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7/8 一気に別世界にワープした感覚に陥る 【ファイサーイ(ラオス)→チェンコーン(タイ)】

午前9時にゲストハウスをチェックアウト。

裏手にあったローカル市場をのぞいてみる。
何か面白いものがあったらラオスのお土産として買おうと思ったが、特に気を惹くものはなかった。
クレープを買って、歩きながら食べる。

ラオスの出国ゲートまでは5km弱。
チェンコーン(Chiang Khong)までの直通バスも出ていたが、歩いて行くことにした。
手持ちのラオスキープが余っており、使い切るのは無理だとしても、道中でいくらかはお金を落として行こうと思ったからだ。

立派なツノ

通りかかった食堂で、ラオス最後のヌードルスープを食べる。

トマト入りは初めて食べたかも

食堂のお兄さんが一生懸命、漢字の書き取り練習をしていた。
この辺りでは英語よりも中国語ができた方が何かと便利なのだろう。

そのあとは路上床屋で、1ヶ月間伸ばしっぱなしにしていた髭を剃ってもらう。
おじさんが、もみあげも剃ってやるよ!というので彼に任せた。

次に、商店でリュックに詰め込めるだけのミネラルウォーターを買った。
600mLのペットボトルが5本入った。
それでも、300,000キープ(約2,200円)余ってしまったがやむなし。

出国ゲート周辺は辺境感がすごい。
今回の旅で3回目の陸路越境になるわけだが、先の2回はいずれも車で出国ゲートまで来ていた。
歩いてここまで来ると「いよいよ国境を越えるぞ」という気持ちが高まり、謎の感慨深さが押し寄せてくる。

出国ゲート

出国の手続きはあっという間に終了。
なぜか10,000キープが徴収されたが、「ラオス人は8,000キープ、外国人は10,000キープの手数料が必要です」という立て看板があったので、袖の下というわけではないのだろう。
路線バスの件しかり、ラオスの公共施設はいまいち信用できない。

ここから、ラオスとタイを隔てたメコン川に架かる第4友好橋を渡る。
徒歩では渡れないようで、25バーツ(約100円)でシャトルバスに乗る。

メコン川

メコン川の中央まではラオス国旗が、中央は2国の国旗が交互に、中央から先はタイ国旗が掛けられていた。

右側通行のラオスの出国ゲートは向かって右側にあったが、タイは左側通行なので向かって左側に入国ゲートがある。
入国の手続きも一瞬で終わる。

待機していた乗り合いソンテウに乗って、約7km離れたチェンコーンの市街地まで行く。
市内まで向かう道中、セブンイレブンを通りかかって感動した。

ソンテウはチェーンの大型スーパーマーケットに停車した。
特に意味もないが中に入ってみると、モノで溢れていて小さなショッピングモールのような感じだ。
ラオスとタイの経済力の差を思い知らされると同時に、一気に別世界にワープした感覚に陥る。

本日はチェンコーンに宿泊し、翌朝にチェンライに移動する予定。
バス停の場所を確認してから、近くでゲストハウスを探す。
路地に入ってメコン川の方に向かって歩き、最初に目に入ったゲストハウスに泊まることにする。

ゲストハウスの主人は中華系の女性で、とてもチャキチャキしていた。
「エアコンの部屋とファンの部屋どっちにする?ファンの部屋ね。ゲッコー(ヤモリ)が住み着いてるけど気にしないで。彼らは悪い奴じゃないから。じゃあ、パスポートを貸してちょうだい。あら、あなた日本人なの。ベトナム人かと思ったわ。ずいぶん顔が日焼けしているのね。あと、ミネラルウォーターがサービスだから、今持ってくるわね。氷はそこの冷凍庫に入ってるから、自由にとっていって良いわよ」
一気にそう言って、彼女は1.5Lのペットボトルとグラスを持ってきた。

荷物を部屋に置いて、ちょっとだけ路地を歩いてみることにした。
ぼくが外に出ようとするのを見かけた女主人は、例の口調で言った。
「今から外に行くの?一番暑い時間帯だからやめといた方がいいんじゃない。6時くらいになると涼しくなるわよ。昨日は涼しかったのに、今日はやけに暑いわね。まあ、それでも今出かけるというのならタダで自転車を貸してあげるわ。あら、後輪に空気が入ってないわね。ポンプを持ってくるから待ってて。……プシュ、プシュ、プシュ!」
せっかく自転車を借りられたので、市内から少し離れたところにある

少数民族の博物館に行ってみることにした。

チェンコーンの路地は何だか沖縄に似ている。

ちょっと郊外に出ると広大な田畑と連なる低山が視界に広がり、北の大地を彷彿とさせる。
チェンコーンは、日本の2大観光地である沖縄と北海道を詰め合わせたような素敵な場所だ。

のどかな風景を楽しみながら、1時間弱ママチャリを漕いで目的地に到着。

ルーラーイカム博物館。
約700年前に中国南部からタイに移住してきたタイルー族の民族衣装が展示されている。

鮮やかな織物が特徴的で、実際に機織りをしているところも見ることができた。

併設されたカフェで一休み。
カフェの下には竹できた橋があり、渡ってみたがミシミシしていて怖かった。

一旦ゲストハウスに帰って、日が暮れる頃にメコン川沿いを散歩する。

川沿いは遊歩道になっていて、散歩やランニングをする人、川を眺める人でのどかな雰囲気だ。

ネットで調べても、チェンコーンの旅行情報はあまり出てこない。
あくまでも「陸路でラオスへ行くときに通過する町」程度の扱いだ。
しかし、川沿いにはおしゃれなカフェ・レストランやゲストハウスが並んでいて、ただ通り過ぎてしまうにはもったいないくらい魅力的な場所である。

テカテカの寺院もいくつかあって面白い。

港の出国ゲート

実は10年前まで旅人は渡し船で国境越えをしていた。
メコン川にかかる第4友好橋が完成した2013年以降、外国人がボートで越境することは禁止となったが、ラオス人とタイ人は今もボートで両国を行き来することができるらしい。

メコン川の対岸はラオス。
渡し船の発着所から眺めるとそこまで貧しい国には見えないが、ちょっと離れたところから見ると途端に質素な建物が並ぶようになる。

チェンコーンと次の目的地であるチェンライは路線バスで結ばれており、2時間ほどしか離れていない。
今日は一気にチェンライまで行ってしまうことも考えていたが、やっぱりチェンコーンでの宿泊を選んで良かった。
そう思えるほど、チェンコーンは素敵な町だ。

今日の出費

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