが納得の結果だったと思います。

そして、2024年、第66回グラミー賞で『Midnights』が、Album Of The Yearに輝き、Taylor Swiftは、グラミー賞史上初となる、Album Of The Yearを4回受賞したミュージシャンとなりました。その2日後に、彼女のキャリアを総括する内容となっているTHE ERAS TOURでの来日。東京ドームでの4日間の公演の初日のチケットが当たったときは、まさかこんなタイミングで観ることになるとは思っていなかったので、ライブが始まるまで、なんともいえない緊張と胸の高鳴りがありました。

2024年2月7日
当日は、Tシャツを買いたくて、12時から始まる物販に11時45分くらいに着いて、14時に買えました。ちなみにその時点でTシャツのXSサイズは売り切れだったので、Sにしようかと思ったのですが、アメリカンサイズはでかい。そこで、もしやアメリカンサイズなら、子供用のYouth Mでも着られるのでは? と思って買ったら、私の身体にぴったりでした。良かった(笑)。

会場の周りにはおしゃれした子(キラキラのスパンコールを身につけた子が多い!)や、フレンドシップ・ブレスレットの交換をしている子も多くて、始まる前から、いろいろかわいい。そういう雰囲気を楽しめたのもとても良かったです。

会場に入って、私の席はこのあたりでした。

サイドだけど、これは観やすい。

始まってからわかるのですが、バンドがステージの両サイドにいて、私の位置から見ると、演奏者の雰囲気やノリもよくわかって、バックバンドがどうなっているのか気になっていたので、ちょうど良い場所で観られました。

スクリーンで時間のカウントダウンがあり、18時オンタイムでスタート。

オープニングの幻想的な演出からあっという間に魅きこまれ、まるで夢の世界にいるような気分に。

それから、約3時間20分、45曲、ほぼノンストップで歌い続けたこのライブ。

1曲たりとも歌唱、動き、演出、演奏、表情など、どこにも隙がない。全くない。

一体これはなんなんだと呆然とする頭と共に、今年50歳の私、音楽が好きな人生を生き続けたことで、こんな素晴らしい世界を体験できたという現実に、ただただ感動して、帰り道に泣きっぱなしでした。

最初はいろいろ頭を働かせながら観ていたのですが、途中からこれはもう今までに観たことのない次元のライブだと、頭では分析不可能になりました。さらに、「これはライブが終わってから現実に戻るのは難しいよ・・・」という気持ちにすらなっていました。

とにかくTaylor Swiftのパワフルな歌声は想像以上でした。ほぼ止まることのないステージで、曲ごとに演出は変わり、衣装替えも多く、ダンスもありますが、全く声がブレない。むしろ、どんどんパワフルになっているんじゃないかとさえ思うほどで、ただただ圧倒されました。

今回のライブで1番思ったことは、彼女は様々な音楽性のアルバムをリリースしてきましたが、度々彼女がギターを弾きながら歌う姿や弾き語りの場面などから、どの曲も、基本的に彼女の歌とギターだけで成立する楽曲なんだなと思いました。そして、世界最高峰のショーとしての演出はそれは豪華で素晴らしいのですが、例え、その演出がなくても、彼女と歌とギターがあれば、もうそれだけで十分世界最高のライブになると思うくらいに、ミュージシャンとしての実力が彼女自身にしっかりとあるところを感じずにはいられませんでした。その実力があるからこそ、最高の演出もより輝き、ライブとして、これまでにない世界を作り上げることができているのだと思います。

個人的には、先に書いたように「Style」と「cardigan」が、とても好きな楽曲だったのですが、ライブでは、「cardigan」のあとに「Style」が続いて、目頭が熱くなりました。

そして、『Midnights』からの最初の演奏曲となった「Lavender Haze」を聴いたとき。史上初の偉業を成し遂げたグラミー賞受賞アルバムの楽曲を、それから最初に演奏した瞬間に立ち会えている奇跡。それを今、目の前で自分が観られていることに、ただただ感動して、涙がこぼれるばかりでした。こんな瞬間が観られることは人生でそうないことで。音楽をずっと好きでいて、ラジオDJになって、ラジオDJとしての音楽知識をしっかり学び、身につけていくために続けているグラミー賞の予想がこういうことに繋がったことに、胸がいっぱいでした。

ライブのチケットが当たったときは、ただただ嬉しい! という気持ちでしたが、なんだか音楽の神様に「この瞬間をしっかり観ておきなさい」という音楽の学びと人生経験のために導かれたような気さえしたほどです。「Lavender Haze」は私の音楽人生で、特別な1曲になりました。

彼女はグラミー賞の偉業を経て、この東京ドームでの4日間のライブを終えたあとは、現在の恋人が出場するスーパーボウルの試合がすぐにあって。これで、恋人のチームが勝ったら、どんなプリンセス・ストーリーよりもすごい話だよなぁ・・・と思っていたのですが、彼女のライブを観ていて、これだけ世界中の人たちをその音楽で幸せにしてきたのだから、彼女が誰よりもこの世界で幸せになるのは当然のことだと思います。

その幸せを誰も邪魔することなく、祝福する世界であって欲しいです。

私自身も最初は、そのルックスやストーリーから、ちゃんと彼女の音楽と向き合っていなかった。それは自分でも気づかないうちに、社会が作り出したイメージや価値観に囚われていたのではないかと思いました。

自分のこの目と耳と心で観たTaylor Swiftは、正真正銘、心から音楽が好きで、曲を作ることを大事にしていて、歌をとても大切にして、努力を惜しまず、プロ意識が誰よりも高いミュージシャンでした。

2024年4月19日にリリースされる、ニューアルバム『The Tortured Poets Department』を心から楽しみにしています。

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